ティーケーピー<3479>貸会議室×宿泊事業の二本柱が稼働率を押し上げる

ティーケーピー(3479)は、貸会議室を中心とした「空間再生流通事業」を展開し、2026年2月期中間期で売上高+146.0%、営業利益+18.5%の大幅な増収増益を達成しました。
オフィス回帰や対面イベントの再開により需要が急回復したほか、リリカラ・ノバレーゼなどのM&A効果も寄与し、過去最高の売上規模で推移しています。

通期見通しも増額修正されており、新規出店・事業シナジーの拡大によって、過去最高益の達成が視野に入っています。アフターコロナで再び存在感を高める同社の現状を詳しく解説します。

2025年11月18日に掲載されたティーケーピー<3479>の企業分析

元レポートは下記の通りです。
ティーケーピー<3479>レポートPDF
出典元:FISCO

 

ティーケーピー(3479)企業分析レポート― 空間再生流通モデルが追い風。売上146%増で過去最高ペースへ ―

概要

ティーケーピー(3479)は、遊休不動産を活用する「空間再生流通事業」を中心に、貸会議室・ホテル・イベントプロデュースなどを全国展開している企業です。

2026年2月期中間期の連結業績は、売上高が前年同期比+146.0%の498億円と過去最高を更新。営業利益も+18.5%の32億円と、大幅な増収増益となりました。
オフィス回帰トレンド、対面型イベントの回復、新規出店・M&A効果がいずれも収益に貢献。通期予想も増額修正されており、過去最高の売上・利益を見込む状況です。


1. 2026年2月期中間期の業績概要

中間期は、複数の追い風が重なり、同社として過去最大規模の売上を記録。

 連結業績(前年同期比)
  • 売上高:49,898百万円(+146.0%)

  • 営業利益:3,239百万円(+18.5%)

増収の主因は以下の通り。

主な増収要因
  • オフィス回帰・リアルイベント需要の本格回復

  • リリカラ・ノバレーゼ等のM&Aによる連結効果

  • ホテル・宿泊研修事業の稼働改善

  • 新規出店の継続(貸会議室・ホテル共に展開)


2. 2026年2月期の業績見通し

会社側は通期予想を上方修正し、以下を想定しています。

2026年2月期 通期予想
  • 売上高:104,000百万円

  • 営業利益:9,000百万円

→ 過去最高の売上・営業利益を見込む。

新規出店の寄与、M&A後のグループシナジー、会議室・宿泊研修需要の拡大などが背景に挙げられています。


3. 中期経営計画の進捗状況

アフターコロナを見据えた中期経営計画は、以下の点に重点を置いています。

 中計の重点領域
  1. 貸会議室 × 宿泊研修の二本柱の強化

  2. 遊休不動産の再生・活用の拡大

  3. M&A・新規出店による成長基盤の構築

  4. グループシナジー最大化

次期中期計画では、これまでの出店・M&Aを「利益貢献フェーズ」に移行させることが最大のポイントとされています。


4. 事業概要

 空間再生流通事業(中核)

遊休不動産を借り上げ、
貸会議室・イベントスペース・宿泊研修施設として再生し提供するビジネスモデル

顧客数:約3万社
直営:国内219施設以上

周辺事業
  • イベントプロデュース

  • BPO事業

  • 宿泊・飲食サービス

これらが中核の貸会議室事業とシナジーを形成。


5. 財務状況

 2026年2月期中間期
  • 総資産:129,960百万円

  • 自己資本:39,084百万円

  • 自己資本比率:30.1%(低下傾向)

M&Aによる有利子負債増加で自己資本比率は下がっていますが、拡大戦略に伴うものと分析されています。


6. 株主還元策

配当は現時点で見送り。
一方で、自己株式取得を実施するなど、資本効率向上への姿勢が示されています。

株主優待として、

  • ホテル宿泊券

  • レストラン利用券

などを提供。


7. 総括

ティーケーピーは、コロナ禍で落ち込んだ貸会議室需要が完全回復し、さらにM&A・新規出店効果で急回復しています。
「空間再生流通」という独自モデルは、設備投資を抑えながら高い成長性を発揮できる点が強みで、2026年2月期は過去最高の売上・利益が期待されます。

財務面では負債の膨張が課題ですが、営業CFの回復が進めば改善の余地も十分にあります。中計の最終フェーズに入り、利益貢献フェーズに移行できるかが次の注目点となります。


筆者コメント

ティーケーピーは一時期「コロナ直撃で危ない企業」と見られたこともありましたが、今回の決算を見ると完全に復活し、むしろ過去最高規模の成長フェーズに入っています。

特に印象的なのは、売上が+146%と異常レベルの伸び方をしている点。
イベント復活の追い風だけではなく、

  • 買収したノバレーゼ・リリカラの寄与

  • ホテル・宿泊研修事業の拡大

  • オフィス回帰

など複数の成長ドライバーが同時に効いているため、数字に説得力があります。

一方で、負債増による自己資本比率の低下は注意が必要で、ここが改善してくると市場評価はさらに高まりそうです。

総じて、同社は「成長投資 → 実収穫フェーズ」に入った印象が強く、中期視点で見れば再評価される可能性が高い企業だと感じました。

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2025年05月20日に掲載されたティーケーピー<3479>のレポートを要約

