ピー・ビーシステムズ〈4447〉は、ハイブリッドクラウドの構築支援やサイバーセキュリティ分野に強みを持つ企業です。
2024年9月期には売上高・各段階利益がいずれも過去最高を更新し、主力のセキュアクラウドシステム事業に加えて、体験共有型VR事業「MetaWalkers」などの新規事業でも着実に成果を上げています。
2025年9月期も人材拡充と新規案件の獲得を通じ、7期連続での最高益更新を目指す姿勢を打ち出しています。
2025年12月09日に掲載されたピー・ビーシステムズ<4447>の企業分析
元レポートは下記の通りです。
ピー・ビーシステムズ<4447>レポートPDF
出典元:FISCO
ピー・ビーシステムズ〈4447〉ハイブリッドクラウドを軸とする独立系SIer
出典:FISCO企業調査レポート(2025年12月9日掲載)
ピー・ビーシステムズは、福岡を拠点とする独立系SIerで、中堅企業や公共団体を主な顧客としています。
主力は「セキュアクラウドシステム事業」で、システム仮想化やハイブリッドクラウド構築、サイバーセキュリティ分野を中心に事業を展開しています。
これに加え、近年はVR技術を活用した「エモーショナルシステム事業」を第2の柱として育成しています。
同社は1997年の創業以来、仮想化技術やクラウド基盤構築の分野で実績を積み重ねてきました。
2022年に東京証券取引所グロース市場へ上場し、事業拡大と体制強化を進めています。
事業構成|セキュアクラウドとエモーショナルシステムの二軸
セキュアクラウドシステム事業
同社の売上の大半を占める主力事業です。
プライベートクラウドやハイブリッドクラウドの構築を中心に、サイバーセキュリティ対策、BCP対応、DX支援などを提供しています。近年は、オンプレミスからクラウドへの移行需要や、セキュリティ強化ニーズの高まりを追い風に市場は拡大傾向にあります。
エモーショナルシステム事業
VR・メタバース技術を活用し、没入型の体験コンテンツを提供する事業です。
「MetaWalkers」や新製品「MetaAnywhere」を展開しており、防災、地方創生、公共分野、エンターテインメント領域での活用が進んでいます。
現時点では売上規模は小さいものの、成長分野として位置付けられています。
2025年9月期の業績|大型案件反動で減収減益
2025年9月期の連結業績は、売上高2,634百万円(前期比15.2%減)、営業利益124百万円(同65.5%減)、経常利益127百万円(同64.9%減)、当期純利益85百万円(同66.5%減)となりました。
主因は、前期に計上された大型案件の反動減です。
セキュアクラウドシステム事業において、中規模案件の受注が想定ほど伸びず、売上・利益ともに大きく減少しました。
一方で、エモーショナルシステム事業は新製品「MetaAnywhere」の投入などにより増収となり、全体の下支え要因となっています。
セグメント別動向|新規事業は成長、主力は調整局面
セグメント別では、セキュアクラウドシステム事業の売上高が2,553百万円(前期比16.6%減)と減少しました。
受注残高も前期比20.0%減の617百万円となり、足元では調整局面が続いています。
一方、エモーショナルシステム事業は売上高81百万円(同70.4%増)と高い成長率を示しました。
受注残高も95百万円と大幅に増加しており、来期以降の業績寄与が期待されます。
2026年9月期の業績見通し|30億円台への回復を計画
2026年9月期は、売上高3,000百万円(前期比13.9%増)、営業利益245百万円(同96.3%増)を計画しています。
主力のセキュアクラウドシステム事業では、新規顧客の獲得と営業体制の強化を進め、受注回復を図る方針です。
また、エモーショナルシステム事業では、MetaAnywhereを中心に公共分野や大型施設向け案件の拡大を目指しており、収益貢献度の向上が期待されています。
市場環境|クラウド・セキュリティ・メタバースの追い風
クラウドサービス市場は、オンプレミスからクラウドへの移行が進み、引き続き高成長が見込まれています。
特にハイブリッドクラウドやセキュリティ対策への需要は中堅・中小企業を中心に拡大しています。
また、サイバー攻撃の高度化を背景に、セキュリティ分野への投資は不可逆的な流れとなっています。
加えて、メタバース市場は公共・防災・教育分野での活用が進みつつあり、同社のエモーショナルシステム事業にとって中長期的な成長機会となる可能性があります。
成長戦略と株主還元
同社は成長戦略として、ハイブリッドクラウド対応力の強化、サイバーセキュリティ領域の拡充、AI活用によるシステムモダン化支援などを掲げています。
