勝率が高いのに勝てない。逆に、勝率がそこまで高くなくても資金が増えていく。
この差を生むのが「リスクリワード(損益比)」の設計です。なかでもFX初心者の悩みの中で最も多いのが、FXでのリスクリワード1対1という考え方について。
リスクリワード1対1は分かりやすい一方で、やり方を間違えると期待値がプラスになりにくく、コスト(スプレッドやスリッページ)で簡単に崩れます。
だからこそ本記事では、単なる用語解説では終わらせず、期待値計算(勝率×損益比)で損益分岐を出し、さらにモンテカルロ(トレードシミュレーション)でドローダウンや破産確率まで含めて「最適」を数字で判断できるようにします。
具体的には、次の順番で迷いが消える基準を作っていきます。
そのうえで、勝率20〜80%×リスクリワード比率(1:1/1:2/1:3)の最適マトリクスを示し、「自分はどれを選ぶべきか」を判断できる形に落とし込みます。
さらに、モンテカルロを使って、同じ勝率でもRRが違うと資金曲線がどう変わるのかを検証し、最後に実効リスクリワード(コスト控除後)の現実を踏まえて再調整します。
また、「損切り何pips」「利確何pips」「RR設定」といった実務の疑問にも答えるために、相場の幅(ボラティリティ)に合わせた決め方も扱います。読了後には、あなたが次のトレードからすぐに使えるように、
結論として目指すゴールはシンプルです。
FXでのリスクリワード1対1が理想かどうかを、感覚ではなく数字で判断できる状態にすること。
そして、あなたの勝率に合った最適なリスクリワード比率を自分で更新できる構造を作ることです。
- 1 FXでのリスクリワード1対1とは?意味と誤解されやすいポイント
- 2 リスクリワード比率の理想は固定ではない|勝率×期待値で最適が決まる
- 3 勝率別「リスクリワード比率」最適マトリクス|1対1を選ぶべき人・捨てるべき人
- 4 モンテカルロで検証する|RR比率が破産確率とドローダウンをどう変えるか
- 5 実効リスクリワードで見ると1対1はさらに不利|スプレッド・スリッページの現実
- 6 損切り何pips/利確何pipsの決め方|RR設定を相場の幅に合わせる
- 7 結論|FXでのリスクリワード1対1の「理想」はこう決める
FXでのリスクリワード1対1とは?意味と誤解されやすいポイント
FXでのリスクリワード1対1は、初心者ほど最初に目にする分かりやすい比率です。損切りと利確が同じ幅なので、ルール化もしやすく、「これなら安全そう」「まずは1対1で安定させたい」と考えがちです。
ただし、リスクリワード比率は形だけ整えても勝てません。勝率・期待値・コスト(スプレッド)が絡むと、1対1は想像以上にシビアになります。
ここではまず、損益比(RR比率)の定義と損益比計算の基本を押さえたうえで、損切り何pips/利確何pipsの具体例を使い、最後に「1対1=安全」という誤解のポイントを整理します。以降の章(理想比率・最適化)を理解する土台になる部分です。
リスクリワード(損益比・RR比率)の定義と計算
リスクリワードとは、1回のトレードにおける「損失(リスク)」に対して、どれだけの利益(リワード)を狙うかを比率で表したものです。別名で損益比、RR比率(Risk Reward Ratio)とも呼ばれます。
基本の考え方はシンプルで、損益比計算は次のどちらかで捉えると理解が早いです。
-
価格幅での定義:利確幅 ÷ 損切り幅
-
結果データでの定義:平均利益 ÷ 平均損失
たとえばFXでのリスクリワード1対1は、利確幅と損切り幅が同じという意味です。
価格幅で言えば、利確50pips/損切り50pipsなら1:1。平均値で言えば、平均利益が1回あたり+5,000円、平均損失が-5,000円なら1:1です。
ここで重要なのは、リスクリワード比率は勝率とセットで意味を持つ点です。1対1は見た目が整っていても、勝率が想定より下振れした瞬間に期待値がマイナスへ傾きやすい構造があります。次章では期待値計算で「勝率が何%ならプラスか」を定量化しますが、まずは「1対1=簡単そうに見えるが、条件がある」とだけ押さえておいてください。
