2025年09月30日に掲載されたVeritas In Silico<130A>のレポートを要約しました。
元レポートは下記の通りです。
Veritas In Silico<130A>レポートPDF
出典元:FISCO
Veritas In Silico 企業調査レポート
要約
ハイブリッド型ビジネスの展開
Veritas In Silico(130A)は、mRNAを標的とした医薬品の創出を行う企業で、プラットフォーム型ビジネスとパイプライン型ビジネスを併せ持つハイブリッド型ビジネスモデルを展開しています。
このモデルにより、製薬会社との共同創薬研究や自社開発の核酸医薬品の研究が進んでおり、将来的にはmRNA関連創薬のスペシャリティファーマとしての地位を確立することを目指しています。
創薬プラットフォーム「ibVIS」の技術
同社の創薬プラットフォーム「ibVIS」は、mRNAを標的とする低分子医薬品の創出に特化しており、特にAI技術を活用した幅広い応用性が特徴です。
これまでに多くの製薬会社との共同研究を通じて実績を上げており、企業の成長を支える重要な要素となっています。
中期計画と業績見通し
Veritas In Silicoは、中期的にプラットフォーム型ビジネスで毎年2件の新規契約、パイプライン型ビジネスで毎年1件の自社創薬を計画しています。
2030年にはmRNA関連創薬のスペシャリティファーマとしての地位を確立することを目指し、2025年12月期には事業収益788百万円、営業利益163百万円を見込んでいます。
会社概要
企業情報
– 設立: 2016年11月
– 所在地: 東京都品川区
– 代表取締役: 中村慎吾
沿革
Veritas In Silicoは、設立以来mRNA標的医薬品の開発を進めており、2018年からは製薬会社との共同研究を開始。
2024年には東京証券取引所グロース市場に上場し、現在では主要な製薬会社との提携を通じて事業を拡大しています。
事業概要
事業内容
同社の事業は、mRNA標的医薬品の創出を中心に、プラットフォーム型ビジネスとパイプライン型ビジネスの二本柱で構成されています。
プラットフォーム型ビジネス
プラットフォーム型ビジネスでは、製薬会社との共同創薬契約を通じて収益を上げています。
ibVISを利用することで、製薬会社は自社の技術や経験を活かしつつ、mRNA標的医薬品の開発に取り組むことができます。
パイプライン型ビジネス
自社でのパイプライン型ビジネスも進めており、2025年にはmRNAを標的とする核酸医薬品のパイプラインを創出する計画です。
成長戦略
経営理念と長期目標
「どんな疾患の患者も治療法がないと諦めない社会の実現」を目指し、mRNA標的医薬品や核酸医薬品の研究開発を進めています。
中期経営計画
中期の計画では、プラットフォーム型ビジネスの拡大と自社パイプラインの開発を並行して進めることを目指しています。
具体的には、毎年2件の新規契約を締結し、1件の自社開発を進める方針です。
業績動向
2024年12月期の業績動向
2024年12月期の業績は、事業収益788百万円、営業利益163百万円を見込んでおり、増収増益が期待されています。
特に第3四半期以降は新規契約の締結による収益が見込まれています。
2025年12月期の業績見通し
2025年12月期中間期の業績は、事業収益43百万円、営業損失186百万円となる見込みですが、第3四半期以降の契約一時金やマイルストーン収入により、通期での業績回復が期待されています。
技術力と研究開発
創薬プラットフォーム「ibVIS」
Veritas In Silicoは、独自の創薬プラットフォーム「ibVIS」を用いて、mRNA標的低分子医薬品の研究を行っています。
このプラットフォームは、RNA構造解析技術やスクリーニング法を集約し、創薬プロセスを効率化しています。
研究の成果
これまでに数多くのRNA構造解析データを取得し、スクリーニングや実証実験を通じて有望な化合物を収集しています。
また、共同研究の成果として、複数のリード化合物の発見に成功しています。
市場性と将来の可能性
mRNA標的医薬品のメリット
mRNA標的医薬品は、従来のタンパク質標的創薬では難しかった疾患に対する新たな治療法の提供が期待されています。
また、経済的に有利な低価格の医薬品として市場での競争力を持つ可能性があります。
核酸医薬品市場の展望
核酸医薬品は、希少疾患の治療に適しており、比較的高い薬価で新たな市場が形成される期待があります。
Veritas In Silicoはこの分野においても先駆者としての地位を築いています。
結論
Veritas In Silicoは、mRNAを標的とする低分子医薬品の開発において革新をもたらす企業です。
技術力と収益モデルの進化により、将来的には大きな市場シェアを獲得する可能性が高いと考えられます。
中期的には、プラットフォーム型ビジネスの拡大と自社パイプラインの開発を進め、収益の安定化を図る戦略を実施しています。今後の同社の動向には大いに注目が必要です。
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