上新電機〈8173〉は、全国に店舗網を持つ大手家電量販店として、家電製品や情報通信機器、エンターテインメント商品の販売を行っています。
2026年3月期中間決算では、パソコンやゲーム関連商品の好調を背景に、売上高・営業利益ともに会社計画を上回る結果となりました。
本記事では、同社の事業内容や中間決算の概要に加え、新中期経営計画「JT-2028」に基づく成長戦略や今後の注目点について整理します。
2025年12月01日に掲載された上新電機<8173>の企業分析
元レポートは下記の通りです。
上新電機<8173>レポートPDF
出典元:FISCO
上新電機〈8173〉2026年3月期中間決算を踏まえた企業分析
(2025年12月1日掲載/出典:FISCO)
企業概要
上新電機株式会社は1948年に大阪で創業した、日本の大手家電量販店です。
現在は全国に220店舗を展開しており、内訳は直営店210店舗、フランチャイズ3店舗、関係会社7店舗となっています。
家電製品を中心に、情報通信機器やエンターテインメント商品などを取り扱い、顧客のライフスタイルに寄り添ったサービス提供を企業理念としています。
沿革としては、1974年に業界初のテレビショッピングを開始し、2000年にはインターネットショップを開設するなど、時代の変化に対応した取り組みを進めてきました。
2022年には東京証券取引所プライム市場へ上場しています。
2026年3月期 中間期決算概要
2026年3月期中間期の連結業績は、売上高・営業利益ともに会社計画を上回る結果となりました。
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売上高:210,452百万円(前年同期比 +9.6%)
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営業利益:2,138百万円(同 +16.3%)
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経常利益:2,004百万円(同 +12.8%)
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親会社株主に帰属する中間純利益:1,894百万円(同 ▲13.7%)
売上および営業利益は順調に拡大した一方で、純利益は前年同期を下回りました。
業績好調の背景
業績拡大の主因として、パソコン、携帯電話、ゲーム・玩具といった分野の販売が好調に推移したことが挙げられます。
特にパソコンについては、「Windows 10」のサポート終了を見据えた買い替え需要が顕在化し、売上増加に寄与しました。
また、EC売上高は前年同期比22.2%増と高い成長を示しており、全体の業績を押し上げる要因となっています。
商品カテゴリ別の動向
2026年3月期中間期における商品カテゴリ別売上高比率は以下の通りです。
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白物家電:40.7%
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情報通信機器:25.4%
これに加え、ゲームや模型・玩具といったエンターテインメント分野の売上が伸びている点が、同社の特徴とされています。
これらの商品群は、顧客の来店頻度やロイヤルティ向上にも寄与しています。
EC事業と市場環境
上新電機は、店舗販売に加えてEC事業の強化にも注力しています。2026年3月期中間期におけるEC売上高比率は17.2%となりました。
家電業界全体ではEC比率が10%前後にとどまる企業も多い中、同社のEC比率は比較的高い水準にあります。
一方で、競合他社では商品説明や接客機能を強化することで、さらに高いEC比率を実現している事例も見られます。
同社は、店舗での接客力を生かしながらECとのシナジーを高める戦略を進めています。
通期業績見通し(2026年3月期)
2026年3月期の通期業績予想は以下の通りです。
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売上高:404,000百万円(前期比 +0.2%)
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営業利益:4,000百万円(同 +8.5%)
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経常利益:4,000百万円(同 +14.6%)
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親会社株主に帰属する当期純利益:2,800百万円(同 ▲17.8%)
中間期の売上高は期初計画を7.4%上回っており、通期計画の達成が視野に入っています。
財務状況と経営指標
2026年3月期中間期末の財務状況はおおむね良好とされています。
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流動資産合計:122,739百万円
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現金及び預金:4,481百万円
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売掛金:22,491百万円
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棚卸資産:72,573百万円
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負債合計:125,493百万円