FXでのリスクリワード1対1の具体例(損切り何pips/利確何pipsでどうなるか)
では、「損切り何pips」「利確何pips」を具体的に置いて、FXでのリスクリワード1対1を動くルールに落としてみます。
例:ドル円を想定して、
-
損切り:-20pips
-
利確:+20pips
-
リスクリワード比率:1対1
この形にすると、ルールが明確になり、エントリー前に「どこで切るか・どこまで伸ばすか」を決めやすいのがメリットです。さらに、トレード回数が増えても判断がブレにくく、検証もしやすい(=勝率や期待値計算の材料が揃いやすい)という利点があります。
ただし、実務ではもう1つ現実的な要素が入ります。コスト(スプレッドや滑り)です。
1対1は幅が小さくなりやすいため、コストの影響が相対的に大きくなります。極端に言えば、利確+20pipsを狙っても、スプレッド・約定のズレで受け取れる利益が目減りし、損益比が「見た目の1対1」から崩れていきます。これが後半で扱う実効リスクリワード(コスト控除後)の入口です。
また、損切り幅を「何となく」で決めると、1対1は簡単に破綻します。たとえば、負けそうになるたびに損切りを-20→-30→-40pipsと広げると、利確が+20pipsのままでは、もはや1対1ではなくなります。
RR設定は先に固定して守るもので、後から都合よく動かすと、最適な比率を探す以前に検証不能になります。
「1対1=安全」は本当か?初心者がハマるわかりやすさの罠
FXでのリスクリワード1対1は安全」と言われることがありますが、これは半分だけ正しく、半分は危険な誤解です。安全に見える理由は、損失と利益の幅が同じで、ルールが単純だからです。ところが、勝ち続ける観点では単純さが落とし穴になります。
誤解されやすいポイントは大きく3つあります。
1つ目は、勝率が少し下がるだけで最適から外れやすいことです。
1対1は、勝率が安定して高く保てる手法(平均的に勝てる根拠があるエントリー)とセットで初めて成立しやすくなります。勝率がブレるのに1対1を固定すると、期待値が簡単にマイナス側へ寄っていきます。
2つ目は、利小損小になりやすく、トレードの取りこぼしが増えることです。
相場には、想定より伸びる局面と、伸びない局面が混在します。1対1の利確幅が小さいと、伸びる局面の利益を早めに確定しがちで、結果として「大きく勝つ日」が作れません。これが後で比較する1対2・1対3との違いにつながります。
3つ目は、コストで実質的に不利になりやすいことです。
スプレッドやスリッページが一定ある以上、見た目の損益比計算どおりに取れません。特に短いpips幅で戦うほど、実効RRが目減りし、同じ勝率でも収支が悪化します。
つまり「1対1=安全」は、損切りが明確で破滅しにくいという意味では安全寄りでも、勝てる(期待値がプラス)という意味では安全ではないケースが多い、ということです。
この章の結論はシンプルです。
FXでのリスクリワード1対1は、良い悪いではなく「条件付きの選択肢」です。次の章では、期待値計算を使って「1対1は勝率何%でプラスになるのか」「理想のリスクリワード比率は勝率でどう変わるのか」を、数字で迷いなく判断できるようにしていきます。
リスクリワード比率の理想は固定ではない|勝率×期待値で最適が決まる
FXでのリスクリワード1対1は理想なのか?」という悩みの裏には、「結局、1対1/1対2/1対3のどれが正解なの?」という迷いがあります。ここで最初に結論を言うと、リスクリワード比率の理想は固定ではありません。
なぜなら、損益比(RR比率)単体では勝てるかどうかが決まらず、勝率とセットで期待値(長期的に増える見込み)が決まるからです。つまり、理想・最適なリスクリワード比率は「あなたの勝率」と「実際の損益(平均利益・平均損失)」に依存します。
この章では、まず期待値計算の基本を押さえ、次にFXでのリスクリワード1対1が勝率何%でプラスになるのか(損益分岐)を具体的に示します。そのうえで、1:1/1:2/1:3の理想比率が勝率でどう変わるのかを整理します。次章の「勝率別最適マトリクス」へつながる土台です。