また、スマートファクトリー分野への取り組みも進めており、事業領域の拡張を図っています。
株主還元については、2024年9月期に初配当を実施し、2025年9月期は増配を計画しています。株主優待制度も導入しており、株主への還元姿勢を強めています。
まとめ|回復局面に入れるかが次の焦点
ピー・ビーシステムズは、2025年9月期に大型案件の反動で業績が落ち込んだものの、2026年9月期は売上高30億円台への回復を目指しています。
主力のセキュアクラウドシステム事業の受注回復と、新規事業であるエモーショナルシステム事業の成長が、今後の業績を左右する重要なポイントとなります。
短期的には業績回復の確度、中長期では新規事業の収益化スピードが注目される局面と言えるでしょう。
筆者コメント
ピー・ビーシステムズは「悪材料が出切った後、どこまで戻せるか」を見る局面に入った銘柄です。
2025年9月期の減収減益は事業競争力の低下というより、案件波動の影響が大きく、2026年9月期は回復計画が示されています。
注目点は2つあります。
1つ目は、主力であるセキュアクラウドシステム事業が再び安定成長軌道に戻れるか。
2つ目は、エモーショナルシステム事業(VR・メタバース)が「話題性」から「収益源」へ進化できるかです。
短期では業績回復の進捗、中長期では新規事業の収益化スピードが株価評価を分けるポイントになると考えます。
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2024年12月12日に掲載されたピー・ビーシステムズ<4447>の企業分析
元レポートは下記の通りです。
ピー・ビーシステムズ<4447>レポートPDF
出典元:FISCO
ピー・ビーシステムズ〈4447〉、7期連続最高益を視野に セキュアクラウドとVR事業で成長加速
企業概要
ピー・ビーシステムズは、クラウド構築やセキュリティ対策を担う「セキュアクラウドシステム事業」と、VR体験空間を提供する「エモーショナルシステム事業」の2本柱で事業を展開。
「ハイブリッドクラウドのプロフェッショナル集団」を目指し、技術者の増員や拠点拡充を積極的に進めています。
2024年1月には東京オフィスを開設、翌月には技術開発拠点「エンジニアハビタット」を設立するなど、開発体制の強化を図りました。
事業セグメント別の動向
セキュアクラウドシステム事業
主力事業であるセキュアクラウドシステム事業では、サイバー攻撃対策やBCP対応を支援する高付加価値案件の受注が増加。
2024年9月期は大型案件の完了と新規受注が進み、売上高・セグメント利益ともに伸長しました。
クラウドセキュリティの需要拡大を背景に、今後も継続的な成長が見込まれています。
エモーショナルシステム事業
VR空間を活用した体験共有型シアター「MetaWalkers」シリーズを中心とした同事業は、2024年期において計画未達の部分も見られましたが、今後は新規プロジェクトの拡大を計画しています。
メタバースやイベント領域との連携を通じ、収益化の加速を図る方針です。
連携・受賞実績
ピー・ビーシステムズは、2024年3月にWasabi Partner Network Awardを受賞。
また、ANAPとのメタバース空間構築共同事業、大英産業との協業など、業種を超えたパートナーシップを推進しています。
加えて、ソフトバンクの「ONE SHIPプログラム」や「5Gコンソーシアム」「防災コンソーシアムCORE」などにも参画し、幅広いネットワークを活用した事業拡大を進めています。
財務状況と見通し
2024年9月期の財務データでは、流動資産・固定資産ともに増加し、資産合計の拡大が確認されています。
主力のセキュアクラウド事業が安定した収益源として機能しており、2025年9月期も増収増益を計画。
両事業のシナジー効果を活かし、収益基盤の強化を目指しています。
株主還元・ESGへの取り組み
同社は、株主優待制度や初配当、自己株式取得などを通じて株主還元を強化。
また、ESG・SDGsへの取り組みとして、環境配慮型のクラウド運用支援や、社会的課題解決に資するシステム構築に注力しています。
これにより、「持続可能な成長」と「社会的責任の両立」を企業方針の柱に据えています。
まとめ
ピー・ビーシステムズは、セキュリティ強化とDX推進を支えるクラウド構築支援企業として高い専門性を発揮しています。
2024年9月期の過去最高業績を背景に、2025年9月期も増収増益を視野に入れた拡大路線を継続。
クラウド・セキュリティ・VR領域の融合を進めることで、次世代テクノロジー企業としての存在感を一層高める見通しです。
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