アルファパーチェス<7115>MRO事業が成長を牽引|1,000億円企業への道筋

アルファパーチェス(7115)は、大企業向けの間接材購買プラットフォーム「APMRO」を主力とし、安定的なストック収益と強固な顧客基盤を武器に成長を続ける企業です。
2025年12月期第3四半期ではMRO事業が二桁成長を記録し、解約率ゼロという高い顧客ロイヤルティが業績を支えました。
一方で、親会社アスクルの出荷停止問題が利益見通しに影響を与えたものの、中長期の成長シナリオは揺らいでいません。
本記事では、最新決算のポイントから事業分析、株価評価、長期目標まで徹底解説します。

目次

2025年11月20日に掲載されたアルファパーチェス<7115>の企業分析

元レポートは下記の通りです。
アルファパーチェス<7115>レポートPDF
出典元:FISCO

アルファパーチェス(7115)—MRO事業の高成長が継続、長期的には1,000億円企業を目指す

アルファパーチェス(7115)は、設備・機械の修理部品やオフィス用品など、企業の間接材購買を効率化するMROプラットフォーム「APMRO」を展開している企業です。
また、商業施設のメンテナンスを請け負うFM事業も運営しており、間接材の調達から保全業務までを一気通貫で提供できる点を強みとしています。

2025年12月期第3四半期は、売上高が前年同期比6.1%増、営業利益が同22.6%増となり、安定した成長を確保しました。
一方で、親会社であるアスクルの仕入れ・出荷停止の影響により、通期利益予想は一部下方修正されましたが、MRO事業の堅調な伸びが全体を下支えしています。

 2025年12月期 第3四半期決算(2025/11/13発表)

主要数値
  • 売上高:428.2億円(前年同期比+6.1%)

  • 営業利益:10.3億円(+22.6%)

MROプラットフォーム「APMRO」を中心とした販売拡大により、引き続き堅調な業績を維持しました。

しかし、親会社アスクルの仕入れ・出荷停止問題が続いたため、

  • 通期売上高予想は4%減

  • 通期営業利益予想は0.7%減

となり、やや慎重な見通しに修正されました。


 事業別分析

① MRO事業(売上の約74%/主力)

大企業向けの購買プラットフォーム事業。
トヨタ、SONY、関西電力、三菱地所などを顧客とし、解約率ほぼ0%という強固な顧客基盤を持っています。

 2025年12月期(3Q)

  • 売上高:339.6億円(+11.5%)

  • セグ利益:8.75億円(+64.7%)

特に評価されたのは「無限カタログ」機能。
顧客が選んだ商品の代替品を自動提案・自動置換する仕組みが高い効果を発揮し、購買効率向上で導入企業の利用率が大幅に上昇しました。

MRO領域では競争優位性が高く、アップセルが起きやすいビジネス構造になっています。


② FM事業(商業施設のメンテナンス)

インバウンド需要の回復で顧客業績は良好だが、改装投資を控える動きが出ており伸び悩みました。

  • 売上高:88.4億円(▲10.3%)

  • セグ利益:1.03億円(▲58.9%)

FM事業は今後も中長期的な収益柱として位置付けるが、現状はMROほどの成長性は見られません。


通期業績見通し(2025年12月期)

  • 売上高:599億円(前年比+6.3%)

  • 営業利益:15億円(+20.7%)

FM事業が不透明でも、MRO事業の成長でカバー可能とされています。


 市場規模と成長戦略

 大企業向けMRO市場規模:約1兆円

うち、同社のメイン領域は約4,000億円。
まだ伸びしろが大きい段階にあります。

アルファパーチェスは、

  • 既存大企業グループ内での導入拡大

  • 顧客企業の子会社・関連会社への横展開

  • 認知度向上による外部企業の獲得

といった戦略で、市場シェア拡大を軸にした成長を目指します。

アスクル問題は短期的な逆風になり得るが、同社の中長期成長シナリオは変わらないと見られています。


類似企業比較(MonotaRO/アズワン/ミスミ等)