期待値計算の基本(勝率×平均利益−負け率×平均損失)
期待値とは、同じルールでトレードを繰り返したときに、1回あたり平均でどれくらい増える(または減る)かの見込み値です。FXでは、次の式で表せます。
- 期待値 = 勝率 × 平均利益 − 負け率 × 平均損失
(負け率 = 1 − 勝率)
ここで大事なのは、期待値は「勝率だけ」でも「リスクリワード比率だけ」でも決まらない点です。
たとえば勝率が高くても、平均利益が小さく平均損失が大きいなら期待値はマイナスになり得ます。逆に勝率が低くても、平均利益が平均損失より十分大きい(=高RR)なら期待値がプラスになり得ます。
具体例で確認します。平均損失を1(= -1R)に固定して考えると分かりやすいです。
-
勝率50%、平均利益+1R、平均損失-1R(RR=1:1)
期待値 = 0.5×1 − 0.5×1 = 0(プラマイゼロ) -
勝率40%、平均利益+1R、平均損失-1R(RR=1:1)
期待値 = 0.4×1 − 0.6×1 = -0.2R(マイナス) -
勝率40%、平均利益+2R、平均損失-1R(RR=1:2)
期待値 = 0.4×2 − 0.6×1 = 0.2R(プラス)
同じ勝率40%でも、リスクリワード比率(損益比)が変わるだけで、期待値がマイナスからプラスに反転します。
この事実が、FXでのリスクリワード1対1が理想とは限らない最大の根拠です。
FXでのリスクリワード1対1は勝率何%でプラスになるのか(損益分岐の考え方)
次に、FXでのリスクリワード1対1は勝率何%でプラスになるのか。
損益分岐(期待値が0になる境界)は、期待値計算の式からすぐに出せます。
RRが1:1(平均利益=平均損失)なら、
-
期待値 = 勝率×1 − (1−勝率)×1
-
期待値 = 2×勝率 − 1
よって、期待値が0になるのは
- 2×勝率 − 1 = 0 → 勝率 = 0.5(50%)
つまり、コストを無視した机上の計算では、FXでのリスクリワード1対1の損益分岐は勝率50%です。
ここで多くの人が「じゃあ勝率50%を超えればいい」と考えますが、実務ではもう一段シビアになります。理由は2つです。
1つ目は、勝率は相場環境でブレることです。レンジで取りやすい手法も、トレンドや急変動で急に崩れます。勝率が50%付近の戦いは、少しのブレで期待値が簡単にマイナスへ落ちます。
2つ目は、スプレッドやスリッページなどの取引コストがあることです。コストは平均利益を削り、時に平均損失を増やすため、見た目の1対1が実質1対1未満(実効RRの悪化)になりやすいです。すると、損益分岐の勝率は50%より上にずれます。
ここまでで分かるのは、「1対1は勝率が高ければ勝てる」というより、1対1は勝率が少しでも落ちると苦しく、コストの影響も受けやすいという性質です。次章で扱う最適RRの議論は、ここがスタート地点になります。
理想のリスクリワード比率(1:1/1:2/1:3)は自分の勝率で変わる
では、リスクリワード比率の理想(最適)はどう決めるべきでしょうか。結論は、あなたの勝率に合わせて、期待値が最大化しやすいRR帯を選ぶです。
ここで重要なのは、「勝率が高い=低RRが正義」「勝率が低い=高RRが正義」と単純化しないことです。なぜなら、RRを上げるほど利確が遠くなり、勝率が下がりやすくなるからです。つまり、勝率とRRはトレードオフの関係になりやすいのです。
ただ、考え方の指針は作れます。損益分岐の条件を一般化すると、RR(平均利益/平均損失)をRとしたとき、
-
期待値 = 勝率×R − (1−勝率)×1
-
期待値が0以上になる条件:勝率 ≥ 1 / (1 + R)
これで、比率別に「必要勝率のライン」が見えます。
-
RR1:1(R=1) → 必要勝率 50%
-
RR1:2(R=2) → 必要勝率 33.3%
-
RR1:3(R=3) → 必要勝率 25%
この数字を見ると、「じゃあ最初から1:3が最強では?」となりがちですが、現実には1:3は利確が遠く、勝率が落ちやすい(建値撤退や手前利確が増え、実際の平均利益が3Rに届かない)という問題も出ます。
