昭和産業(<2004>)は、製粉・油脂・糖化製品など多角的な食品事業を展開する総合食品メーカーです。
2026年3月期第1四半期では、減収減益ながらも純利益は増加を確保。海外事業の拡大と持続可能な経営を軸に、ASEAN地域での新工場稼働や植物由来素材の研究開発など、次世代成長に向けた戦略を進めています。
本レポートでは、業績動向・製品戦略・海外展開・サステナビリティ施策を中心に、昭和産業の強みと将来展望をわかりやすく解説します。
2026年03月23日に掲載された昭和産業<2004>の企業分析
元レポートは下記の通りです。
昭和産業<2004>レポートPDF
出典元:FISCO
昭和産業<2004>会社概要|業績は横ばい圏で推移、収益体質の強化と高付加価値化が今後の焦点
同社は
・製粉(小麦粉・プレミックス)
・製油(食用油)
・糖質(機能性素材など)
・飼料
を中心に事業を展開しています。
穀物を起点とした多角的な事業構造を持ち、食品から畜産領域まで幅広くカバーしている点が特徴です。
業績動向
2026年3月期 第3四半期
・売上高:254,522百万円(-0.4%)
・営業利益:10,006百万円(+2.7%)
・経常利益:12,014百万円(-0.3%)
・純利益:8,943百万円(-14.0%)
売上はほぼ横ばい、営業利益は小幅増益となりました。
純利益は減少していますが、これは特別利益の影響によるものであり、特別要因を除けば純利益は増益となる水準です。
進捗状況
・売上:74.9%
・営業利益:91.0%
・経常利益:92.4%
・純利益:94.1%
利益面の進捗は高く、通期計画に対して順調に推移しています。
事業別の状況
食品事業
製粉では
・プレミックスが不振
・揚げ物需要の減少
が影響しました。
一方で
・パスタは業務用需要が増加
・製油は高機能商品が伸長
・糖質は用途別で明暗
という状況です。
糖質分野では
・飲料向けは減少(猛暑影響)
・製パン・調味料向けは増加
と用途による差が出ています。
飼料事業
・鳥インフルエンザで数量減
・鶏卵価格上昇で収益改善
結果として増収増益となっています。
外部環境の影響を受けつつも、価格面でカバーした形です。
通期見通し(据え置き)
・売上高:340,000百万円(+1.7%)
・営業利益:11,000百万円(-1.1%)
・経常利益:13,000百万円(-4.4%)
売上は微増、利益はやや減少の見込みです。
中長期戦略
■長期ビジョン(SHOWA VISION 2035)
同社は新たに「穀物のあらゆる可能性をひろげていく」というビジョンを掲げています。
ROE・ROICなどの指標も設定し、収益体質の強化を明確に打ち出しています。
中期経営計画(26-29)
重点は
・高付加価値商品の拡大
・コスト構造の改善
・海外展開(ASEAN)
です。
特にプレミックスの海外展開を軸に成長を狙っています。
新領域への展開
今後は
・医療・未病領域
・未利用資源の活用
など食品以外の領域にも拡張を進めています。
投資計画
・高付加価値・海外:170億円
・設備・環境投資:400億円
生産性向上と成長領域の両方に投資する計画です。
株主還元
配当性向は40%へ引き上げ株主還元の強化が打ち出されています。
まとめ
昭和産業は穀物を基盤とした安定的な事業構造を持ちながら、
・需要変動
・原料価格
の影響を受けやすい企業です。
足元では業績は横ばい圏で推移しつつも、特別要因を除けば収益性は維持されています。
現在は
・高付加価値化
・海外展開
・事業構造の見直し
を進める転換期にあります。
今後は収益の安定性と成長性をどこまで両立できるかが重要なポイントとなります。
筆者コメント
同社の現状は整理しやすく、売上は横ばい、利益も大きな伸びはないものの、基礎的な収益力は維持されている状態です。
純利益は減少していますが、特別要因の影響が大きく、事業そのものが弱っている状況ではありません。
一方で、構造的な課題も明確です。
原料価格や需要変動の影響を受けやすく、利益が外部環境に左右されやすい体質にあります。
そのため現在は
- 高付加価値商品へのシフト
- 海外展開の強化コスト構造の見直し
といった施策によって、収益の安定化を進めている段階です。
したがって、位置づけとしては成長局面というより収益体質の改善を進めるフェーズと見るのが自然です。
投資視点では利益の安定性がどこまで高まるか構造改革が継続的な数値改善につながるかが重要になります。
大きな変化は出ていないものの、中長期の方向性は明確になりつつある銘柄です。
