2025年9月第1週|DXと還元一貫性が焦点【セクター別企業分析】

9/1週に公開・確認した各社レポートをセクター別に一気読みできる形に整理。
商社・卸売り/化学・素材/食品/情報通信サービスその他/金融(除く銀行)まで、KPI・リスク・株主還元の注目点を絞りました。
出典はいずれもFISCO公表レポート(本文は独自要約・編集)。


DMM FX

全体動向(今週の着眼点)

  • AIインフラ/DX:生成AI投資の継続とハード→サービスへのミックス改善が主題。

  • 食品:価格転嫁の定着と高付加価値ミックスが利益面の肝。

  • 金融・素材:事業ポートフォリオの再定義と資本効率・還元一貫性が評価軸。

  • 横断テーマは「中期の再現性」。単発の四半期数字より、KPIの持続還元方針のブレの無さを確認。


13.商社・卸売

対象:ジーデップ・アドバンス(5885)、ラクト・ジャパン(3139)

要約

→ジーデップ・アドバンス

  • 25/5期は過去最高を更新、26/5期も2ケタ成長を見込む。

  • 強みはAI関連ハードウェアの調達・販売で、需要拡大に伴い設備投資も継続。

  • 関税・輸出規制・供給制約は短期的な変動要因。

  • 今後は単なる卸売にとどまらず、サービス・運用支援やソフト領域まで取り込み、粗利改善を狙う局面。

→ラクト・ジャパン

  • 主力の乳製品・機能性原料で、価格転嫁と高付加価値化を進めて増益見通し。

  • アジア展開や工場能力増強といった成長投資も進展。

  • 卸売企業でありながら、川上(原料)から川下(食品メーカー・外食)まで幅広い取引基盤を活かせる点が強み。

チェックポイント

  • 受注残・粗利率のトレンド、サービス収益比率の上昇度合い

  • 供給網・規制リスクが納期や販売速度に与える影響

  • 大口案件への依存度と、それを平準化する複線化(取扱製品や顧客層の多様化)が進んでいるか

┌─ 初心者向けメモ ─┐

卸売株は「物を右から左に流す」だけでは利益率が低い。
強い会社は、

  • 受注残の積み上げ(需要の裏付け)
  • 粗利率改善(値決め力やサービス付加)
  • サービス比率の拡大(単なる仲介から運用・サポートへ)
    の3点で体質改善を図っている。

└────────────────┘


10.情報・通信サービスその他

対象:日本プロセス(9651)、Kaizen Platform(4170)、エスプール(2471)

要約

  • 日本プロセス:社会インフラ×制御で堅実成長。25/5期は全セグ増収・利益率改善、中計前倒し達成見込み

  • Kaizen:25/12期中間で営業黒字転換クラウドARPU上昇・解約抑制が収益性改善に寄与。

  • 25/11期は売上+3.4%/OP+8.7%で計画超。26/11期も増収増益見通し。

  • 障がい者雇用支援やコールセンター派遣が堅調。環境支援・自治体案件など新領域も伸長。

  • 配当性向30%以上を掲げ、1株配当10円を予定(目安下回れば増配検討)。

チェックポイント

  • 日本プロセス:案件の質(公共・自動車)と利益率の持続/人員計画

  • Kaizen:クラウド比率・ARPU・解約率の3KPI推移/エンタープライズの継続率

  • 新規領域の収益化ペース(環境支援/自治体)
  • 稼働率・単価・離職率といった現場KPI

  • 還元方針の一貫性(配当+α)

┌─ 初心者向けメモ ─┐
DX銘柄のKPI:①ARPU ②解約率 ③クラウド売上比率 ④粗利率。
増えてほしい=ARPU・クラウド比率・粗利率。減ってほしい=解約率。
└────────────────┘


16.金融(除く銀行)

対象:NECキャピタルソリューション(8793)

要約

  • 24/10にSBI新生銀の持分へ。提携コストで25/3期は減収減益も、26/3期で挽回を目指す。

  • リースに加え、ICT金融/投資・ファンド/証券化等に裾野拡大。

  • ベンチャーファンド(NVC1など)のエクイティ連携を加速。

チェックポイント

  • 信用コスト資本効率(ROE/ROA、自己資本)

  • 新商品のオリジネーション力(案件組成と利鞘)

  • 配当・自己株買いなど還元の設計


1.食品

対象:J-オイルミルズ(2613)

要約

  • Jオイル:25/3期は減収・増益。高付加価値ミックスで利益率改善。26/3期も営業増益計画。

チェックポイント

  • 原料・物流のコスト感応度価格転嫁の速度

  • 高付加価値ミックスの定着(単価・数量)

  • 在庫評価とキャッシュフローの健全性

┌─ 初心者向けメモ ─┐
食品株の定点観測:「原料→価格転嫁→在庫→キャッシュ」。
値上げが続くかと在庫の回転を並べて見ると、収益の質が分かる。
└────────────────┘


セクター:化学・素材

対象:クラボウ(3106)

要約

  • 歴史的繊維企業から、化学・先端技術へポートフォリオ転換。

  • 25/3期は好決算、Accelerate’27で高収益事業を加速。26/3期は構造改革の一過性減益を中期で取り返す計画。

チェックポイント

  • 半導体製造・ライフサイエンスの成長寄与

  • ROIC・ROE改善→PBRレートの引き上げ余地

  • 成長投資と自己株買い・配当のバランス


総括

  • AIインフラ/DXは量より質のフェーズへ。サービス比率とKPIの再現性が評価の分かれ目。

  • 食品は価格転嫁の定着度を注視。ミックス改善が続く限り、ボラは相対的に小さい。

  • 金融・素材事業再定義×資本効率×還元の三位一体が鍵。短期の減益を中期のROIC設計で語れる会社が強い。


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