イノベーション(3970)は、法人向けマーケティング支援やオンライン展示会、SaaS型営業支援サービスを展開するIT企業です。
BtoB領域でのデジタルマーケティング支援を強みに、2025年3月期も堅調な業績を維持。収益基盤の拡大と中期経営計画の進捗により、持続的な成長への期待が高まっています。
2026年03月19日に掲載されたイノベーション<3970>の企業分析
元レポートは下記の通りです。
イノベーション<3970>レポートPDF
出典元:FISCO
概要
イノベーション株式会社(3970)は、法人営業の効率化を支援するBtoBマーケティング企業です。
リード獲得から育成までを一貫して支援するサービスを展開しており、主に以下の4事業で構成されています。
-
オンラインメディア事業
-
ITソリューション事業
-
金融プラットフォーム事業
-
VCファンド事業
主力は「ITトレンド」や「List Finder」などのマーケティング支援サービスです。
2026年3月期 第3四半期の業績
2026年3月期第3四半期は、増収ながら損失を計上しました。
-
売上高:5,029百万円(前年同期比 +29.2%)
-
営業損失:▲366百万円
-
経常損失:▲440百万円
-
純損失:▲437百万円
増収の主因は、シャノンの連結効果およびITソリューション事業の拡大です。
一方で損失となった背景には、
-
新規事業への先行投資
-
オンラインメディア事業の収益環境悪化
-
生成AIによる広告効率の変化
などが挙げられます。
セグメント別の動向
オンラインメディア事業
「ITトレンド」を中心としたリード獲得プラットフォームを展開しています。
-
売上は前年同期比で減少
-
資料請求数は堅調に推移
広告依存から脱却し、
会員基盤・LTV重視のモデルへ転換中
構造改革の途中段階にあり、短期的には収益圧迫要因となっています。
ITソリューション事業
最も成長している事業です。
-
売上高:2,124百万円(前年同期比 +604.2%)
主力サービス:
-
SHANON MARKETING PLATFORM
-
List Finder
MA(マーケティングオートメーション)領域での拡大が顕著で、
売上成長の中心となっています
金融プラットフォーム事業
-
売上高:272百万円(前年同期比 ▲64.4%)
-
セグメント損失:152百万円
IFA領域における業務委託部門の売却が影響し減収。
今後はオンラインメディアとの連携強化が方針です。
VCファンド事業
スタートアップ投資を行う事業で、
-
現在は投資フェーズ
-
損益はマイナス
中長期的なキャピタルゲイン獲得を狙う位置づけです。
通期業績見通し(2026年3月期)
会社計画は下方修正されています。
-
売上高:7,080百万円
-
営業損失:▲257百万円
-
経常損失:▲342百万円
-
純損失:▲451百万円
主な要因は、
-
オンラインメディア事業の収益低下
-
投資負担の継続
です。
成長戦略
① オンラインメディアの構造転換
広告依存モデルから、
-
会員基盤
-
LTV最大化
へ移行中。
効果が出るまでには1〜2年程度の時間が必要とされています。
② ITソリューション事業の拡大
-
MAツールの強化
-
顧客単価向上
-
解約率の低下
を通じて、ストック型収益の拡大を目指しています。
③ 金融・新規事業の再構築
-
金融事業の立て直し
-
新規領域とのシナジー創出
短期では負担要因ですが、将来的な成長オプションとして位置づけられています。
財務状況
2026年3月期第3四半期末
-
総資産:7,837百万円(前期比▲483百万円)
-
負債:4,186百万円(▲68百万円)
-
純資産:3,651百万円(▲415百万円)
投資負担により純資産は減少していますが、
資本政策や負債管理により安定性は維持されています。
株主還元
-
配当予想:40円
株主還元は継続しており、
利益回復後の増配余地も意識されています。
まとめ
イノベーションは現在、
増収だが利益は出ていない「構造転換期」
にあります。
-
ITソリューションは明確に成長
-
既存メディアは転換中
-
新規事業は投資フェーズ
短期は厳しいが、中長期の成長余地を残した状態です。
筆者コメント
イノベーションは現在、増収を維持しながらも利益面では課題を抱えています。
背景にあるのは、ビジネスモデルの転換です。
-
従来:広告収益(ITトレンド)
-
現在:SaaS型(MAツール)への移行
この構造変化の過程にあり、短期的には収益が圧迫されやすい状況となっています。
特に、広告モデルは生成AIの影響により効率が変化しており、従来の収益構造が機能しにくくなっている点は無視できません。一方で、ITソリューション事業は着実に成長しており、ストック型収益への転換は進んでいます。
現状は、
-
旧モデルの収益力低下
-
新モデルの成長途中
という過渡期にあります。
今後の焦点は、SaaS領域の拡大によって安定的な収益基盤を確立できるかどうかです。
その意味で同社は、
再成長に向けた転換期にある企業
と位置づけられます。
投資判断としては、
-
転換初期を評価するか
-
収益化を確認してから判断するか
スタンスによって見方が分かれる銘柄と言えます。
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2025年03月24日に掲載されたイノベーション<3970>のレポート要約
元レポートは下記の通りです。
イノベーション<3970>レポートPDF
出典元:FISCO
イノベーション〈3970〉の成長戦略― SaaS・デジタルマーケティング領域での存在感を強化 ―
■ 会社概要
株式会社イノベーションは、2000年に設立されたBtoBマーケティング支援の専門企業です。
主に「オンラインメディア事業」と「ITソリューション事業」を軸に、法人の営業活動やマーケティング活動を支援しています。
特に、Web展示会プラットフォーム「ITトレンドEXPO」や営業支援ツール「List Finder」など、独自のサービスを展開している点が特徴です。
■ 業績動向
2025年3月期第3四半期の業績では、売上高が前年同期比で増加し、安定した収益基盤を維持しています。
一方、利益面では新規事業や広告効率改善への投資が先行したことにより、営業利益・経常利益は一時的に減少しました。
ただし、既存サービスの契約社数は増加傾向にあり、成長ポテンシャルは引き続き高いと評価されています。
中期経営計画では、マーケティング支援とSaaS型ソリューションを両輪とする収益モデルを強化し、デジタルシフトの追い風を捉えて安定的な成長を目指す方針です。
■ 成長戦略
イノベーションは、主力の「ITトレンドEXPO」や「List Finder」の高度化に加え、マーケティングDX支援領域の拡大を進めています。
また、企業の営業効率化を支援する新規ツールの開発や、顧客データ活用の高度化なども推進。中長期的には、BtoBデジタルマーケティング領域での圧倒的な地位確立を目指しています。
さらに、広告や展示会イベントなどリアルとデジタルを融合したハイブリッド型のビジネスモデルを強化し、リード獲得から育成まで一貫した支援体制を構築しています。
■ 株主還元策と展望
イノベーションは、事業拡大フェーズにある一方で、株主還元にも積極的な姿勢を示しています。
安定配当を維持しつつ、業績拡大に応じた配当性向の見直しも検討されています。
2025年3月期通期では、デジタルマーケティング領域の需要増加を背景に、売上・利益ともに安定的な成長が見込まれています。
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