厳密に同じモデルは少ないが、参考として以下を比較。

企業名 ROE 営業増益率 PER
MonotaRO 25%超 +16%
アズワン 約20倍
ミスミ 約20倍
アルファパーチェス 15%強 +21.5% 約23倍

MRO専業ではないものの、資本効率の面ではMonotaROが一歩優位にあります。
しかし、アルファパーチェスも利益成長が続いており、評価が改善される余地は大きいと考えられます。


 長期目標と株価試算(FISCOベース)

 2029年12月期 目標
  • 売上:1,000億円

  • 営業利益率:3.5%

  • ROE:20%超

EPS(1株利益)は約250円と推計され、

PER15倍 → 株価3,750円
(現状:2,493円)

という計算が成り立ちます。

長期では株価上昇余地が十分にあるとみられます。

 株主還元

  • 記念配当を含む配当を35円 → 37円へ増額

  • 配当利回り:約1.48%

安定的な還元姿勢を維持しています。


 まとめ

アルファパーチェスは、解約率ほぼゼロという強固な大企業顧客基盤を持ち、MROを中心としたサブスクリプション型ビジネスで高い成長性を維持しています。
短期的にはアスクル問題の影響はあるものの、中長期の成長シナリオは崩れておらず、株価も上方リスクが残ります。

筆者コメント

MRO領域は一度システムが導入されるとスイッチングコストが非常に高く、アルファパーチェスの「解約率ほぼゼロ」はこの構造をよく表しています。
短期的にはアスクル問題で利益の伸びが抑えられましたが、業績の根幹を支えているのは大企業との長期的な取引関係であり、ここが揺らいでいない点は非常に重要です。

売上の大部分を占めるMRO事業が二桁成長を続け、さらに無限カタログなどのシステム機能強化で顧客単価が増えている状況は、中長期での評価見直しにつながると考えています。
目標として掲げられた「2029年 売上1,000億円」も、現状のストックモデルの強さを踏まえると十分に射程圏内。短期でなく長期で積み上がるタイプの企業です。

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2025年08月12日に掲載されたアルファパーチェス<7115>のレポート要約

元レポートは下記の通りです。
アルファパーチェス<7115>レポートPDF
出典元:FISCO

アルファパーチェスの企業調査レポート

■ 1. 事業概要

アルファパーチェスは、企業の間接材購買を効率化する「APMRO」プラットフォームを運営。
主要顧客には三菱地所、関西電力、トヨタ自動車、ソニーなど、日本を代表する大企業が名を連ねる。
大企業直販の解約率はほぼ0%で、非常に高い継続率を維持しており、安定的なストック型収益モデルが確立されている。

■ 2. 2025年12月期第2四半期業績

売上高は前年同期比+6.9%の28,631百万円、営業利益は同+27.4%の717百万円と大幅増益。
「無限カタログ」における推奨品自動置き換え機能が奏功し、粗利益率が想定を上回る水準に。
サプライヤー集中による販売効率化も進み、営業利益率の改善が顕著だった。
FM事業は改装案件の先送りにより減収(▲9.4%)となったものの、インバウンド需要の高まりから底堅い動きを維持。

■ 3. 通期業績見通し(2025年12月期)

売上高は前年比+10.8%の61,975百万円、営業利益は+13.5%の1,410百万円を計画。
通期業績予想は上方修正され、MRO事業の上期好調を反映。第4四半期以降も推奨品販売による高採算化が見込まれる。

■ 4. 中期経営計画と長期目標

2029年12月期に売上高1,000億円・営業利益率3.5%・ROE20%以上を目標に設定。
現行のMRO市場(約4,000億円規模)でのシェア拡大を主軸に、非カタログ領域(見積・入札型案件)や問合せ機能付きの次世代購買システムへの展開を見据える。
また、類似企業(アスクル、アズワン、ミスミ、MonotaRO)との比較でも、今後の利益成長率と資本効率の改善により、PER上昇余地があると分析されている。

■ 5. 株主還元策

配当は前期比増配予定で、1株当たり35円(うち記念配当5円)を予定。配当利回りは1.12%見込み。
配当方針は「業績動向を踏まえた安定的な還元」を基本とし、利益確定後の見直しを検討している。

