5.医薬品セクターまとめ

概況

日本の医薬品業界は、国内の少子高齢化や医療費抑制政策の影響を強く受ける一方、世界的な新薬需要やグローバル展開が成長の原動力となっています。
新薬開発には時間とコストがかかるため、パイプライン(開発中の薬) の成否が業績を大きく左右。近年はバイオ医薬品・遺伝子治療・創薬AIなどの先端分野が注目を集めています。


最新トピック

  • 厚労省の薬価改定で新薬・後発薬ともに収益圧迫リスク。

  • オンコロジー(がん領域)や希少疾患薬への投資が加速。

  • 海外展開強化:米国・中国市場への新薬承認が株価の材料に。

  • AI創薬やバイオベンチャー連携で開発効率を改善。

  • 自社株買いや増配など株主還元も活発化。


注目テーマ

  • 薬価改定リスク:収益圧迫要因。特に長期収載品は下落幅大。

  • グローバル展開:米中欧での承認スピードが業績カギ。

  • 新薬パイプライン:抗がん剤、希少疾患薬、免疫治療薬の開発状況。

  • バイオ・創薬AI:研究効率とコスト削減の柱。

  • M&A・提携:大手はベンチャー企業との連携で新薬候補を確保。


KPI(重要指標)

  • 研究開発費比率(R&D比率):売上に占める研究費の割合。

  • パイプライン数:臨床試験フェーズ別(フェーズ1~3)。

  • 承認申請数・承認取得数:各国規制当局への申請・承認動向。

  • 薬価改定影響額:収益に与えるマイナス効果。

  • 海外売上比率:グローバル展開度合い。

  • 営業利益率:安定収益力の確認指標。


個別レポート

【企業分析レポート】大幸薬品<4574>業績・成長戦略・投資ポイントまとめ
要旨:「正露丸」「クレベリン」。25/中間は大幅減益も、供給安定化と規格対応で反転狙い。


基礎知識(初心者向け)

  • 薬価制度:日本は国が薬の価格を決める。改定で利益が削られることが多い。

  • パイプライン:開発中の薬のリスト。これが株価材料になる。

  • 先発薬と後発薬:先発薬は高収益だが、特許切れ後は後発薬(ジェネリック)が台頭。

  • 新薬承認の流れ:基礎研究 → 臨床試験 → 承認申請 → 販売。

  • 成長ドライバー:がん領域、希少疾患、バイオ医薬品、グローバル展開。