アトラグループ<6029>|業績・成長戦略・投資ポイントまとめ

アトラグループ<6029>は、鍼灸接骨院支援事業と玩具販売事業を軸に、2025年12月期の損益回復を見込む再構築フェーズに入っています。
主力の鍼灸接骨院支援では自費施術・クラウドサービス「A-COMS」などの強化を推進し、玩具販売では不採算店舗整理を進行。
経営効率化と新規事業開拓を両立させ、収益基盤の立て直しに注力しています。

2025年05月19日に掲載されたアトラグループ<6029>のレポート要約

元レポートは下記の通りです。
アトラグループ<6029>レポートPDF
出典元:FISCO

アトラグループ株式会社 レポート

要約

アトラグループ株式会社は、鍼灸接骨院支援事業と玩具販売事業を展開しており、2025年12月期には損益面が回復局面に向かう見込みです。
特に玩具販売事業の店舗整理が継続する中、中長期的には鍼灸接骨院支援事業で自費施術の強化や新規事業への進出を図り、玩具販売事業では収益基盤の整備と店舗運営の改善を目指す計画が示されています。

会社概要

アトラグループは、鍼灸接骨院経営を支援するサービスを提供しており、柔道整復師やはり師・きゅう師を主要顧客としています。
事業セグメントは鍼灸接骨院支援事業と玩具販売事業に分かれており、それぞれが独自のサービスを展開しています。

業績動向

2024年12月期は、売上高や利益が低迷し、主に玩具販売事業の不採算店舗の影響を受けました。
しかし、2025年12月期の見通しでは営業利益の回復傾向が見込まれており、損益面での改善が期待されています。

今後の見通し

2025年12月期においては、玩具販売事業の不採算店の整理が続きますが、損益面は回復に向かう見込みです。
中長期的には、鍼灸接骨院支援事業では自費施術の強化や新規事業への進出を図り、玩具販売事業では収益基盤の整備と店舗運営の改善を目指す計画が立てられています。

アトラグループ株式会社の事業概要

機材、消耗品販売事業

アトラグループは、鍼灸接骨院向けの機材や消耗品の販売を行っており、顧客満足度の向上を図っています。独自商品の開発にも力を入れ、施術支援機器などを展開しています。

アトラ請求サービス

全国の鍼灸接骨院に対して療養費請求代行サービスを提供し、施術に専念できる環境を提供しています。

HONEY-STYLE

「HONEY-STYLE」は鍼灸接骨院向けの口コミや予約システムであり、美容や健康をテーマにした自費施術メニューや商品の購入ができます。

アトラアカデミー

柔道整復師やはり師・きゅう師向けのポータルサイトであり、施術に関する情報やセミナーを提供しています。

介護支援

柔道整復師による「ほねつぎデイサービス」を展開し、デイサービス利用者の健康維持・向上を支援しています。

その他(フィットネス関連を含む)