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2025年05月22日に掲載されたアルファパーチェス<7115>のレポート要約

元レポートは下記の通りです。
アルファパーチェス<7115>レポートPDF
出典元:FISCO

アルファパーチェス株式レポート:成長と戦略の分析

会社概要と業績

AlphaPurchase Corporation(7115)は、東京証券取引所スタンダード市場に上場するMROビジネスとFMビジネスに従事する企業である。
最近発表された1Q FY12/25の業績は、売上高や営業利益の伸びが見込まれる中で、楽観的な成長を示している。
MROビジネスでは、売上高が前年比11.2%増の11,519百万円、セグメント利益が69.4%増の3.08億円を記録した。
一方、FMビジネスは、リノベーション工事の控えにより売上高やセグメント利益が減少した。
しかし、今後の見通しは楽観的であり、FY12/25では売上高が61,975百万円、営業利益が1,410百万円に向けてそれぞれ10.8%と13.5%の増加が見込まれている。

成長戦略と市場展望

同社はMROビジネスでの大企業向け売上増加と中小企業向けの安定した業績を通じて、売上成長を続ける戦略を展開している。
特に、「Infinity Catalog」機能の追加が顧客数の増加と総利益の向上に寄与した。将来的には、大企業向け市場や電子カタログ取引市場を拡大し、他社との比較からも同社のポテンシャルを示唆している。また、資本効率の改善により、株主還元や株価上昇の可能性が高まることが期待される。

投資家への提言

AlphaPurchase Corporationは、市場展望や成長戦略に基づき、将来の成長と収益性を見込まれる企業である。
投資家は、同社の市場拡大や業績向上に注目し、ポートフォリオに組み入れることで、将来的なリターンを期待できるかもしれない。
ただし、投資はリスクを伴うため、自己の判断と資産状況に応じて慎重に行うことが重要である。

AlphaPurchase Corporationは、顧客志向の戦略や革新的なプラットフォームを通じて、将来的な成長と収益性を追求している。
投資家は、同社の市場展望や成長戦略を踏まえ、投資判断を行うことが重要である。
同社の業績や市場動向に注目しつつ、リスクを適切に管理し、ポートフォリオの一環として検討することを勧める。

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2025年05月16日に掲載されたアルファパーチェス<7115>のレポート要約

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アルファパーチェス<7115>レポートPDF
出典元:FISCO

株式投資のための企業調査レポート

1. アルファパーチェス(7115 東証スタンダード市場)の業績と展望

アルファパーチェスはMRO事業とFM事業を展開し、2025年第1四半期の決算では好調な数字を示しています。売上高や営業利益が増加し、特にMRO事業の自動置き換え機能による粗利益の増加が目立ちます。2025年12月期の業績見通しも35億円の売上高を目指しており、成長が期待されています。

さらに、2029年12月期には売上高が1,000億円、営業利益率が3.5%、ROEが20%以上を目指しており、着実な成長を目指しています。MRO事業とFM事業の展望も明るく、大企業向けMRO市場や中小企業向け市場での増収が期待されています。新機能の追加や顧客数の増加が成長を後押ししています。

2. アルファパーチェスの成長戦略と株主還元

アルファパーチェスの成長戦略では、大企業向けMRO市場での市場シェア拡大を軸に、売上高の拡大と認知度向上を図っています。新機能や問合せ機能の追加により、持続的な成長を目指しています。株主還元においても、ROEが15%強であり、利益成長が見込まれることから、株価の上昇も期待されています。

株式会社アルファパーチェスの業績分析と投資見通し

1. アルファパーチェスの業績分析

株式会社アルファパーチェスは上場後の業績が安定しており、業績のCAGRが+35%となるなど、将来の成長性が期待されています。上場時の市場価値は1,000億円であり、健全な数字を示しています。株価の試算では、今後の成長を考慮して5,000円と見積もられています。

2. 投資見通し

株式会社アルファパーチェスのPERは20倍であり、配当利回りは1.75%となっています。株主還元も積極的であり、資本効率の向上によるPER水準の切り上がりが注目されます。投資に際してはリスク管理を十分に考慮し、投資判断を行う必要があります。