だからこそ理想は固定ではなく、勝率と実際に取れている平均利益(実現RR)の組み合わせで決まります。
ここで、FXでのリスクリワード1対1を中心に考えるなら、次の整理が実務的です。
-
勝率が安定して高い(例:55〜65%を維持できる)なら、1対1でも期待値がプラスになりやすい余地があります。ただしコストで崩れやすいので、取引回数が多いほど実効RRの管理が必須です。
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勝率が40〜50%あたりでブレるなら、1対1は損益分岐付近になりやすく、最適から外れやすいです。1対2など、利大側に寄せる設計で期待値を押し上げた方が合理的になりやすいです。
-
勝率が低め(例:30〜40%)でも大きく取れる局面があるなら、1対2〜1対3のほうが理想になりやすいです。トレンド局面で伸ばす設計が組めるなら、なおさらです。
要するに、リスクリワード比率の理想は「流行の数字」ではなく、あなたの勝率・平均利益・平均損失(そしてコスト)で最適化されるものです。
次章では、ここまでの理屈をさらに一段進めて、勝率20〜80%の範囲で「どのRRが最適になりやすいか」を一覧として提示し、FXでのリスクリワード1対1を選ぶべき人/捨てるべき人まで具体化していきます。
勝率別「リスクリワード比率」最適マトリクス|1対1を選ぶべき人・捨てるべき人
ここからが、本記事の本題です。多くの方が知りたいのは、「FXでのリスクリワード1対1は理想なのか?」「1対1/1対2/1対3の最適はどれか?」という問いです。
ただし前章で確認した通り、リスクリワード比率の理想は固定ではありません。勝率×期待値で最適が決まる以上、あなたの勝率が分からないまま「理想比率」を決めても再現性が出ません。
この章では、まず勝率20〜80%×RR(1:1/1:2/1:3)の「最適マトリクス」を提示し、次に勝率40%のときの理想比率を具体的に結論づけます。最後に、FXでのリスクリワード1対1が向く条件/向かない条件を、手法タイプや時間軸の観点で整理します。ここまで読めば「自分は1対1を採用すべきか、捨てるべきか」が判断できるはずです。
勝率20〜80%×RR比率の最適一覧(マトリクス)|リスクリワード 最適を数値で決める
最初に前提を揃えます。ここでいうRR(損益比・リスクリワード比率)は、平均利益:平均損失の比率です。
そして「最適」を、まずはシンプルに 期待値がプラスになりやすい(損益分岐を越えやすい)という観点で整理します。期待値計算の損益分岐は、RRをRとすると次の条件でした。
- 期待値が0以上になる条件:勝率 ≥ 1 / (1 + R)
これをRR別にすると、
-
RR1:1(R=1)→ 必要勝率 50%
-
RR1:2(R=2)→ 必要勝率 33.3%
-
RR1:3(R=3)→ 必要勝率 25%
つまり、勝率が低いほど高RRが必要になりやすく、勝率が高いほど低RRでも成立し得ます。
この関係を勝率20〜80%の範囲で「どのRRが現実的に最適になりやすいか」という形に落とすと、次のように整理できます。
-
勝率20〜25%:理屈の上では1:3でも厳しい領域です。まず手法自体の見直し(環境認識、エントリー精度、損切り位置)が優先です。
-
勝率25〜33%:1:3が最低ラインになりやすい領域です。1:1はほぼ不可能、1:2も期待値がマイナスになりやすいです。
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勝率33〜50%:1:2が主戦場になりやすい領域です。1:1は損益分岐を超えにくく、1:3は「取れるなら強い」一方で、利確が遠く勝率が落ちやすい点に注意が必要です。
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勝率50〜65%:1:1が成立しやすい領域です。ただし、ここが落とし穴でもあります。勝率が高いタイプは「小さく利確して勝率を稼ぐ」傾向が強く、平均利益が平均損失より小さくなって、見た目より実現RRが悪化しやすいです。
