ガーデン(274A)は、家系ラーメン「壱角家」や創作うどん「山下本気うどん」を主力に、首都圏の駅近を中心とした多業態・多店舗展開を進める外食企業です。
2026年2月期中間期は減益となったものの、既存店売上の持ち直しやM&Aによる新ブランド獲得、海外展開の進展により、下期からの業績回復が期待されています。
本記事では、FISCOレポート(2025年11月26日掲載)をもとに、ガーデンの強み・成長戦略・業績見通しをわかりやすく整理します。
2025年11月26日に掲載されたガーデン<274A>の企業分析
元レポートは下記の通りです。
ガーデン<274A>レポートPDF
出典元:FISCO
ガーデン株式会社(274A)再生M&Aの強み|主力2ブランドで業績反転へ
ガーデン(274A)は、2026年2月期下期からの業績回復を見込み、通期では前期比で2桁増益を達成する見通しです。
主力ブランド「壱角家」「山下本気うどん」を中心に、多業態展開・M&A・不動産内製化を組み合わせた独自戦略で事業規模を拡大。
2026年2月期中間期では既存店売上がやや苦戦したものの、下期の新規出店と事業譲受効果により業績反転が期待されています。
1. 多業態・多店舗展開の強み
ガーデンは2026年2月期中間期末時点で 197店舗 を運営。
家系ラーメン「壱角家」、創作うどん「山下本気うどん」のほか、ステーキ・寿司・居酒屋など幅広い飲食ブランドを展開。
壱角家
濃厚家系ラーメンに特化し、ターミナル駅を中心に強い集客力を発揮。
山下本気うどん
季節限定メニューやSNS映えを重視し、若年層を中心に人気。集客面での牽引役。
※いずれも、首都圏駅近・物件選定力を活かした高回転モデル。
2. 企業再生型M&Aというガーデン独自の競争優位
ガーデンの最大の特徴は「企業再生型M&A」スキル。
過去には複数の外食ブランドを買収し、
-
赤字店舗の業態転換
-
立地変更
-
オペレーション最適化
によって利益体質へ転換させた実績を持ちます。
不動産事業の内製化により、優良物件を素早く確保できる点 も強力な強みで、
居抜き店舗の活用により初期投資を抑えた高収益の新規出店が可能となっています。
3. 主力ブランドの成長ドライバー
壱角家:国内オーガニック成長の柱
高いブランド認知とオペレーション効率で安定した収益基盤。
山下本気うどん:SNS時代のヒットブランド
季節限定・映えるメニューが奏功し、各店が高回転を維持。
海外展開
アジア圏でのFC(フランチャイズ)展開を加速。日本ブランド需要を追い風に成長が期待される。
4. 2026年2月期中間決算の状況
2026年2月期中間期の決算は以下の通り(前年同期比)。
| 指標 | 実績 | 前年比 |
|---|---|---|
| 売上高 | 8,823百万円 | +3.5% |
| 売上総利益 | 6,153百万円 | — |
| 営業利益 | 804百万円 | ▲22.8% |
| 経常利益 | 754百万円 | ▲23.7% |
| 中間純利益 | 496百万円 | ▲21.2% |
既存店売上は▲2.8%と苦戦。
新規6店舗出店するも4店舗が退店し、上期は収益性確保が難しかったものの、下期以降に向けて巻き返しが見込まれています。
5. 下期からの業績反転見通し
FISCOレポートでは、下期の回復要因として以下を挙げています。
-
「壱角家」既存店売上の回復
-
「萬馬軒」を約2億円で譲受し、新ブランド育成へ
-
山下本気うどんの出店強化
-
海外展開(タイ)での合弁会社設立方針
6. 2026年2月期通期業績予想
| 指標 | 予想 | 前期比 |
|---|---|---|
| 売上高 | 18,290百万円 | +6.6% |
| 営業利益 | 2,050百万円 | +10.8% |
| 経常利益 | 1,930百万円 | +12.1% |
| 当期純利益 | 1,320百万円 | +9.3% |
中間期からの反転により、通期では増収増益を維持できる見込み。
7. 株主還元策
年間配当は前期と同額の 90.0円 を予定。
配当性向は 47.3%。
また、株主優待制度を改定し、
-
壱角家の満腹セット
-
山下本気うどんの1品無料
など優待対象メニューを拡大。
より利用しやすい制度とした点が特徴です。
まとめ
ガーデンは、
「壱角家」「山下本気うどん」を核に、M&A・不動産力・多業態化を組み合わせた成長モデルを確立しています。
2026年2月期中間では減益となったものの、下期以降の回復は既に見通しが立っており、通期では2桁増益の達成シナリオが現実的。
M&A再開と海外展開が中長期的な株価評価の焦点になります。
筆者コメント
本記事を作成しながら特に強く感じたのは、ガーデンが「外食企業」という枠に収まらない独自の成長装置を持っている点です。
一般的な外食チェーンは、味・接客・立地で勝負することが多いですが、ガーデンはそれに加えて、
-
M&Aによるブランド再生力
-
不動産の内製化による物件獲得力
-
高回転モデルを標準化した運営力
この3点で利益の出るビジネスモデルを再構築できる企業です。
特に「壱角家」と「山下本気うどん」はSNS時代にマッチしており、収益性の柱としての完成度が高いと感じます。
一方で、中間期に既存店売上が落ち込んだ背景には、物価上昇や消費行動の変化という外部要因があり、耐性の強いブランド運営が求められるのも事実です。
しかし、下期からの回復シナリオは十分に現実的で、国内のオーガニック成長とM&Aによる非連続成長を両立できる点は大きな魅力です。
海外展開の進展も含め、今後のガーデンは外食セクターの中でも「伸びしろが大きい企業」の1つと言えるでしょう。
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