オーケーエム<6229>環境規制対応バルブの国内9割シェア企業が大幅増益

オーケーエム(6229)は、環境規制対応バルブで国内シェア9割超・世界シェア約4割を誇るグローバルニッチトップ企業です。
2026年3月期中間決算では売上高55.9億円(前年同期比+10.6%)、営業利益6.2億円(同+31.7%)と大幅増益を達成しました。
特に舶用市場が25%超の伸びを記録し、4期連続で過去最高売上を更新しています。
世界的な脱炭素・環境規制強化を背景に、成長を続ける同社の決算内容と中長期戦略をわかりやすくまとめます。

2025年11月25日に掲載されたオーケーエム<6229>の企業分析

元レポートは下記の通りです。
オーケーエム<6229>レポートPDF
出典元:FISCO

オーケーエム(6229)舶用バルブ好調で4期連続最高更新|環境規制追い風に成長加速

1. 企業概要|環境規制対応バルブで国内シェア9割超のトップ企業

オーケーエムは、環境規制に対応した特殊バルブの分野で国内シェア9割超、世界シェア約4割を占めるグローバルニッチトップ企業です。
主力は船舶排ガス用バルブやLNG関連バルブで、環境規制強化を追い風に需要が拡大しています。

同社は中長期ビジョン「Create200」のもと、2031年3月期までに売上高200億円・営業利益20億円の達成を掲げています。


2. 2026年3月期 中間決算(第2四半期)概要

2026年3月期第2四半期の実績は以下の通り。

  • 売上高:55.9億円(前年同期比+10.6%)

  • 営業利益:6.2億円(前年同期比+31.7%)

増収・大幅増益となり、FISCOは「予想を大きく上回る」と評価しています。

特に、舶用バルブの販売が市場回復と環境規制の強化で急伸し、4期連続の過去最高更新となりました。
LNG用バルブの採算改善や経費抑制も利益を押し上げています。


3. 市場別売上高の状況

舶用市場(全体の59.1%)
  • 33.1億円(前年同期比+25.2%)

好調な受注・出荷が続き、牽引役に

陸用市場
  • 22.8億円(前年同期比▲5.3%)

前年の大口案件の反動で減少。ただし基調は堅調。

売上構成は舶用が大きく伸び、前年から約7ポイント増。


4. 地域別売上高の状況

地域 売上高 前年同期比
日本 45.5億円 +11.9%
韓国 3.3億円 +12.6%
中国 4.3億円 +8.5%
マレーシア 1.7億円 +58.9%

海外比率は18.7%(前年微減)ながら、四半期ベースでは回復傾向。


5. 受注状況(前年同期比+12.4%)

  • 舶用:+17.1%

  • 陸用:+6.1%

次期以降の業績にもプラスとなる受注の積み上がりが確認されています。


6. 財務状況|極めて健全なバランスシート

2025年3月期第2四半期の財務状況。

  • 自己資本比率:80.1%(非常に高水準)

  • 資産合計:128億8,500万円(前期比▲2.1%)

  • 負債合計:25億6,500万円(前期比▲10.0%)

  • 営業CF:黒字へ転換

  • 現金同等物:前年同期比+16.5%

財務安全性は業界トップクラス。


7. 今後の展望|環境規制強化を追い風に成長継続へ

世界的に環境規制が厳格化する中、排ガス関連バルブやLNG関連バルブなど、同社の強みを持つ製品への需要が継続する見通し。

中期計画では、

  • 既存領域の深耕

  • 海外展開の加速

  • 新規領域への挑戦

を軸に成長を目指す方針です。

2031年3月期までに
売上200億円・営業利益20億円
という目標も明確に設定されています。


8. 株主還元方針

  • 配当金:1株40円を基本

  • 配当性向:30%を目安

堅実な成長と高い財務基盤を背景に、安定還元を重視しています。


 総括

オーケーエムは、環境規制向けバルブという参入障壁の高い市場で圧倒的シェアを持つ真のニッチトップ。
2026年3月期の中間決算は、舶用バルブの販売増と採算改善で大幅増益となり、FISCOが指摘するように業績の堅調さが際立ちました。

世界的な脱炭素・環境規制強化の流れは長期的テーマであり、同社にとっては追い風が続くと考えられます。
中長期ビジョン「Create200」達成に向けた成長戦略にも、十分な現実味があると評価されています。

筆者コメント

オーケーエムは、まさに環境規制の追い風を最も強く受ける企業と言ってよい存在です。
舶用・LNG関連など規制強化による必需品領域で圧倒的シェアを持っているため、市場全体が伸びる局面では非常に強い業績を出しやすい構造があります。

今回の中間決算は、売上・利益ともに市場想定を上回り、舶用バルブの伸びが際立ちました。
自己資本比率80%超という万全の財務体質も魅力で、景気変動に強い点も評価できます。

短期的なリスクは限定的で、中長期では「Create200」(売上200億円・営業利益20億円)に向けた成長ストーリーが明確です。
環境規制は後戻りしにくい世界潮流であり、バルブ分野のリーダー企業として今後も安定した収益成長が期待できると感じます。

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2025年05月23日に掲載されたオーケーエム<6229>のレポート要約

元レポートは下記の通りです。
オーケーエム<6229>レポートPDF
出典元:FISCO

株式会社オーケーエムの成長戦略と業績の展望

世界シェア4割のバルブメーカー 収益性重視へ転換し持続成長を狙う

企業概要

株式会社オーケーエムは世界シェア約4割を誇る環境規制対応バルブ企業であり、2025年3月期売上高は前年比10.1%増の104億3,800万円を達成しました。
同期の営業利益は7億8,300万円となり、2026年3月期から収益性重視の方針転換を図っています。

2025年3月期決算レポート

2025年3月期の決算概要によると、材料価格や人件費の上昇、通信費の増加、為替差損などが利益を押し下げています。
売上高は10,438百万円を達成し、特に舶用部門が伸び、陸用部門は小口化により減少しています。自己資本比率は過去最高の78.3%に達し、資本効率の向上が課題となっています。

2026年3月期業績予想

2026年3月期の業績予想では、売上高は10,700百万円、営業利益は680百万円となる見込みです。
新基幹システムの本格稼働に向けた体制整備が進められています。仕入材料価格の上昇による売上原価増加が続く中、販管費の増加が利益を押し下げています。

成長戦略

オーケーエムは第2次中期経営計画において、2028年3月期までに連結売上高132億円、営業利益率10%以上、ROE10%を目指しています。
脱炭素化やクリーンエネルギー市場への対応を中心に、新商品開発や販売体制の確立が進められています。船舶排ガス用バルブの強化や生産性向上が課題となっています。

企業価値向上に向けて

オーケーエムはPBRの低下傾向やROE、PERの改善を課題とし、投資家には十分な情報が伝わっていないと認識しています。
企業価値の向上を図るため、B/Sマネジメントや資本効率の改善に取り組んでおります。また、株主還元やキャピタル・アロケーションにも注力し、成長と収益性の両立を目指しています。

以上が株式会社オーケーエムの成長戦略と業績の展望に関するまとめです。今後の展開に注目です。

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