2024年11月第1週市況まとめ|トランプ報道と米利下げで乱高下

DMM FX

■ 全体動向

第1週の東京市場は「トランプ前大統領優勢報道による円安・株高」と「米利下げ観測」によって投資家心理が大きく動きました。
日経平均は6日に1000円超の急騰を見せ、週を通じて4万円目前での攻防となりました。
ただし、業績下方修正を発表する企業や、米国の関税政策の不透明感もあり、個別株の明暗は分かれました。

日別サマリー

■ 11/6(月) 大幅続伸、トランプ報道と円安が追い風

6日の東京株式市場では、日経平均株価が前日比1005円77銭高(+2.61%)の3万9480円67銭と大幅続伸しました。
背景には米大統領選でトランプ前大統領が優勢と伝わり、円安・ドル高が進んだことがあります。これにより輸出関連株を中心に幅広い銘柄が買われました。
米ハイテク株高や米景況感指数の改善も追い風となり、一時は1100円超の上昇幅を記録しました。ただし、ホンダやトヨタの業績下方修正を受けて一部銘柄は下落し、上昇一巡後は伸び悩む場面も見られました。


■ 11/7(火) 反落、利益確定売りで一進一退

7日は日経平均株価が前日比99円26銭安(-0.25%)の3万9381円41銭となり、3営業日ぶりに反落しました。
前日の大幅高の反動で利益確定や戻り待ちの売りが優勢となり、一時は450円を超える下げ幅となりました。
一方で、米株式市場が過去最高値を更新したことが下支えとなり、買い戻しも入りましたが、心理的節目の「4万円」接近で高値警戒感が強まり、上値は重い展開でした。


■ 11/8(水) 反発、米利下げと米株高で買い戻し

8日は日経平均株価が前日比118円96銭高(+0.30%)の3万9500円37銭となり、反発しました。
米連邦準備理事会(FRB)が追加利下げを決定し、米経済の軟着陸期待が広がったことを好感。米ハイテク株の上昇が東京市場にも波及しました。
ソフトバンクGやファストリなど主力株が買われた一方、日産や資生堂など業績下方修正を発表した銘柄は売られました。朝方は400円超の上昇も、後場にかけて上げ幅は縮小しました。


■ 初心者向け解説

下方修正・上方修正とは?

企業は四半期ごとに「今年の売上や利益はこれくらいになりそう」と予想を出します。

  • その予想を引き下げることを「下方修正」といい、業績が当初の期待より悪化しているサイン。
    株価は下がりやすいです。今週はホンダや資生堂が下方修正を出し、株価が売られました。
  • 逆に、予想を引き上げることを「上方修正」といいます。これは「当初の想定より業績が好調」という企業からのポジティブなサインです。
    投資家は「この会社は思ったより稼いでいる」と安心し、株価が上がりやすくなります。

例えば、為替が予想以上に円安に動いたことで海外売上が膨らんだり、コスト削減や新商品が好調で利益率が改善する場合、企業は「今年はもっと儲かりそうだ」と上方修正を発表します。
これは投資家にとって「想定外のプラス材料」であり、短期的に株価が急騰することも珍しくありません。
特に決算発表シーズンでは、上方修正を出した銘柄に資金が集中しやすく、「勝ち組」と「負け組」の明暗をはっきり分ける要因となります。

米ハイテク株高と日本株への影響

アメリカの株式市場には、ナスダック総合指数という「ハイテク株が多く上場している株価指数」があります。
ナスダックに上場しているのは、アップル、マイクロソフト、エヌビディア、アマゾン、アルファベット(グーグル)など世界的に影響力のある巨大企業ばかり。

これらの株が上昇すると、「世界的にテクノロジー需要が強い」「景気が悪くない」という投資家の安心感につながります。
特に半導体はスマホ、PC、AI、データセンター、自動車など幅広い産業に必要不可欠であるため、米ハイテク株高=日本の半導体関連株(東エレク、アドテスト、レーザーテクなど)が買われる流れになりやすいです。

初心者が覚えておくべきポイントは、「米ハイテク株高は日本株全体に波及する」ということ。日本市場は海外投資家の影響が大きいため、アメリカ市場の動向を毎朝確認するだけで、日本株の方向感をつかみやすくなります。


  • 米景況感指数(ISM・PMI)とは?
    「景況感指数」とは、簡単に言えば「企業や購買担当者が景気をどう感じているか」を数値化したものです。代表的なのが ISM(米供給管理協会指数)PMI(購買担当者景気指数) です。

これらは「50」が景気の分かれ目。

  • 50以上 → 景気拡大(企業が強気で設備投資や採用を増やす)

  • 50未満 → 景気後退(企業が弱気で投資を控える)

特にアメリカは世界最大の経済大国なので、ISMやPMIが市場予想より強いと「米景気は底堅い」と受け止められます。結果として米株が上がり、その流れが翌日の東京市場にも波及します。

初心者が意識したいのは、「アメリカの景況感指数は日本株の先行指標になることが多い」という点です。例えば米ISM非製造業指数が強ければ、「世界的に消費が堅調 → 日本の輸出企業や景気敏感株も恩恵を受ける」といった連想で株価が上がるケースがよく見られます。

まとめると:

  • 米ハイテク株高 → 日本の半導体・ハイテク株に追い風

  • 米景況感指数の強さ → 世界経済への安心感 → 日本株にもプラス


■ 総括

11月第1週の東京市場は、米大統領選の報道や米金融政策に左右され、ボラティリティ(値動きの大きさ)の高い展開となりました。
トランプラリーによる円安期待と米利下げ観測が株価を押し上げる一方、国内企業の決算発表が銘柄ごとの株価に直結しました。
今後も米国の政治・金融動向と企業決算が相場のカギを握る局面が続きそうです。

【翌週】2024年11月第2週市況まとめ|4万円目前で失速、半導体と為替に翻弄された一週間

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