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自己資本比率:45.4%
棚卸資産回転日数は前期末比で0.6日短縮されており、在庫管理の改善が進んでいます。
関西茨木物流センターやアウトレット店舗の活用が、在庫流動性の向上に寄与しています。
新中期経営計画「JT-2028」
上新電機は、2029年3月期を最終年度とする新中期経営計画「JT-2028」を発表しました。
同計画では、以下の目標を掲げています。
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営業利益:100億円以上
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ROE:7.0%以上
具体的な施策としては、
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店舗の質向上
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プライベートブランド(PB)の強化
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データドリブン型マーケティングの推進
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無形資産の強化
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地域密着型戦略の深化
などが挙げられています。
株主還元策と資本政策
2026年3月期の配当は、1株当たり100.0円を維持する計画であり、配当性向は92.3%を見込んでいます。
また、株主優待制度として、100株以上の保有株主に対して優待券を付与する方針です。
資本政策については、キャッシュ・フロー改善を進めつつ、2027年には配当性向40%以上を目指すなど、株主還元の強化を掲げています。
まとめ
上新電機〈8173〉は、家電量販店としての安定した基盤を持ちながら、EC事業やエンターテインメント分野の強化を通じて成長を図っています。
2026年3月期中間期は、売上高・営業利益ともに好調に推移し、通期計画の達成が視野に入る状況となりました。
新中期経営計画「JT-2028」では、守りの経営から攻めの経営への転換を掲げており、今後は施策の実行力や現場力が成果を左右する局面に入ると考えられます。今後の進捗と具体的な成果が注目されます。
筆者コメント
上新電機は、家電量販店としての安定した店舗基盤を持ちながら、EC事業やエンターテインメント分野の強化を通じて事業構造の進化を進めている企業です。
2026年3月期中間期は、パソコンの買い替え需要やゲーム関連商品の好調により、売上・営業利益ともに計画を上回る結果となりました。一方で、純利益は前年同期を下回っており、利益構造の質については引き続き注視が必要といえます。
新中期経営計画「JT-2028」では、営業利益100億円、ROE7.0%以上という明確な目標が示されています。今後は、ECと店舗のシナジー強化や施策の実行力が、同社の成長を左右するポイントとなりそうです。
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2025年07月02日に掲載された上新電機<8173>のレポート要約
元レポートは下記の通りです。
上新電機<8173>レポートPDF
出典元:FISCO
ジョーシン電機株式会社 ― 企業調査・分析・財務概要
2025年3月期業績および2026年3月期見通しの概要
最新のレポートによると、ジョーシン電機株式会社の2025年3月期業績は下方修正後の予想を下回り、売上高・利益ともに減少しました。
それでも同社は、2026年3月期に営業利益40億円の達成を目指しています。
本レポートでは、業績悪化の要因と、次期に向けて業績を改善するための戦略が整理されています。
2025年3月期の売上高は前年同期比0.1%減の4,032億5,900万円、営業利益は55.9%減の36億8,800万円でした。
営業利益減少の主因は、売上総利益の減少と諸経費の増加によるものです。
2026年3月期の業績予想では、売上高・営業利益・経常利益のいずれも増加を見込み、前期からの回復基調を取り込むことを目指しています。
企業概要と事業内容
ジョーシン電機株式会社は、家電製品を中心に幅広い商品を取り扱う大手量販店であり、高品質なサービスと豊富な取扱商品で知られています。
主に家電や関連製品の小売事業を展開しており、アフターサービスの強化とEC(電子商取引)事業の拡大を進めています。
リアル店舗とECを統合した販売戦略を将来成長の柱と位置づけ、市場の変化に合わせた革新と差別化により競争優位の維持を図っています。
EC動向と業績分析
家電業界では「ショールーミング(店舗で下見してネットで購入)」や「ウェブルーミング(ネットで比較して店舗で購入)」といった消費行動の変化が進行しており、
これらのトレンドが購買意思決定に大きな影響を与えています。
ジョーシン電機は、幅広い商品カテゴリの展開と店舗運営の最適化を通じて、こうした変化に対応しています。
2025年3月期は売上・利益とも減少しましたが、財務基盤は健全で、主要な経営指標も堅調に推移。
出店戦略では重点地域への集中を進め、ECと実店舗のシナジーを最大化することで、顧客満足度と市場シェアの拡大を図っています。
連結財務状況と経営戦略
連結財務状況を見ると、自己資本比率は安定し、流動比率は改善、フリーキャッシュフローも堅調な推移を見せています。
2026年3月期は、売上高と営業利益の増加を見込み、前期からの収益回復をさらに進める方針です。