以上が、アルファパーチェスの業績、展望、投資見通しについての総括です。これらの情報を参考に、株式投資において賢明な判断を行っていただければ幸いです。

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2025年04月21日に掲載されたアルファパーチェス<7115>のレポート要約

元レポートは下記の通りです。
アルファパーチェス<7115>レポートPDF
出典元:FISCO

AlphaPurchase株式会社 調査・分析レポート

サマリー

大企業向け購買・サービス代行ソリューションのリーダーである株式会社アルファパーチェスは、MRO事業およびFM事業セグメントにおいて大きな成長可能性を示しています。
今後は大企業を主要ターゲットとし、API開発力を強化することでさらなる成長を目指しています。

会社概要

2000年に設立された株式会社アルファパーチェスは、購買およびサービス代行ソリューションを専門とする企業です。
米国投資ファンドのリップルウッドによって設立され、現在はコア事業を拡大し、東京証券取引所スタンダード市場に上場しています。

事業概要

同社はMRO事業とFM事業を展開し、大企業向けに購買・サービスソリューションを提供しています。

  • MRO事業:間接資材の調達代行に特化。

  • FM事業:商業施設の保守サービスを提供。

AlphaPurchase株式会社の強み

単一窓口による購買システムや、継続課金型ビジネスモデルなどのシステム開発力が競合との差別化要因となっています。
ECサイトや社内購買部門との競合はあるものの、大企業にアウトソーシングの利点を訴求することで導入を拡大しています。

財務実績

2024年12月期(FY12/24)には、売上高が前年比7.7%増、営業利益が4.6%増と成長を達成しました。
MRO事業は売上・利益ともに伸びた一方、FM事業は売上がわずかに0.4%減少しました。同社はソフトウェア資産への注力や堅実なバランスシートにより、安定した財務基盤を維持しています。

2025年4月21日株式レポート要約

  • 売上高:前年比7.7%増
     - MRO事業:11.0%成長
     - FM事業:0.4%減少

  • 営業利益:4.6%増加

  • ソフトウェア資産を重視し、財務は健全。

  • 2025年12月期(FY12/25)も売上高・営業利益の増加を見込む。

総合評価

株式会社アルファパーチェスは、購買・サービス代行ソリューション市場において強固な実績を誇り、MROおよびFM事業の成長を軸に事業を拡大しています。戦略的な事業ポジショニング、安定した財務基盤、そして株主還元方針により、将来性の高い企業として注目されます。

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2025年03月28日に掲載されたアルファパーチェス<7115>のレポート要約

元レポートは下記の通りです。
アルファパーチェス<7115>レポートPDF
出典元:FISCO

アルファパーチェスの株式情報と事業展望について

企業調査レポートの要約

アルファパーチェスは大企業向けの「購買・役務代行」を手掛けるトップランナーであり、成長余力が高いことが明らかになった。
MRO事業とFM事業を主力とし、2024年12月期の業績からも安定した成長を遂げていることが示されている。

会社概要と事業概要

アルファパーチェスは2000年設立で、主要事業は「購買・役務代行」である。
東京都港区に本社を構え、MRO事業、FM事業、その他の3つの事業セグメントで安定的な事業展開を行っている。

業績動向と今後の見通し

2024年12月期の業績ではMRO事業が成長し、FM事業は若干の減少となったが、全体的に安定した業績を達成している。
2025年12月期に向けては売上高や利益が増加する見通しであり、市場規模の拡大やAPIの開発力を活かした成長が期待されている。

中長期の展望と株主還元策

将来展望では潜在市場の拡大やAPIの開発力を強みとした成長戦略が強調されており、株主還元策としては継続的かつ安定的な配当を基本方針としている。
2025年12月期には年35.0円への増配が予定されている。

このレポートから、アルファパーチェスは安定した業績を持ち、今後の成長が期待される企業であることが分かる。
大企業向けの市場でのトップランナーとしての地位を確立し、成長戦略や株主還元策によって持続的な価値を提供していくことが期待される。

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