シード〈7743〉は、国産コンタクトレンズメーカーの老舗として知られる企業です。
2025年3月期は大規模な設備投資の影響で一時的に減益となったものの、生産体制の強化が着実に進行。
増収を維持しつつ、今後の収益拡大フェーズに向けた基盤づくりを進めています。
また、サステナビリティや地域社会への貢献にも注力し、持続可能な企業経営を実践中です。
2024年12月19日に掲載されたシード<7743>の企業分析
元レポートは下記の通りです。
シード<7743>レポートPDF
出典元：FISCO
シード〈7743〉企業分析｜増収減益でも堅調推移、生産力強化とサステナブル経営で中期成長へ
会社概要と沿革
1957年に「株式会社東京コンタクトレンズ研究所」として設立されたシードは、
日本におけるコンタクトレンズ産業の草分け的存在です。
創業以来「Made in Nippon」の理念を掲げ、研究開発から製造・販売までを一貫して自社で手がけています。
現在は国内外で事業を展開し、高品質な製品をグローバル市場へ提供しています。
事業内容
コンタクトレンズ・ケア用品事業
主力事業は、使い捨てコンタクトレンズおよびケア用品の製造・販売です。
高付加価値製品のラインアップ強化に加え、洗浄液や治療用レンズなど、
多様なニーズに応える製品群を展開しています。
特に近年は、生産体制の効率化と海外展開強化により、売上基盤の拡大を図っています。
サステナビリティ経営
シードは、製品開発だけでなく社会的責任にも積極的に取り組んでいます。
ダイバーシティ推進、多様な人材採用、災害対策、環境保護、地域社会への貢献活動など、
持続可能な社会の実現を目指した経営を推進中です。
また、社員の働きやすい職場環境の整備にも注力しており、
人材育成と企業成長を両立させる体制を整えています。
業績動向
2025年3月期上期（第2四半期）は、増収減益での着地となりました。
大規模な設備投資によるコスト増が利益を圧迫した一方で、
生産能力の増強や製品ラインナップの拡充により、売上は前年同期を上回りました。
通期では、増収基調を維持しつつ、
新工場の稼働や高付加価値商品の拡販が進むことで、
中長期的な利益成長への回復が見込まれています。
成長戦略：生産力拡大と海外市場対応
シードは、国内需要の安定成長に加えて、海外市場の拡大にも注力しています。
特にアジア地域では、視力矯正ニーズの高まりを背景に、
自社ブランド製品の展開を強化しています。
また、近年の大型設備投資によって生産ラインを刷新し、
製造効率・品質管理・供給安定性を同時に高める体制を整備しました。
この取り組みは、今後の海外需要拡大にも大きく寄与すると見られます。
財務と株主還元
設備投資による一時的な減益局面にあるものの、
財務基盤は依然として安定しています。
自己資本比率の高さを維持しつつ、
資本コストを意識した経営体制の強化を進めています。
また、株主還元策にも前向きであり、
中長期的に安定的な配当の実施を継続する方針です。
中期経営計画「Imagination 2025」と将来展望
シードは中期経営計画「Imagination 2025」に基づき、
生産体制の強化と新商品開発による収益拡大を目指しています。
主要施策として以下を掲げています。
-
生産拠点の最適化と製造効率の改善
-
高付加価値製品ラインの拡充
-
海外販売比率の向上
-
環境・社会・ガバナンス（ESG）の推進
2030年代を見据え、「品質・信頼・革新」を軸とした持続可能な成長を追求していく構えです。
まとめ
シード〈7743〉は、コンタクトレンズ市場における確固たる地位を背景に、
生産力強化とグローバル展開を両立させる戦略を推進しています。
短期的には投資負担による減益局面が続くものの、
中長期的には新商品の拡販と海外展開が収益成長を牽引する見通しです。
サステナビリティを経営の中核に据えた同社の取り組みは、
企業価値の向上と安定成長を両立させる好事例といえるでしょう。
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