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勝率65〜80%:1:1でも十分成立しやすい領域です。ただし、この勝率を安定させるには、スキャル寄り・短期寄りで取引回数が増えることも多く、スプレッドなどのコスト影響が強くなります(実効RRの論点は次の章で深掘りします)。
ここで大事なのは、「表で一発結論」に見せつつ、実務ではもう一段条件がある点です。
期待値がプラスかどうかは最低条件で、実際には そのRRを維持したまま、その勝率を継続できるかが勝敗を分けます。特にFXでのリスクリワード1対1は、勝率50%を少しでも下回ると即マイナス側に傾くため、勝率が崩れる局面をどう扱うかまで設計できていないと、長期では負けやすくなります。
勝率40%なら何対何が理想か?
ここでは「勝率40%」で結論を出します。
勝率40%(0.4)のとき、期待値がプラスになる条件をRR別に確認すると、
-
RR1:1(R=1):期待値 = 0.4×1 − 0.6×1 = -0.2R(マイナス)
-
RR1:2(R=2):期待値 = 0.4×2 − 0.6×1 = +0.2R(プラス)
-
RR1:3(R=3):期待値 = 0.4×3 − 0.6×1 = +0.6R(プラス)
この時点で、机上の答えは明確です。
勝率40%なら、FXでのリスクリワード1対1は理想ではなく、基本的に捨てるべきです。期待値計算の時点でマイナスになるからです。
最適候補は 1対2(現実的) と 1対3(取れるなら強い) になります。
ただし、ここで現実的という判断が重要です。1対3は期待値が大きく見えますが、利確が遠い分、実務では次のような失敗が起こりがちです。
-
建値撤退が増えて平均利益が伸びない
-
手前で利確してしまい、実際の平均利益が2R未満に落ちる
-
伸びる局面(トレンド)以外でも無理に狙い、勝率がさらに落ちる
その結果、「1対3を選んだつもりが、実際は1対1.5〜2くらいに収束していた」というケースが多発します。
この意味で、勝率40%の現実解はまず1対2を基準に置くが最もブレにくいです。1対2なら、勝率40%でも期待値はプラスで、1対3ほど環境依存が強くなりにくいからです。
まとめると、勝率40%の理想比率は次のように置くのが実務的です。
-
基本:RR1:2(最適の中心)
-
伸びる局面だけ:RR1:3(環境認識ができる人向け)
-
RR1:1:原則避ける(勝率40%では期待値がマイナス)
これが「勝率別に最適RRは変わる」の、いちばん分かりやすい答えになります。
FXでのリスクリワード1対1が向く条件/向かない条件(時間軸・性格・手法タイプ)
最後に、「じゃあ自分はFXでのリスクリワード1対1を採用していいのか?」を判定できるようにします。ここでは向く条件/向かない条件を、手法タイプと時間軸で整理します。
FXでのリスクリワード1対1が向く人(採用してよい条件)
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勝率が安定して50〜60%を超えている(直近の100回程度でも崩れていない)
-
損切りがルール通りで、平均損失が膨らみにくい(損切り遅れが少ない)
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レンジや反発狙いなど、利幅が限定されやすい戦い方が中心(短期〜中期)
-
利確を早めにしがちでも、同時に損切りも早くできる(平均損失を小さく保てる)
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回数で積むタイプのため、ルール検証と記録(トレード日誌)ができる
ただし、1対1が向く人でも、コストで実効RRが崩れると成立しなくなります。これは次章(実効リスクリワード)で扱いますが、短期ほど影響が大きい点は先に意識しておくべきです。