フィットネスジム「ワンサードフィットネス」の展開や玩具販売事業など、幅広い事業を展開しています。

同社の特徴と強み

1. ワンストップの対応力

同社は鍼灸接骨院の経営全般とその関連領域に対するソリューションを提供し、幅広いニーズに対応可能です。

2. 自費施術メニューの開発

自費施術メニューの開発や関連セミナーの開催を通じて、顧客のニーズに応えるサポート体制が充実しています。

3. 全国展開

「ほねつぎ」の全国展開や「アトラ請求サービス」の全都道府県カバレッジにより、ブランドの知名度が高まり新規顧客獲得に寄与しています。

4. 鍼灸接骨院運営のノウハウを介護支援事業へ応用

鍼灸接骨院で培ったノウハウを介護支援事業に反映させ、利用者の健康増進をサポートしています。

5. 鍼灸接骨院運営とフィットネスジム運営間のシナジー

鍼灸接骨院とフィットネスジムの運営により、利用者の健康促進に貢献し、新たなビジネス展開の可能性を模索しています。

6. リアル店舗経営指導によって培ったノウハウ

鍼灸接骨院支援事業で培った実店舗経営ノウハウを他の事業に活用し、業績拡大を図る方針です。

7. クラウド経由で提供する「A-COMS」

鍼灸接骨院経営支援システムのクラウド提供により、情報の効率的な管理が可能となっています。

アトラグループの業績動向

2024年12月期の業績概要

2024年12月期には売上高が前期比5.9%減の4,234百万円、営業利益が88.9%減の5百万円と低調でした。玩具販売事業の不採算店舗の閉店が影響しています。

2024年12月期セグメント別・今後の課題

同社の2024年12月期におけるセグメント別売上高は以下の通りです。

  • 鍼灸接骨院支援事業:2,448 百万円(前期比-10.7%)

  • ほねつぎチェーン事業:482 百万円(-9.1%)

  • 消耗品販売・機材:662 百万円(-17.5%)

  • アトラ請求サービス:544 百万円(+4.5%)

  • STYLE-HONEY:76 百万円(-19.5%)

  • 介護支援:499 百万円(-11.3%)

  • その他:182 百万円(-20.7%)

  • 玩具販売事業:1,786 百万円(+1.8%)

  • 連結合計:4,234 百万円(-5.9%)

玩具販売事業は増収となったものの、不採算店舗の閉鎖コストや減損などの影響で、利益面では構造改善を急ぐ必要があります。
鍼灸接骨院支援・消耗品販売など主要部門で減収が目立ち、収益性の低下が課題となっています。

財務面では、2024年12月期末時点で流動資産減少、負債の削減が進んだものの、ネットキャッシュはマイナス水準のままで、自己資本比率も約34.9%と改善余地が残されています。


株主還元策

  • 同社は24年12月期の業績低迷を受け、25年12月期に損益改善を図る方針を明示しており、その中で株主還元策についても安定的な配当・優待制度検討を視野に入れている

  • ただし現時点では、配当水準や株主優待の具体的な内容・改定時期・政策変更の数値までは明記されておらず、内部留保の確保を優先していることが読み取れる。

  • 将来的には玩具販売事業の再構築・鍼灸接骨院支援事業の収益性向上を通じ、収益拡大とともに株主価値向上を図る姿勢が示されている。

今後の見通し

2025年12月期については、売上高3,800 百万円(-10.3%)と見込まれており、営業利益は867 百万円(+867.7%)の大幅改善を想定しています。

主な改善要因としては、

  • 鍼灸接骨院支援事業で自費施術・機材販売・システムサービス(「COMS-A」)の強化

  • 玩具販売事業における不採算店の整理と収益構造の再構築
    が挙げられています。

中長期戦略としては、自費施術メニューの開発、機材・消耗品の自社ブランド化、全国展開・診療院運営ノウハウを活用した介護・フィットネス事業への展開など、多角化による収益基盤の強化が描かれています。

まとめ

アトラグループ株式会社は、鍼灸接骨院支援事業を中心に、医療・健康・介護分野で多面的なサービスを展開しています。2024年12月期は、売上高4,234百万円(前年比-5.9%)、営業利益5百万円(同-88.9%)と減益でしたが、2025年12月期には営業利益867百万円(同+867.7%)の大幅改善を見込んでいます。

事業別では、鍼灸接骨院支援事業が減収傾向ながら、療養費請求代行サービス「アトラ請求サービス」やクラウド支援システム「A-COMS」などで収益改善を図っています。玩具販売事業は増収となったものの、不採算店閉鎖コストが影響し、構造改革が課題です。

中期的には、自費施術メニューの開発、機材・消耗品の自社ブランド化、介護・フィットネス事業とのシナジー強化を軸に、安定収益モデルの確立を目指します。財務面では自己資本比率34.9%と健全性を維持しつつ、内部留保を優先しながら配当・優待制度の安定化を検討。経営再建と株主価値向上の両立を掲げています。


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