自動車向けダイカストのリーディングカンパニーとして、電動化・軽量化の潮流を追い風に事業を拡大。
2026年3月期は米国工場の黒字化を見込み、収益構造改革を進めながら「10年ビジネスプラン」と「2040年ビジョン」に基づく長期成長を目指しています。
FISCOが2025年7月9日に公開したアーレスティ(<5852>)のレポートをもとに、同社の業績動向・中期経営計画・財務戦略をわかりやすく解説します。
2025年07月09日に掲載されたアーレスティ<5852>のレポート要約
元レポートは下記の通りです。
アーレスティ<5852>レポートPDF
出典元:FISCO
アーレスティ 企業調査レポート
要約
アーレスティは、収益構造改革により受注量変動への耐性を強化し増益を達成。米国工場の収益性改善を急ぎ、自動車の電動化・軽量化に対応して成長を目指す。
会社概要
アーレスティは、自動車部品向けダイカストのリーディングカンパニーで、国内11拠点と海外5ヶ国8拠点でグローバル展開している。
ダイカスト事業、アルミニウム事業、完成品事業を展開し、RST(Research、Service、Technology)を企業理念として掲げている。
事業概要
自動車業界の変化に対応し、CO2削減に向けた自動車の電動化が進む中、主要販売先である自動車業界の状況を分析している。
今後はBEV・HEV・PHEV・FCVへの転換を加速し、電動車向け部品中心の事業ポートフォリオへのシフトを進める予定だ。
業績動向
2025年3月期は増収増益だが、収益構造改革に伴う損失や米国工場の減損損失計上で最終赤字となった。
2026年3月期は受注量横ばいであるが、米国工場の収益改善により増益、最終黒字化を見込んでいる。
今後の見通し
2026年3月期通期の連結業績は、売上高161,200百万円、営業利益3,600百万円、経常利益3,100百万円、親会社株主に帰属する当期純利益2,300百万円を見込んでいる。
中長期の成長戦略
アーレスティは「2040年ビジョン」を掲げ、2030年度を最終目標とする長期経営計画「10年ビジネスプラン」を推進している。
2025年5月に公表した25-27年度中期経営計画では、売上高1,700億円、営業利益率3.5%などの数値目標を設定している。
アーレスティの業績動向
2025年3月期の業績概要
売上高は162,929百万円で3.0%増加し、営業利益は3,371百万円で47.2%増加した。
経常利益は3,044百万円で18.3%増加したが、親会社株主に帰属する当期純損失は2,892百万円となった。
事業セグメント別動向
ダイカスト事業:
– 日本: 売上高64,591百万円、営業利益2,320百万円
– 北米: 売上高49,704百万円、損失1,617百万円
– アジア: 売上高36,534百万円、利益1,810百万円
アルミニウム事業: 売上高7,212百万円、利益226百万円
完成品事業: 売上高4,886百万円、利益796百万円
アーレスティの財務状況
2025年3月期末の財務状況
資産合計は134,094百万円で2,330百万円増加し、有形固定資産は69,979百万円で6百万円減少した。
流動負債は63,669百万円で3,927百万円増加し、純資産合計は51,989百万円で371百万円増加している。
キャッシュ・フロー
営業活動によるキャッシュ・フローは15,394百万円の収入があり、投資活動によるキャッシュ・フローは12,786百万円の支出があった。
ネット有利子負債は26,596百万円で1,604百万円減少している。
アーレスティの財務レポート
財務の安全性、健全性の確保
資産合計が増加し、流動資産も増加しているが、固定資産は微減している。
連結キャッシュ・フロー
営業活動のキャッシュ・フローが減少しており、投資活動の支出も減少している。
今後の見通し
2026年3月期業績見通しでは、売上高161,200百万円(前期比1.1%減)、営業利益3,600百万円(同6.8%増)を見込んでいる。
事業セグメント別業績見通しも示しており、ダイカスト事業 北米では800百万円の黒字化を見込んでいる。
アーレスティは財務的な安定性や中長期の成長戦略を着実に進めており、将来に向けて着実な成長を目指している。
業績や財務状況の改善が続けば、投資家にとって魅力的な企業となることが期待される。
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