FXでのリスクリワード1対1が向かない人(捨てるべき条件)
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勝率が50%未満で推移している(特に40%前後)
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損切りが遅れやすく、平均損失が想定より大きい(-1Rが-1.3Rになるなど)
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トレンドフォロー寄りで「伸びるときに大きく取る」構造なのに、1対1で早利確してしまう
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相場環境の見極めが弱く、レンジ・トレンドを区別せず同じRRを適用している
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ルールが曖昧で、勝率と実現RRが安定していない(検証不足)
特に、勝率が40%前後で「1対1が理想かも」と考えている場合は、ほぼ確実にわかりやすさの罠にハマっています。見た目はバランス良く感じますが、期待値計算の時点でマイナスになりやすく、さらにスプレッドなどで条件は悪化します。
このタイプは、まずRR1:2を基準に置き、伸びる局面だけ1:3を採用する設計の方が合理的です。
結論|FXでのリスクリワード1対1の「理想」はこう決める
ここまでで分かったことを、結論として一言でまとめるとこうです。FXでのリスクリワード1対1が理想かどうかは、固定の答えではなく「あなたの勝率・実効RR(コスト)・相場環境」で決まります。
だからこそ、最短で自分にとっての理想を出すには、感覚や好みではなく、数字の手順で決めるのが最も早いです。
この章では、勝率がまだ分からない人でも迷わないように、
「暫定RR → 記録 → 期待値計算 → モンテカルロ → 実効RRで再調整」までを一気通貫で提示します。
読み終えた時点で、あなたは「1対1でいくべきか/1対2以上にすべきか」を、根拠を持って選べる状態になります。
あなたの勝率がわからない場合の決め方(まず暫定RR→記録→更新)
最初から「自分の勝率は何%です」と言える人は、ほぼいません。そこでおすすめなのが、暫定ルールを置いて、短期間で勝率を推定するやり方です。ここで大切なのは、検証のしやすさを優先し、ブレる要素を減らすことです。
ステップ1:まず暫定RRを1つだけ決める(迷うなら1:1ではなく1:1.5〜2)
いきなりFXでのリスクリワード1対1で始めると、スプレッド・スリッページで実効RRが崩れやすく、検証が歪みます。
そのため、初回の暫定設定は次のどちらかが現実的です。
-
短期(コスト影響が大きい):暫定RRは 1:1.5〜1:2
-
中期〜長期(コスト影響が相対的に小さい):暫定RRは 1:1〜1:2 の範囲で開始
ここでの目的は「勝つこと」ではなく、勝率推定に使えるデータを作ることです。
ステップ2:損切り幅(SL)は固定のpipsではなく構造で統一する
検証がブレる最大の原因は、毎回損切り位置が感覚になることです。
そこで、損切りの根拠だけは必ず統一します。
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直近安値(ロング)/直近高値(ショート)の外側
-
サポレジの外側
-
ATRで最低幅を担保(例:ATR×1.0以上)
「損切り 何pips」ではなく、「ここを割ったら無効」を先に固定します。これで勝率データが意味を持ちます。
ステップ3:最低30回(できれば50回)だけ同じ型で記録する
勝率は少ない試行だとブレます。最短でも30回、できれば50回です。
記録項目は難しくしない方が続きます。最低限これで十分です。
-
RR設定(1:1 / 1:1.5 / 1:2 など)
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勝ち/負け
