全体動向
7月14日から18日の東京株式市場は、参院選を控えた政治的不透明感と米国の関税政策への警戒感を背景に、日経平均が方向感を欠く週となりました。
週前半は米関税政策の強化懸念から下落スタート。
しかし、エヌビディアの中国向けAI半導体輸出再開や、TSMCの好決算など半導体セクターに追い風が吹き、一時は4万円台回復。
ところが週末にかけては参院選や連休前のポジション整理で再び軟調となり、「上値は追うが一段高には慎重」という投資家心理が色濃く出た1週間でした。
初心者向け解説①:参院選と株価の関係
政治イベント(選挙や政権交代)は株価に大きな影響を与えます。
特に日本では「参院選前は株が弱含む」傾向があり、投資家が不透明感を嫌って売りに回ることが多いです。
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与党が安定多数を維持する見通し → 政策が安定し、株価に安心感
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与党が過半数割れの可能性 → 政策の停滞懸念から株価の重し
今回(7/14〜18)も、参院選を控えた不透明感が海外投機筋の売り材料となり、株価が押し下げられる場面が見られました。
初心者は「選挙=政策の先行き」だと理解すると、市場の警戒感をイメージしやすくなります。
初心者向け解説②:半導体株がなぜ相場を左右するのか
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最近の株式市場では「半導体関連株の動き=市場全体の方向感」と言っても過言ではありません。
理由は以下の通りです:
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世界的な成長産業:AI、自動運転、5Gなど、成長分野はすべて半導体に依存。
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日本の代表銘柄が多い:東エレク、アドテスト、ディスコなど、日本株の時価総額上位に位置。
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海外動向に敏感:TSMCやエヌビディアの決算が日本市場にも即影響。
この週もエヌビディアの中国向け輸出再開、TSMCの好決算が追い風となり、日経平均を押し上げました。
初心者は「半導体=景気の先行指標」と捉えると、ニュースを読んだときに市場の反応を予想しやすくなります。
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初心者向け解説③:持ち高整理とは?
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ニュースでよく出る「持ち高整理」とは、投資家が保有している株式の一部を売却してリスクを減らす行動を指します。
例えば:
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週末や連休前 → 「万が一の悪材料に備えて」ポジションを軽くする
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大きなイベント(FOMC、選挙)前 → 不透明要因を避けるため一度売る
7/18(金)も3連休を前に持ち高整理の売りが広がり、日経平均は一時4万円を超えながらも反落しました。
初心者は「なぜ下がったのか?」と考えるとき、「悪材料」だけでなく「イベント前の調整売り」が理由のこともあると理解しておくと良いです。
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日別の市況まとめ
7月14日(月)|3日ぶり下落、参院選不透明感で売り優勢
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日経平均:3万9459円(前週末比110円安)
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背景:米関税政策強化懸念、参院選不透明感。先物売りで下げ幅一時300円。
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動向:自動車・医薬品は円安で支え。半導体・防衛関連は売られた。
7月15日(火)|反発、エヌビディア輸出再開で半導体高
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日経平均:3万9678円(218円高)
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背景:エヌビディアが中国向けAI半導体「H20」出荷再開。
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動向:東エレク、アドテストなど半導体株に買い。CPI発表前で一進一退。
7月16日(水)|小幅安、方向感欠く展開
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日経平均:3万9663円(14円安)
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背景:米金利上昇で金融株・不動産株が軟調。
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動向:半導体株は買い戻しもあり下げ幅限定。資生堂、ホンダは安い。東宝、IHIは高い。
7月17日(木)|反発、TSMC決算好調で半導体買い
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日経平均:3万9901円(237円高)
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背景:TSMCの好決算が投資家心理を改善。海外勢の買いも入る。
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動向:東エレク、フジクラ、アドテストが高い。医薬品株も堅調。
7月18日(金)|反落、4万円到達後に持ち高整理
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日経平均:3万9819円(82円安)
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背景:米ハイテク株高で一時4万円台も、3連休前の利益確定売り。参院選控え不透明感も重荷。
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動向:アドテスト、ディスコは売られ、ソフトバンクGは堅調。
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総括
この週は、「半導体セクターが支えた相場」でした。エヌビディアやTSMCのニュースで日経平均は何度も持ち直しましたが、政治イベント(参院選)や米関税懸念が投資家心理を抑制し、上値追いは限定的。
投資家は今後も、
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参院選など国内政治イベント
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半導体企業の決算動向
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米国の金利政策とCPI発表
に注目する必要があります。
「強気材料(半導体・円安)」と「弱気材料(政治・関税・金利)」がせめぎ合う中で、相場は上下を繰り返す展開が続きそうです。