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2025年12月25日に掲載された昭和産業<2004>の企業分析
元レポートは下記の通りです。
昭和産業<2004>レポートPDF
出典元:FISCO
昭和産業<2004>会社概要|食品・飼料の総合メーカー、付加価値商品と構造改革で収益安定化を進める
同社は
・製粉
・製油
・糖質
・飼料
などを中心に事業を展開する食品メーカーです。
穀物を基盤とした事業構造を持ち、食品から飼料まで一貫して扱う点が特徴です。
業績動向
2026年3月期 中間期
・売上高:166,701百万円(-1.1%)
・営業利益:6,054百万円(-11.8%)
・経常利益:7,278百万円(-11.9%)
・純利益:5,768百万円(-24.0%)
減収減益となりました。
ただし特別要因を除くと純利益は増益となる見込みです。
事業別の状況
食品事業
・プレミックスはやや苦戦
・パスタは米代替需要で好調
・機能性油脂が伸長
・糖質関連は堅調
特に「マルトビオン酸」などの機能性素材が成長を支えています。
飼料事業
安定した需要を背景に堅調顧客ニーズに応じた提案型営業により、収益基盤の維持・強化が進められています。
通期見通し(2026年3月期)
・売上高:340,000百万円(+1.7%)
・営業利益:11,000百万円(-1.1%)
・経常利益:13,000百万円(-4.4%)
・純利益:9,500百万円(-18.1%)
売上は微増、利益はやや減少見込みです。
進捗率は営業利益55%前後と概ね計画通りの水準です。
成長戦略
付加価値商品の拡大
・北海道産小麦粉
・こめ油
・機能性素材
など利益率の高い商品の強化を進めています。
糖質カテゴリの強化
「マルトビオン酸」などを中心に高付加価値領域を拡大しています。
また、新たな開発施設の設立も計画されています。
製油事業の安定化
・こめ油
・コーン油
などの拡販に加え原料供給の安定化にも取り組んでいます。
新規領域の開拓
・ファインケミカル
・化粧品用途素材
・バイオマス関連
など食品以外の領域も拡張しています。
コスト構造への対応
課題となっているのは
・原料価格の変動
・物流コストの上昇
です。
これに対し
・共同輸送
・モーダルシフト
・生産最適化
を進め、コスト吸収体制の強化を図っています。
海外展開
・中国・台湾に加え
・ベトナムに新工場を建設予定
ASEAN向け供給体制を強化しています。
中期経営計画
テーマは「ボラティリティの高い事業体質からの脱却」です。
そのために
・高付加価値化
・事業ポートフォリオの見直し
・安定収益基盤の構築
を進めています。
まとめ
昭和産業は穀物を基盤とした総合食品メーカーであり、
・食品
・飼料
・機能性素材
を組み合わせた事業構造を持っています。
足元ではコスト要因で利益が圧迫
されていますが、
・付加価値商品の拡大
・構造改革
により収益の安定化を進めている段階です。
今後は利益体質の改善がどこまで進むかが重要なポイントとなります。
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2025年09月10日に掲載された昭和産業<2004>のレポート要約
元レポートは下記の通りです。
昭和産業<2004>レポートPDF
出典元:FISCO
それでは早速見ていきましょう。
昭和産業の業績と将来展望
業績動向と今後の見通し
昭和産業の2026年3月期第1四半期の業績は、売上高84,647百万円、営業利益3,534百万円、経常利益4,393百万円となりました。食品事業での価格改定が進まず、前年同期比で減収減益となったものの、四半期純利益は7.3%増加しました。将来展望としては、2026年3月期の業績予想が発表され、売上高340,000百万円、営業利益11,000百万円が計画されています。特に、食品事業では新商品の上市や価格調整を通じた収益改善が期待されています。
製品戦略と市場展望
昭和産業は古米在庫の販売を継続し、インフレによる節約志向を背景に同製品の出荷増が見込まれています。営業施策としては、小売りや卸売り向けに市場購買データを活用し、特徴や好調な点を強調して取扱数の拡大を図っています。また、製油カテゴリでは半流動性油脂「Sベーカリーオイル」が好調な機能性を示し、業績向上が期待されています。
事業展開と海外市場
