3. 建設・資材セクターまとめ

建設・資材セクターは、インフラ・都市再開発・住宅・設備投資を支える基盤産業です。
ゼネコン(総合建設会社)から建設資材メーカー、住宅関連、設備工事まで多岐にわたり、
公共投資・民間設備投資・住宅着工動向・金利水準などの景気指標と強く連動します。

また、近年は「脱炭素建設」「リノベーション」「インフラDX」「防災・減災」など、
新しい潮流が次々に生まれています。
建設需要の波を的確に捉え、資材高騰や人手不足の中でも生産性を高める企業が評価される傾向にあります。

3. 建設・資材セクター

最終更新:2025-11-20


いまの概況(2025年11月時点)

2025年の建設・資材セクターは、都市再開発・防災投資の増加を背景に底堅く推移
公共事業はインフラ老朽化対策や防災・耐震強化が重点化され、地方でも需要が持続しています。

民間では、オフィス・商業施設の再開発、物流・データセンター建設が活発。
半導体工場・EV関連工場など製造業の新拠点建設も増加し、ゼネコン・設備工事会社の受注は堅調です。

一方、資材価格と人件費の上昇が利益を圧迫。
2024年後半から一部で鉄鋼・セメント価格の落ち着きが見られるものの、人手不足による工期遅延・原価高止まりが課題となっています。
中期的には、省人化施工やBIM(建築情報モデリング)などのDX導入が収益改善のカギを握ります。


最新トピック

  • インフラ再生と災害対策投資の拡大:老朽橋梁・トンネル補修、耐震強化が進展。

  • 都市再開発と再エネ関連工事が増加:データセンター・太陽光・風力建設が好調。

  • 人手不足と賃上げ圧力:技能者の確保が最大のボトルネック。

  • 建材価格の高止まり:鋼材・セメント・木材コストが利益率を圧迫。

  • BIM・施工DX導入の加速:建設プロセスのデジタル化が業界構造を変える。


 注目テーマ

  • BIM・建設DXの普及

  • 脱炭素建設・省エネ資材の採用

  • 防災・減災・インフラ再生投資

  • 人手不足対策(ロボット施工・外国人技能者受け入れ)

  • スマートシティ・都市型再開発の拡大


KPI(重要指標)

  • 受注高・受注残高(ゼネコン・設備工事)

  • 建設粗利率/完成工事高

  • 建設資材価格指数(鋼材・セメント・木材)

  • 建築着工戸数/建設許可件数

  • 公共投資額/民間設備投資額

  • 有効求人倍率(建設業)


個別レポート

  • トヨコー<341A>NEW
    └ 屋根再生技術「SOSEI」と高出力レーザー技術「CoolLaser」を軸に、脱炭素・インフラ再生を推進する成長企業。
  • Lib Work<1431>NEW
    └ 2025年6月期は営業利益68%増で過去最高を更新。中期計画「NEXT STAGE 2026」ではAI・3D住宅・暗号資産活用など新事業を推進
  • ニッソウ<1444>
    └ 2025年7月期に3期ぶりの増益を達成し、過去最高益を更新
  • ミライト・ワン<1417>
    └ 2025年3月期は受注総額が前年比14.6%増の6,291億円、営業利益は同57.0%増の279億円と大幅な増益を達成。
  • テノックス<1905>
    └ 最新業績と成長戦略を解説。基礎工事の専門技術を強みに、新幹線・リニア関連で利益拡大。
  • 日本電技<1723>
    └ 2025年3月期は空調計装関連事業が大幅増益を達成し、既設更新案件や大型新設工事の拡大により収益性が向上。
  • 中西製作所<5941>
    └学校給食や外食向け厨房機器で国内シェアトップを誇り、省人化・自動化を軸に海外展開と新市場開拓を進める成長企業。
  • 三機工業<1961>
    └2026年3月期も利益率の改善により増益を見込み、中期計画「MIRAI2030」では売上高3,500億円・ROE16%を目指す。
  • 新日本空調<1952>
    └ 2025年3月期に営業増益・過去最高益を記録し、2026年3月期も増益を見込む
  • テスホールディングス<5074>
    └ 中期経営計画「TX2030」で再エネ事業を拡大。持続可能な成長と収益性向上を目指す
  • 矢作建設工業<1870>
    └ 2026年3月期も増収増益を予想。2030年度には売上高2,000億円の達成を目標
  • RS Technologies<3445>
    └ 2024年最高益を更新し、2025年も二桁成長を予測。中期計画で売上1兆円を目指す
  • 美樹工業<1718>
    └ 2025年には売上高350億円・営業利益15億円を見込むなど業績改善を予想
  • ドラフト<5070>
    └過去最高業績を更新し、中期経営計画で売上高145億円・営業利益率9%・時価総額150億円を目指す
  • 飛島ホールディングス<256A>
    └ 中期経営計画では、売上高1,600億円営業利益96億円ROE10.0%DOE4.0%以上の安定株主還元を主要KPIに設定
  • 四電工<1939>
    └ 2025年3月期中間期には工事採算性の改善で大幅増益を達成し、通期見通しを上方修正
  • セレコーポレーション<5078>
    └ 2025年2月期も増益基調|配当105円予想の安定企業
  • 日本ヒューム<5262>
    └ 2025年3月期は大幅増収増益を達成し、中期経営計画「23-27計画R」も順調に進行中
企業情報をより深く分析したい方は、松井証券が提供するツールがおすすめ。
無料で株価チャートや決算データ、アナリストコメントなどを確認でき、企業分析の精度を高められます。
松井証券「マーケットラボ」徹底ガイド|無料機能・使い方・米国株版・他社比較まで解説
ここから確認
関連記事

松井証券の「マーケットラボ」は、銘柄分析・チャート・四季報・スクリーニングまでを無料で使える高機能ツールです。 本記事では、松井証券マーケットラボの使い方、機能一覧、米国株版との違い、そして他社ツールとの比較までを徹底解説。 初[…]

松井証券「マーケットラボ」徹底ガイド|無料機能・使い方・米国株版・他社比較まで解説

 基礎知識(初心者向け)

  • ゼネコンとは?
    総合建設業者のことで、設計から施工までを一括受注する。代表的な大手は鹿島・清水建設・大林組など。

  • サブコンとは?
    電気・空調・配管など特定分野を担当する専門工事会社。ゼネコンの下請け構造を担う。

  • BIM(Building Information Modeling)
    建物の3Dデータを活用して設計・施工・維持管理を効率化する技術。近年義務化の動きも。

  • 資材メーカーの役割
    セメント・鉄鋼・断熱材・ガラスなどの供給を担い、景気や建設需要に左右されやすい。

  • 再開発・都市建設の潮流
    地方創生、災害対策、スマートシティ開発などが中長期テーマ。官民連携による大型案件が増加。

この記事は「日本株17セクター総合ガイド」の一部です。
他の業界動向もあわせてチェックできます。
関連記事

松井証券の「マーケットラボ」は、銘柄分析・チャート・四季報・スクリーニングまでを無料で使える高機能ツールです。 本記事では、松井証券マーケットラボの使い方、機能一覧、米国株版との違い、そして他社ツールとの比較までを徹底解説。 初[…]

松井証券「マーケットラボ」徹底ガイド|無料機能・使い方・米国株版・他社比較まで解説