2025年07月28日に掲載されたファブリカホールディングス<4193>のレポートを要約しました。
元レポートは下記の通りです。
ファブリカホールディングス<4193>レポートPDF
出典元:FISCO
ファブリカホールディングス株式会社 レポート要約
要約
ファブリカホールディングスは、2025年3月期に売上高9,206百万円、営業利益1,106百万円、経常利益1,116百万円、当期純利益331百万円を達成。
2026年3月期の予想は売上高9,750百万円、営業利益1,000百万円、経常利益990百万円、当期純利益580百万円。成長投資により利益が抑制される可能性がある。
中長期の取り組み
ファブリカホールディングスは持続的な企業価値向上のため、成長投資を積極的に実行する方針。AI技術を活用した新規サービス開発に重点を置き、音声AIプラットフォーム「project: On」などの開発を進めている。
会社概要
ファブリカホールディングスのミッションは「デジタルの力で新たな価値を創造し、あらゆる組織と人々に貢献する」。
ビジョンは「世界最高レベルのデジタルサービスを創る!」。同社は自動車修理業から始まり、IT事業に進出し、新しいサービスを提供し続けている。
沿革
1992年に自動車修理業として創業し、インターネット普及後にIT事業に進出。
2005年には商号を「(株)ファブリカコミュニケーションズ」に変更し、自動車アフターマーケットに関するITサービスを提供。
2024年には社名を(株)ファブリカホールディングスに変更し、持株会社制に移行。
事業概要
ファブリカホールディングスはSMS配信サービスのリーディングカンパニーであり、ビジネスの多角化を進めている。
法人向けSMS配信サービス「メディアSMS」や自動車販売業務支援システム「symphony」を提供している。
業績動向
2025年3月期の業績概要
2025年3月期の業績は堅調であり、売上高は前期比12.8%増の9,206百万円を記録。ただし、特別損失の影響により当期純利益は減益となった。
2026年3月期の業績見通し
2026年3月期の予想売上高は9,750百万円であり、堅調に推移する見込み。ただし、投資フェーズが続くため、利益は抑制される見通し。
セグメント別業績
各セグメントの業績も前年比で成長しており、特にSMSソリューショングループが売上高、営業利益ともに2ケタ成長を達成しています。
U-CARソリューショングループも契約社数の増加により売上高が増加しています。
ファブリカホールディングスの業績動向と財務状況
業績動向
ファブリカホールディングスは、インターネットサービスグループでは売上高が前期比16.9%増の372百万円、営業利益が82百万円となり、営業黒字に転換した。
一方、オートサービスグループでは売上高は前期比9.8%増の1,837百万円、営業利益は同78.5%減の18百万円となった。
財務状況と経営指標
資産合計は5,379百万円となり、自己資本比率は67.6%であり、財務の安定性が高い。
ファブリカホールディングスのキャッシュ・フロー
営業活動におけるキャッシュ・フロー
営業活動によるキャッシュ・フローは1,057百万円の収入となった。
投資活動におけるキャッシュ・フロー
投資活動によるキャッシュ・フローは196百万円の支出となり、有形固定資産や無形固定資産に投資が行われた。
財務活動におけるキャッシュ・フロー
財務活動によるキャッシュ・フローは495百万円の支出となり、長期借入金の返済などが行われた。
ファブリカホールディングスの今後の見通し
2026年3月期の業績見通し
2026年3月期の会社計画では、売上高が9,750百万円、営業利益が1,000百万円を予想しており、投資フェーズが続くため、営業利益は減益を見込む。
成長戦略の方向性
ファブリカホールディングスは、グループ全体のデジタル戦略を推進し、主力のSMS事業・自動車関連事業に加え、AIおよびクラウド領域への進出を加速しています。特に音声AIプラットフォーム「project: On」は、法人向けコミュニケーション支援や業務自動化を可能にする新たな事業基盤として注目されています。
この領域での新規開発・導入支援を通じて、同社は既存事業とのシナジーを高め、中長期的な売上成長と利益の安定化を図っています。
中長期の取り組みーM&A・事業投資による成長加速
今後の成長を支えるもう一つの柱が、戦略的M&Aです。ファブリカホールディングスは、既存事業と親和性の高いIT企業・通信サービス事業者・自動車関連サービス企業への出資・買収を検討しており、これにより顧客基盤の拡大とサービス多角化を狙います。
M&Aによるスケールメリットを活かし、事業全体の収益構造を強化する方針を明確にしています。
ファブリカホールディングスの株主還元策
財務健全性と株主還元
同社の財務基盤は引き続き堅固であり、2025年3月期末の自己資本比率は67.6%、有利子負債比率も低水準で推移しています。これにより、積極的な投資と安定的な株主還元の両立が可能な状態です。
配当については、配当性向30%を目安に安定配当を継続し、将来的な増配を検討。加えて、株主優待制度を通じたリターン強化にも取り組んでおり、3月末・9月末の株主に対してQUOカードなどの特典を付与しています。
まとめ
ファブリカホールディングス株式会社は、ITと通信の融合による新たなビジネス領域を開拓し、SMSソリューション・自動車アフターマーケット・AIプラットフォームの3本柱で持続的成長を目指しています。
堅調な財務基盤のもとで、「事業投資 × M&A × 株主還元」を三位一体で推進する姿勢が評価されており、今後も企業価値のさらなる向上が期待されます。
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