昭和産業はアジア圏を中心に輸出事業に注力し、2026年3月期の売上高は40%以上の増加が見込まれています。特にASEAN地域での事業強化や新規展開が進んでおり、ベトナムにおけるプレミックス新工場の稼働予定も期待されています。持続可能な経営戦略として、食品循環資源の再利用や植物由来商品の研究開発にも取り組んでいます。
ファイトケミカルプロダクツとの連携
ファイトケミカルプロダクツとの協業を通じて、昭和産業は植物由来商品の研究開発を推進しています。ファイトケミカルプロダクツはイオン交換樹脂を活用した機能性素材の製造販売を行っており、新プラント建設による量産化技術の実現を目指しています。フォーカスしているのは、ファインケミカル事業やオレオケミカル事業の展開であり、循環型社会の実現に向けた取り組みを進めています。
農業資材の開発
昭和産業は糖化製品の製造工程で発生する廃材を活用し、土壌改良材と堆肥の開発を進めています。特許取得した土壌の善玉菌を増やす効果や脱臭効果を持つ製品を市場に提供し、研究開発を積極的に推進しています。これらの取り組みを通じて、持続可能な経営戦略を展開しています。
昭和産業は積極的な事業展開と持続可能な経営戦略を通じて、今後も成長が期待される企業であることが伺えます。将来の展望に期待が高まります。
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1.食品セクター株最新動向
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2025年07月04日に掲載された昭和産業<2004>のレポート要約
元レポートは下記の通りです。
昭和産業<2004>レポートPDF
出典元:FISCO
昭和産業株式会社のビジネス・レポート
要約
昭和産業株式会社は2025年3月期に価格改定の苦戦から減収減益となったが、2026年3月期では付加価値商品の拡大に注力し、業績の回復が見込まれる。中期経営計画23-25では経常利益130億円、ROE 7.0%以上を目指し、施策を推進している。
会社概要
昭和産業は1960年に家庭用天ぷら粉を発売した食品企業で、「穀物ソリューション・カンパニー」をブランドメッセージとして掲げ、多種多量の穀物を取り扱う国内食品メーカーである。
事業概要
食品事業では製粉、製油、冷凍食品などの製造・販売を展開し、飼料事業では配合飼料や鶏卵の販売を行っており、顧客サポートにも力を入れている。
業績動向
2025年3月期の業績は売上高334,425百万円(前期比3.4%減)、営業利益11,126百万円(同15.4%減)となり、減収減益となった。2026年3月期の業績予想は売上高340,000百万円(前期比1.7%増)で、製粉カテゴリでは収益拡大が見込まれる。
今後の見通し
2026年3月期の業績予想では売上高340,000百万円を見込み、提案型営業を強化して顧客ニーズに応える方針を示している。成長投資や株主還元にも力を入れる計画が進められている。
昭和産業の事業概要
食品事業
昭和産業はサラダ油やキャノーラ油、健康ひまわり油「オレインリッチ」などの販売を行っており、糖質カテゴリではコーンスターチの製造・販売を行っている。
飼料事業
飼料事業では配合飼料や機能性飼料の製造・販売を行い、イソマルトオリゴ糖混合飼料などの製品も提供している。
業績動向
2025年3月期の業績
2025年3月期の連結業績は売上高334,425百万円(前期比3.4%減)となり、営業利益は11,126百万円(同15.4%減)。セグメント別では製粉や製油カテゴリが収益を支えた。
キャッシュ・フロー
2025年3月期末の資産合計は255,504百万円で、負債合計116,884百万円、純資産合計138,619百万円となった。自己資本比率は52.8%で、安定した財務状況を示している。
2026年3月期業績予想
実績と予想
2026年3月期の業績予想では売上高3,400億円、営業利益110億円、経常利益130億円となっており、前期比で一部減少が見込まれる。
今後の見通し
インバウンド需要の回復や原料穀物相場の影響など、不確実な要素が残る中で、昭和産業はセグメントごとに重点施策を打ち出し、成長に向けた施策を推進している。
このように、昭和産業株式会社は食品、飼料事業を中心に事業展開し、中長期的な成長に向けた施策を進めていることが伺える。今後の市況や環境変化にも柔軟に対応し、持続可能な成長を目指している企業である。
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