中期経営計画「JT-2025」では、2026年3月期を数値目標達成の年と位置づけ、「お客様の生活に寄り添うコンシェルジュ企業」への進化を掲げています。
株主還元方針としては、配当の維持に加え、新たな株主優待制度の導入による株主価値の向上を目指しています。
まとめ
ジョーシン電機株式会社は、競争の激しい家電小売業界の中で、
ECトレンドへの対応、商品ラインナップの多様化、店舗運営の最適化によって持続的な成長を図っています。
本レポートは、投資家や関係者にとって、同社の経営戦略・財務体質・将来展望を把握するうえで有益な資料となっています。
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2024年12月17日に掲載された上新電機<8173>のレポート要約
上新電機<8173>レポートPDF
出典元:FISCO
上新電機(8173)業績・戦略・業界分析レポート
企業概要と業績動向
上新電機株式会社(Joshin Denki Co., Ltd.)は、日本の大手家電量販企業であり、2025年3月期上期決算では、売上高・営業利益・親会社株主に帰属する当期純利益がいずれも減少しました。
エンターテインメント分野の収益性が低下し、営業利益率の下落が予想される中、同社は中期経営計画「JT-2025」において、2026年3月期に売上高4,200億円、営業利益110億円という目標を掲げています。
競合他社と比較して収益性・販売力がやや劣る状況にあり、目標達成に向けた戦略的な転換が求められています。
戦略施策とEC戦略
上新電機は市場変化と競争環境に対応するため、EC(電子商取引)事業の強化に積極的に取り組んでいます。
同社のEC売上比率は業界平均水準に達し、一部では競合を上回る伸びを示しています。
リアル店舗とオンラインの統合を進め、多様な商品ラインナップやアフターサービスを充実させることで、家電EC市場の成長トレンドを取り込みつつ、顧客ロイヤルティの向上と差別化戦略を進めています。
業界内ポジションと競合比較
家電小売業界において上新電機は、ヨドバシカメラやヤマダホールディングスなどと競合しています。
家電・エンタメ・ホビーといったカテゴリーを広くカバーしつつ、玩具やエンターテインメント分野への注力で独自性を打ち出しています。
消費者の「ショールーミング」「ウェブルーミング」といった購買行動の変化にも対応し、実店舗の強みを生かした戦略的展開を進めています。
財務状況と中期経営計画
財務面では、自己資本比率の高さと安定したキャッシュフローを維持しており、健全な経営基盤が確認されています。
中期経営計画「JT-2025」では、収益性の向上、ROE改善、株主還元の強化を基本方針として掲げています。
また、ファンベース戦略やドミナント戦略の推進により、店舗とECを連動させた持続的成長モデルの確立を目指しています。
まとめ
上新電機は、家電量販業界においてEC戦略と商品多角化を進めることで、新たな競争優位性を構築しようとしています。
安定した財務基盤と中期計画のもと、リアルとデジタルを融合した成長戦略によって、持続的な企業価値の向上を目指す姿勢が明確に示されています。
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[小売セクター株最新動向]
2024年11月29日に掲載された上新電機<8173>のレポート要約
元レポートは下記の通りです。
上新電機<8173>レポートPDF
出典元:FISCO
上新電機株式会社の業績と戦略分析
会社概要
上新電機は、日本の大手家電量販店の1社であり、家電製品、情報通信機器、エンターテインメント商品、住宅設備機器などの販売を中心に手掛けています。
製品販売だけでなく、周辺サービスも提供し、顧客満足度の向上に努めています。
業績動向
2025年3月期第2四半期の連結業績は前年同期比で売上高や利益が減少しており、下振れ傾向が見られます。
特に売上総利益率の低下や販管費率の上昇が利益に影響しています。競合他社との厳しい決算を予想し、早期回復を期待する声もあります。
今後の展望
2025年3月期の業績予想が下方修正され、中期経営計画達成のハードルが上昇しています。競合他社との差別化を図り、利益率を向上させる方針が示されています。
特にエンターテインメント分野の売上が伸び悩んでいるため、新たな戦略の構築が求められています。
財務状況と経営指標
2025年3月期第2四半期末の自己資本比率は45.9%であり、財務安全性は十分だと言えます。投資有価証券の売却益を計上し、財務面での安定が見込まれています。
営業活動によるキャッシュ・フローは増加傾向にあり、財務面での安定性が示唆されています。
今後の見通し
業績と戦略の分析
2025年3月期の業績予想が下方修正され、競合他社との厳しい決算が予想されています。
家電量販店のEC比率が増加する中で、上新電機はリアル店舗とECの両面での接点を強化し、顧客満足度を向上させる必要があります。
中期経営計画の進捗状況
中期経営計画「JT-2025 経営計画」では、収益性重視の目標や株主還元の強化が掲げられています。
ROE8.0%以上の達成を目指し、競争力強化に取り組んでいます。基本戦略や5カテゴリ別戦略の強化により、業績改善を図っています。
株主還元策と株主優待制度
2025年3月期の配当予想や自己株式の取得、株主優待券の概要についても、株主に対する配当や還元策が示されています。
業績改善を目指す中で、株主価値の向上に努めている姿勢が見られます。
以上が、上新電機株式会社の業績と戦略分析、財務状況と今後の見通しについての総括となります。
業界全体の動向や競合他社との差別化を図りながら、同社の持続的な成長に期待が寄せられています。
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