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取引コスト(スプレッド+滑りが大きかったか)
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時間足/通貨ペア
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SL(pips)とTP(pips)
この段階で「FX リスクリワード 1対1が向くか」を判断するのではなく、次の期待値計算に渡す素材を作ります。
推奨ワークフロー:①勝率推定 ②期待値計算 ③モンテカルロ検証 ④実効RRで再調整
ここからが最短手順の本体です。ポイントは、順番を逆にしないことです。
勝率→期待値→モンテカルロ→実効RRの順で進めると、迷いが激減します。
① 勝率推定:勝率は「全体」と「条件別」の2つで出す
まず勝率を出します。ここで重要なのは、全体勝率だけで判断しないことです。
-
全体勝率(例:45%)
-
条件別勝率(例:トレンド方向だけだと52%、レンジだと38%)
同じRRでも、環境で勝率が変わります。理想RRは固定ではなく、環境込みで最適化されます。
② 期待値計算:RRを変えた時の必要勝率を逆算する
次に「期待値 計算」です。基本式はこれです。
- 期待値 = 勝率×平均利益 − 負け率×平均損失
RRで表現すると、損失を1としたとき、
-
1対1:平均利益=1
-
1対2:平均利益=2
となるので、損益分岐(期待値ゼロ)で必要勝率は概算できます。
-
FXでのリスクリワード1対1:勝率が 50%超 ないとプラスになりにくい
-
1対2:勝率が 約34%超 でもプラスが見える
-
1対3:勝率が 25%超 でもプラスが成立し得る
ここで一度、あなたの勝率と照合します。
もし勝率が45%なら、机上では「1対1は厳しく、1対2以上が合理的」という仮説が立ちます。
③ モンテカルロ検証:同じ期待値でも破産確率とドローダウンは違う
期待値がプラスでも、資金曲線が耐えられなければ続きません。そこで「モンテカルロ」を使います。
モンテカルロが教えてくれるのは、次の2つです。
-
最大ドローダウンがどれくらいになりやすいか(分布)
-
連敗が起きたときに、破産(継続不能)に近づく確率
ここでのコツは、RRだけを変えて比較することです。
-
勝率は同じ(推定値固定)
-
1回のリスク%も同じ(例:1%固定)
-
RRだけを1:1 / 1:2 / 1:3で比較
この比較をすると、多くのケースで「1対1はドローダウンが深くなりやすい」「RRを上げると生存確率が上がる」方向の差が出ます。
つまり、理想RRは稼げるかだけでなく、生き残れるかでも決まります。
④ 実効RRで再調整:最後に「コスト控除後の現実」で答えを確定する
最後に必ずやるべきが、実効リスクリワード(コスト控除後)での再計算です。
ここを飛ばすと、FXでのリスクリワード1対1が机上では成立しても、現実では崩壊します。
考え方は簡単です。
-
名目TP(利確pips)からスプレッド・滑りを引く
-
名目SL(損切りpips)には、(状況によって)滑り分を上乗せする
-
その結果の比率が、実効RR
短期ほどコスト比率が大きいので、1対1は不利になりやすいです。
もし実効RRが「1対1」ではなく「0.8対1」になっているなら、必要勝率は50%よりさらに上がります。ここで、最終的に
-
1対1を維持できる条件
-
1対2以上へ寄せるべき条件
が確定します。
次に読むべき関連記事(内部リンク設計)
本記事の結論は、FXでのリスクリワード1対1が理想かどうかは、勝率×期待値×モンテカルロ×実効RRで決めるということです。
ここから先は、あなたが選んだRRを実戦で崩さないための周辺記事に接続すると、サイト全体の回遊も強くなります。
ここまで読み進めれば、あなたのRR設定は「なんとなく」ではなく、数字で再現できるルールになります。
そして最終的に、FXでのリスクリワード1対1を選ぶにしても、1対2以上にするにしても、どちらでも自分の型として継続できるはずです。