2025年10月06日に掲載されたシーラホールディングス<8887>のレポート要約
元レポートは下記の通りです。
シーラホールディングス<8887>レポートPDF
出典元:FISCO
シーラホールディングス企業調査レポート
1. 要約
シーラホールディングス(証券コード:8887)は、不動産デベロッパー事業や不動産クラウドファンディングプラットフォーム「利回りくん」を運営しています。
2025年6月1日、クミカとシーラテクノロジーズが経営統合し、商号をシーラホールディングスに変更しました。
2026年5月期からは、総合不動産事業、不動産管理事業、建設事業、再生可能エネルギー事業の4つのセグメントに分けて運営されます。
2. 業績概要
2025年5月期の業績は、売上高が前年同期比13.7%増の5,419百万円となった一方、営業利益は32.0%減の200百万円、EBITDAは71.2%減の227百万円、経常利益は26.4%減の222百万円となりました。
特別損失計上により当期純利益は657百万円の損失となりました。主に人件費や建築資材の高騰が影響しています。
3. 業績見通し
2026年5月期の連結業績予想は、売上高34,500百万円、営業利益2,413百万円、EBITDA2,639百万円、経常利益1,350百万円、親会社株主に帰属する当期純利益868百万円としています。
中核事業を拡大し、利益率向上を目指します。
4. 成長戦略
シーラホールディングスは、不動産投資市場における海外大口投資家の増加やクラウドファンディングの認知度向上を背景に、事業環境が良好であると考えています。
経営統合によるサービスの拡充や事業エリアの拡大を目指し、2030年5月期に総資産1,000億円、ROA4%、ROE10%、DOE4%を中期目標に掲げています。
会社概要
1. 会社概要
シーラホールディングスは、クミカとシーラテクノロジーズが経営統合した企業で、埼玉県を中心にファミリーマンションの開発・分譲を行っています。
スローガンは「世界中の不動産投資を民主化する」であり、事業シナジーを創出し、総合不動産テック企業として成長を目指しています。
2. 沿革
クミカは1970年に設立され、1983年に株式会社化、2000年に上場を果たしました。シーラテクノロジーズは2010年に設立され、2017年に株式交換で子会社化されました。
両社は2025年に経営統合し、シーラホールディングスに商号変更しました。
事業概要
1. 事業特長・強み
シーラホールディングスは、不動産デベロッパー事業やクラウドファンディングプラットフォームを活用し、様々な収益源を持つ企業です。
これにより、安定した収益基盤を確立し、成長を続けることを目指しています。
2. 総合不動産事業
同社の総合不動産事業は、主にファミリーマンションの開発・分譲を行っています。この事業は、地域のニーズに応じた物件提供を通じて成長しています。
3. 不動産管理事業
不動産管理事業では、賃貸物件の管理や運営を行い、収益の最大化を図っています。顧客満足度の向上を目指し、サービスの質を重視しています。
4. 建設事業
建設事業は、主に自社での物件建設を行い、品質管理とコスト管理を徹底しています。これにより、安定した利益を確保しています。
5. 再生可能エネルギー関連事業
再生可能エネルギー関連事業では、太陽光発電システムの導入や管理を行い、環境への配慮をしつつ新たな収益源を確保しています。
6. リスク要因と対策・課題
建築費の高騰や金利の上昇は、業績に影響を与えるリスク要因として認識されています。これに対して、事業環境を注視しながら慎重に投資判断を行う方針です。
業績動向
1. 2025年5月期業績の概要
2025年5月期の業績は、売上高が5,419百万円、営業利益が200百万円、経常利益が222百万円、当期純利益が657百万円の損失となりました。建築事業や不動産販売事業が増収に寄与しましたが、コストの増加が利益を圧迫しました。
今後の見通し
1. 2026年5月期連結業績予想の概要
