表示灯は、駅・自治体・病院などに設置する周辺案内地図「ナビタ」を核に、交通・屋外・デジタルを横断する広告ソリューションを展開するエンゲージメント・メディア企業。
2025年3月期中間期は売上横ばいながら、収益性が大幅改善。
通期も増収増益見通しで、既存「ナビタ」の高付加価値化とデジタルサイネージ／Web連携、新規の番号案内システム等で中長期の成長ドライバーを積み上げている。
2024年12月24日に掲載された表示灯<7368>の企業分析
元レポートは下記の通りです。
表示灯<7368>レポートPDF
出典元：FISCO
表示灯〈7368〉企業レポート— 周辺案内×広告の公共インフラを磨き直し、デジタル連携で次の成長へ
サマリー
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中間期（25/3）： 売上収益48.05億円（前年比▲0.1%）、営業利益4.12億円（+55.3%）、経常利益4.38億円（+48.5%）、当期純利益2.84億円（+52.3%）。案件選別・価格改定・内製化・先行投資一巡で採算急改善。
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通期（会社計画）： 売上収益104.54億円（+3.1%）、営業利益7.85億円（+5.8%）、経常利益8.35億円（+5.0%）、当期純利益5.62億円（+40.0%）。**計画進捗は売上46%、営利・経常52.5%、純利50.6%**と順調。
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事業構成： 売上構成はナビタ84.0%／アド・プロモーション7.1%／サイン8.9%。ナビタは駅2,409／自治体1,050／病院308／警察153／寺社149と公共色が強く、高い参入障壁。
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財務： 有利子負債なし、自己資本比率54.6%。財務健全性は良好。
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株主還元： 年間配当60円を継続（予想配当性向50.4%）。安定配当方針。
会社・事業の骨子
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コア媒体「ナビタ」： 自社開発の周辺案内地図をベースにした連合広告。
ロケーションオーナー（駅・自治体・病院等）／スポンサー／利用者の三者にメリットがある公共性の高いモデル。
交通各社の「指定代理店」資格が参入障壁。 -
アド・プロモーション： 交通・屋外・マス・デジタルを一気通貫で企画〜運用。
デジタルサイネージ／Web施策（免税店情報サイト「JP.TAXFREESHOPS」等）が伸長。 -
サイン： 交通・公共・商業向けに設計〜施工。デジタルサイネージ、番号案内、緊急通知「アラートNAVI」など高付加価値品に注力。
業績ハイライト（25/3中間期）
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トップライン横ばい・利益は大幅増
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売上収益：48.05億円（▲0.1%）
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営業利益：4.12億円（+55.3%）
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増益要因
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案件厳選による収益重視へシフト
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設置価値に応じた価格改定（ナビタ）
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内製化の進展（設置工事・制作等）
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高採算のインバウンド／Web/サイネージが好調
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防災関連の先行投資一巡（アラートNAVI）
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セグメント動向
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ナビタ： 売上40.37億円（+1.0%）、営業利益6.07億円（+9.4%）。自治体（シティ）・病院（メディカル）が牽引。
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アド・プロモーション： 売上3.40億円（+12.3%）、営業利益0.60億円（+212.3%）。交通以外の媒体拡販、デジタル販路が寄与。
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サイン： 売上4.26億円（▲16.2%）、営業損失1.05億円（損失縮小）。大型案件減の一方、デジタル商材比率上昇で損失縮小。
財務とKPI
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B/S： 資産138.4億円（前期末▲1.09億円）。現預金72.24億円、棚卸資産1.14億円。有利子負債ゼロ。
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自己資本比率： 54.6%（+1.4pt）。投資余力とディフェンシブ性あり。
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設置台数： 駅2,409／自治体1,050／病院308／警察153／寺社149。面展開の強固さがストック性の源泉。
見通し（25/3通期）
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案件平準化と費用抑制が効き、ガイダンスは射程内。
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ナビタ（シティ・メディカル）の設置増が基調。人員計画の月ズレなどで販管費が抑制的に推移。
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進捗率（中間期）：売上46%、営利・経常52.5%、純利50.6% → 計画線上。
中長期成長戦略
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既存の高度化：印刷→デジタルサイネージへの転換
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媒体価値向上、広告単価の引上げ狙い。筐体リメイク・枠替え、パッケージ販売やWeb連携でアップセルを図る。
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新規サービス領域の創造
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デジタルサイネージ・プラットフォーム化（自社配信システム「Navitage」等）
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番号案内システム（西菱電気から譲受け、24年度に本格始動）
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防災・緊急通知（アラートNAVI）の横展開
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Go-to-Marketの柔軟化
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人材ボトルネックには外部アライアンス／M&Aで対応（無借金・潤沢キャッシュを活用）。
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株主還元
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安定配当60円を継続（25/3期予想、配当性向50.4%）。利益変動局面でも一定の還元を維持してきたトラックレコード。
投資家視点の注目ポイント / リスク
注目
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公共色の強い高参入障壁メディアに、デジタル連携で単価と稼働率を上積みする設計。
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インバウンド回復、自治体DX・病院DXとの親和性。
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無借金・高自己資本で攻め（成長投資）と守り（配当）のバランス良好。
リスク
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サイン大型案件の期ズレ・案件減、交通広告需要の循環。
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デジタル転換の投資回収ペース、人材採用の進捗。
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公共・鉄道のレギュレーション変更。
まとめ
公共インフラ×広告という独自ポジションを持つ表示灯は、面（設置網）と指定代理店資格を護城壁に、デジタルサイネージとWebの掛け算で収益性の新段階へ。
中間期で示した採算改善の実効性は大きく、通期増益・安定配当の両立が視界に入る。
短期はデジタル案件の積み上げ、長期は媒体価値の再定義と新規ソリューションの横展開がバリュー向上のカタリストとなる。
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