元レポートは下記の通りです。
ティーケーピー<3479>レポートPDF
出典元:FISCO

ティーケーピー株式会社のビジネスモデルと成長戦略

要約

ティーケーピー株式会社は、「空間再生流通事業」を展開し、貸会議室や宿泊施設を中心としたビジネスモデルで成長を続けています。
2025年2月期には過去最高の業績を達成し、2026年2月期も大幅な増収増益が期待されています。同社の独自のビジネスモデルと成長戦略を見ていきましょう。

会社概要

ティーケーピーは2005年に設立され、貸会議室ビジネスを起点として事業展開をしてきました。
フレキシブルスペース事業を中心に周辺サービスを提供し、アフターコロナ時代のニーズにも対応できる体制を整えています。
2017年に東京証券取引所マザーズ市場に上場し、積極的な事業展開を進めています。

事業の拡大と成長

ティーケーピーは市場創造型の事業展開を行い、貸会議室や宿泊施設を提供することで空間シェアリングエコノミーを実現しています。
周辺サービスの提供や顧客ニーズへの迅速な対応により、収益性を向上させています。特に、料飲や宿泊施設の売上拡大が収益性向上に貢献しています。

収益モデルと特徴

同社の収益モデルは時間貸しによるフロー型の収益モデルであり、坪当たり売上高を重要視しています。
周辺サービスの提供やオプションの拡充により、収益の拡大を図っています。料飲の需要回復やイベントプロデュースの強化により、収益性を向上させています。

ティーケーピー株式会社の財務状況と業績

業績の推移

ティーケーピーはコロナ禍の一時的な後退を経て、足元ではコロナ前の業績を上回る成績を収めています。
会議室数の拡大や周辺サービスの強化により、増収増益を達成しています。

2025年2月期の業績

2025年2月期の連結業績は、売上高や経常利益が前年比で大幅に増加し、過去最高を更新しました。
特に料飲や宿泊の売上が伸び、収益性が向上しています。利益面でも改善が見られ、コロナ禍を乗り越えて成長を遂げています。

株主還元策

ティーケーピーは配当見送りの方針や自己株式取得による資本効率性向上に取り組んでいます。
バランスシートの最適化と株主還元の取り組みを進め、株主価値の向上を図っています。

以上のように、ティーケーピー株式会社は独自のビジネスモデルと成長戦略により着実に業績を伸ばし、将来に期待が寄せられている企業です。
業績の持続的な成長と株主還元策の強化に注目が集まっています。

まとめ

ティーケーピー株式会社は、2005年の設立以来「空間の再生」をテーマに成長を続け、貸会議室・宿泊施設・イベント関連事業を展開しています。
フレキシブルスペース事業を核に、料飲・宿泊・イベント運営などの周辺サービスを組み合わせることで、収益性を高める複合ビジネスモデルを確立。
2025年2月期は売上・利益ともに過去最高を更新し、コロナ前の水準を上回る回復を達成しました。

特に、企業研修・展示会・オンラインイベントなど、多様化する法人需要に対応した結果、坪単価売上の向上と稼働率の改善に成功。料飲・宿泊領域の回復も寄与しています。
今後は「空間再生流通業」の枠をさらに拡張し、施設リノベーション・地方展開・IT活用による予約効率化を推進。

中長期的には、会議室や宿泊施設を単なる貸す空間から価値を創造する場へと進化させ、企業や個人の多様な利用ニーズに応える方針です。
財務面では、自己株式取得など資本効率の改善にも注力。現時点で配当は見送りとしているものの、財務基盤の安定化と株主価値の最大化を目指しています。

ティーケーピーは、リアル×デジタルを融合させた空間ソリューション企業として、今後の成長ステージに向けた基盤を確立しつつあります。


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2024年12月18日に掲載されたティーケーピー<3479>のレポート要約

元レポートは下記の通りです。
ティーケーピー<3479>レポートPDF
出典元:FISCO

ティーケーピー(3479 東証グロース市場)についての総合レポート

企業の概要と業績

ティーケーピー(TKP)は、貸会議室ビジネスを起点とした「空間再生流通事業」を展開しており、高い成長性を実現しています。
2025年2月期上期には2ケタの増収を達成し、2021年以降の業績後退から回復しました。
TKPは空間シェアリングによる市場創造型の事業展開を行っており、収益モデルの特徴や拠点ネットワークの広さが特徴的です。

業務展開と重要な出来事

過去数年間におけるTKPの重要な出来事を振り返ると、2018年から2022年には大型イベントホールやリゾートセミナーホテルのオープン、各種業務提携や提供開始などが行われています。
2023年から2024年には資本業務提携の開始や子会社化、関連会社化などが行われ、事業の拡大が進んでいます。

事業概要と収益モデル

TKPの事業モデルは「持たざる経営」を基本とし、空間シェアリングによる市場創造型の事業展開を行っています。
主力は貸会議室ビジネスであり、不動産オーナーから不採算資産を借り上げて再生し、付加価値を提供しています。
収益モデルは時間貸しのフロー型であり、周辺サービスの提供や料飲の伸びにより収益性を向上させています。

財務データと将来展望

2025年2月期の業績では総資産と純資産が増加し、業績の回復が見られました。
2025年2月期上期では研修・セミナー、懇親会利用による貸会議室需要の回復があり、将来性が高いと評価されています。
TKPは中期経営計画において貸会議室事業と宿泊事業の成長を重視し、M&Aや事業拡大を計画しています。株主還元策では成長投資を優先する方針を示しています。

このように、TKPは独自のビジネスモデルと成長戦略により、将来的な成長が期待される企業であることが分かります。
投資を検討する際には、企業の業績や将来展望を綿密に分析することが重要です。

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17.不動産セクターまとめ

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