バリュークリエーション(9238)は、マーケティングDXと不動産DXという2つの事業を柱に急成長を続ける企業です。
中核となる広告運用のノウハウを活かし、不動産領域では「解体の窓口」など社会課題解決型サービスを展開。
安定的な収益源と成長領域の両輪で、2030年2月期に売上高CAGR21.5%という高成長目標の達成を目指しています
2025年05月21日に掲載されたバリュークリエーション<9238>の企業分析
元レポートは下記の通りです。
バリュークリエーション<9238>レポートPDF
出典元:FISCO
バリュークリエーション〈9238〉企業レポート
マーケティング×不動産のDX融合でCAGR21.5%成長を狙う──二軸事業モデルが生む拡張性
1. 企業概要
バリュークリエーション株式会社(証券コード:9238)は、マーケティングDX事業と不動産DX事業の二軸で事業を展開する成長企業である。
2008年に設立され、デジタル広告運用を中心としたマーケティングDX事業で安定した基盤を確立しつつ、急成長を遂げている不動産DX事業においても高い注目を集めている。
同社は、「解体の窓口」をはじめとするマッチングプラットフォームを運営し、ユーザーと解体業者をつなぐ仕組みを構築。業界のDX化を推進する存在として存在感を強めている。
2. 事業構成
(1)マーケティングDX事業
企業の広告運用を支援する運用型広告サービスを展開。
Google広告・Yahoo!広告・SNS広告など多様な媒体を活用し、顧客企業のマーケティングROIの最大化を支援している。
これにより、ストック型契約を中心とした安定的な収益基盤を形成している。
(2)不動産DX事業
「解体の窓口」などを通じ、全国の解体業者と施主をオンラインでマッチング。
2024年には建設業許可を取得し、解体ニーズを直接取り込む体制を整備した。
また、見積比較や業者選定をオンライン上で完結できる仕組みを整え、解体業界の透明性・効率性を高めている。
両事業のデータ活用やマーケティング技術の相互連携により、事業間のシナジー創出を進めている点が同社の特徴である。
3. 業績動向
(1)2025年2月期業績
2025年2月期の連結業績では、売上高は増収となった一方、営業利益と純利益は減益となった。
主に広告費用の一時的増加や新規採用に伴う人件費上昇が影響した。
ただし、主力のマーケティングDX事業と不動産DX事業はいずれも増収を達成しており、基盤事業の拡大は順調に進んでいる。
(2)2026年2月期見通し
2026年2月期は、売上高・営業利益ともに増加を見込む。
「解体の窓口」の案件増加や成約率の改善に加え、マーケティング支援事業の受注増が寄与する見通し。
営業利益率の回復を図るとともに、ストック型売上の拡大で安定的な収益構造の構築を進める方針だ。
4. 成長戦略
バリュークリエーションは、2030年2月期までに売上高CAGR(年平均成長率)21.5%の達成を目標として掲げている。
戦略の柱は以下の3点である。
-
マーケティングDX事業の強化
運用型広告の自動最適化ツールやデータ連携強化により、
企業のマーケティング効率を向上させる。既存顧客のLTV(顧客生涯価値)最大化を図る。 -
不動産DX事業の拡大
建設業許可を活かし、解体案件の自社直接受注を強化。
解体だけでなくリフォーム・土地活用など隣接領域への展開も見据えている。 -
両事業のデータ連携による相乗効果
広告分析やユーザーデータを共有し、顧客獲得コストの最適化と収益率向上を進める。
5. 株主還元策
バリュークリエーションは、成長投資と株主還元の両立を基本方針としている。
2025年以降は配当金の増額を実施予定であり、加えて株主優待制度も拡充。
新たにデジタルギフト®の提供を導入し、株主へのリターンを強化している。
6. まとめ
バリュークリエーション〈9238〉は、「安定収益を生むマーケティングDX」と「高成長を支える不動産DX」という2つの柱を持つ企業である。
2026年2月期以降は両事業の拡大により収益構造の安定化が進む見通しで、中長期的にはCAGR21.5%の高成長シナリオが期待される。
社会課題の解決を軸としたDX推進型企業として、今後も注目度が高い。
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