2026年5月期の予想は、売上高34,500百万円、営業利益2,413百万円、EBITDA2,639百万円、経常利益1,350百万円、親会社株主に帰属する当期純利益868百万円です。経営統合初年度での大幅な増収増益が期待されています。
成長戦略
1. 成長戦略と中期目標
同社は、経営統合を契機に事業の拡大とシナジーの創出を図り、2030年に向けての中期目標を設定しています。特に、東京都心を中心に戦略的な販売と積極的な用地仕入を進め、総合不動産事業の収益性強化を図ります。
2. アナリストの視点
アナリストは、シーラホールディングスの成長戦略と市場環境を評価し、同社の将来性に期待を寄せています。
株主還元策
同社は、株主への還元策を重視しており、安定した配当の実施を目指しています。2026年5月期には、経営統合記念配当として年間12.00円を予定しており、株主優待も実施します。
サステナビリティ経営
シーラホールディングスは、環境に配慮した事業運営を推進しており、再生可能エネルギー関連事業の強化を通じてサステナビリティを追求しています。
持続可能な社会の実現に貢献する方針を持ち、再生可能エネルギー事業や不動産デベロッパー事業を通じて社会課題の解決を目指しています。
環境に優しいZEHマンションの開発や再生可能エネルギーの導入を推進しています。
株式会社シーラホールディングスの概要
社名変更と事業展開
株式会社シーラホールディングスは、2021年に不動産クラウドファンディングプラットフォーム「利回りくん」のサービスを開始し、特定建設業免許を取得しました。
これにより自社施工が可能となり、同年12月にはシステム開発を手掛ける子会社を設立しました。
子会社化と事業拡大
2022年には太陽光発電システムインテグレーターの子会社化や、環境に優しいZEH-Mの認証取得など、再生可能エネルギー事業の強化を図りました。
また、複数の子会社が設立され、社名変更が行われました。
市場への進出
2023年には米国NASDAQ市場へ株式上場し、オンライン不動産賃貸仲介アプリ「ietty事業」を譲受するなど、事業の多角化を進めています。
経営統合と今後の展望
2025年にはクミカとの経営統合を予定しており、シーラホールディングスとしてのブランド力を強化する方針です。
事業概要の詳細
総合不動産事業
シーラホールディングスは、不動産デベロッパー事業を中心に、不動産管理事業や再生可能エネルギー事業を展開しています。
自社ブランド「SYFORME」を中心に、コンパクトマンションや商業施設の開発を行い、東京都心を中心としたエリアでの供給を目指しています。
不動産管理事業
同社はプロパティマネジメントやビルディングマネジメントを手掛けており、賃貸用自社所有不動産の管理を通じて安定的な収益を確保しています。
特に「利回りくん」プラットフォームを利用し、物件のオフバランス化を図ることで財務構造の改善を目指しています。
建設事業
建設事業においては、特定建設業免許を取得し、設計・施工を内製化しています。これによりコスト削減を実現し、他社物件の工事請負も視野に入れた事業拡大を進めています。
再生可能エネルギー事業
再生可能エネルギー関連では、太陽光発電設備の設計・施工・運営を行い、地域に根ざしたサービスを提供しています。これにより、環境に配慮した事業展開を行っています。
今後の戦略
グループシナジーの強化
シーラホールディングスは、グループ内でのビジネスモデルの統合を進め、各事業セグメントのシナジーを最大限に引き出す方針です。
特に不動産クラウドファンディングプラットフォームの「利回りくん」を活用し、安定した収益基盤を構築していく計画です。
持続可能な成長の追求
同社は、持続可能な成長を目指し、再生可能エネルギー事業や地域貢献に注力することで、社会的責任を果たしつつ利益を追求していく方針を掲げています。
まとめ
シーラホールディングスは、経営統合を通じてさらなる成長を目指し、各事業セグメントの強化に取り組んでいます。業績の回復と持続可能な成長を実現するために、株主還元やサステナビリティ経営にも注力し、企業価値の向上を図っています。今後の展開に期待が寄せられます。
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