「短期間で効率よく利益を狙いたい」「でもデイトレードのように一日中チャートを見るのは無理…」
そんな人に向いているのがスイングトレードです。
スイングトレードは、数日から数週間で売買を完結するスタイルで、相場の波を読みながら利益を積み重ねる方法。
忙しい社会人でも実践でき、時間をかけすぎずに市場に参加できるのが特徴です。
この記事では、スイングトレードの基本から銘柄選び・チャート分析・リスク管理・ニュース活用までを体系的に解説します。初心者でも理解できるよう、図解・実例・注意点を交えて深掘りしていきます。
- 1 1. スイングトレードとは?特徴と向いている人
- 2 2. デイトレードとの違いと、それぞれのメリット・デメリット
- 3 3. スイングトレードの基本ルールと始め方【実践ステップ】
- 4 4. スイングトレードで勝てない人の共通点と改善策【心理と行動を徹底分析】
- 5 5. スイングトレードのおすすめ銘柄選定法と情報源【テーマ・需給・セクターで勝つ】
- 6 6. スイングトレードで使えるテクニカル指標と活用法【初心者でも流れが読める分析術】
- 7 7. スイングトレードにおすすめの証券会社と取引ツール活用法【使いやすさ×コスパで選ぶ】
- 8 7. まとめ:スイングトレードは「待つ力」と「再現性」で勝つ
1. スイングトレードとは?特徴と向いている人
■ スイングトレードの基本定義
スイングトレードとは、数日から数週間単位で株を保有し、株価の波を捉えて利益を狙う取引手法です。
英語の swing(揺れ動く)”が示す通り、短期的な値動きの「振れ幅」を利用して、上昇局面では買い、下落局面では売りで利益を取るスタイルになります。
デイトレード(1日完結)よりは余裕があり、長期投資(数ヶ月〜年単位)よりも機動的。
「日中は仕事でチャートを見られないけど、株を本格的に学びたい」という人に人気の手法です。
■ スイングトレードの主な特徴
項目 | 内容 |
---|---|
保有期間 | 数日〜数週間(中期寄りの短期) |
必要な時間 | 朝・夜の分析+注文でOK(ザラ場張り付き不要) |
主な判断材料 | テクニカル分析(チャート・トレンド・出来高) |
利益目標 | 1回のトレードで数%〜10%前後 |
主なリスク | 想定外のニュース・地合い変化による急落 |
このように、スイングトレードは「短期トレード×時間効率の良さ」が共存したバランス型の手法です。
毎日チャートに張り付く必要がなく、サラリーマンや主婦投資家などにも支持されています。
■ デイトレード・長期投資との違い
以下のように位置づけると理解しやすいです
スタイル | 保有期間 | 主な目的 | 特徴 |
---|---|---|---|
デイトレード | 数分〜数時間 | 即日で利益を取る | 即断即決、集中力が必要 |
スイングトレード | 数日〜数週間 | 短期波動を取る | 分析重視、効率的に利益を狙う |
長期投資 | 数ヶ月〜年単位 | 企業成長で資産を増やす | 根拠はファンダメンタルズ中心 |
つまり、スイングトレードは中間型の投資法。
スピード感と分析力のバランスが取れているため、「リスクを抑えつつも積極的に稼ぎたい層」に適しています。
■ スイングトレードが向いている人
以下の特徴がある人には特におすすめです
-
仕事をしながら投資したい人(日中張り付きたくない)
-
分析や戦略を考えるのが好きな人(チャートを見るのが苦にならない)
-
リスクを限定しながら増やしたい人(コツコツ型)
-
感情に左右されず冷静に判断できる人
-
手堅く資金を育てたい人(短期で大勝より安定重視)
反対に、常に刺激を求めたり即結果を出したいタイプはデイトレ向きです。
スイングトレードは「待つ力」「見極める力」が成果を左右します。
■ 向かない人の特徴(注意点)
-
毎回値動きに一喜一憂してしまう人
-
ルールを破りやすい(損切りできない)人
-
SNSや他人の意見に流されやすい人
スイングトレードは「冷静な判断と再現性のある手法」が命。
感情的な取引を避け、一定のルールに基づいて行動できる人ほど成功率が上がります。
まとめ
スイングトレードは、時間を効率的に使いながら短期の値動きを狙える現実的な投資スタイル。
市場の波を分析し、トレンドに乗ることでリスクを抑えつつ利益を積み重ねることができます。
ほどよく狙い、ほどよく休むバランス型の投資スタイル――それがスイングトレードです。
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2. デイトレードとの違いと、それぞれのメリット・デメリット
スイングトレードとデイトレードは、どちらも短期売買の手法ですが、目的・時間軸・求められるスキルが大きく異なります。
ここを正しく理解することで、自分に合ったトレードスタイルを見つけるヒントになります。
■ デイトレードとは?
デイトレード(Day Trade)は、1日のうちに売買を完結させる超短期取引です。
夜間のリスク(決算・地政学・為替など)を避け、1日の値動きだけで利益を狙うスタイル。
1分〜5分足などのチャートを監視し、瞬間的な値動きを読み取る技術と集中力が求められます。
スキャルピングと呼ばれる数秒単位の超短期取引もこの延長線上にあります。
■ スイングトレードとの主な違い
比較項目 | スイングトレード | デイトレード |
---|---|---|
保有期間 | 数日〜数週間 | 数分〜数時間(1日完結) |
取引頻度 | 少なめ(週数回) | 多め(1日数回〜数十回) |
主な分析 | チャート+トレンド分析 | 板読み+出来高+瞬間値動き |
必要な時間 | 日中は不要 | 取引時間中は常時監視 |
利益幅 | 数%〜10%前後 | 数十円〜数百円の小幅利益 |
必要スキル | 冷静な分析力 | 即断即決・反射神経 |
リスク | 中間(夜間リスクあり) | 小(夜間リスクなし) |
向いている人 | 会社員・副業投資家 | 専業トレーダー・短期集中型 |
■ デイトレードのメリット
- 夜間リスクを持ち越さない
決算・為替・海外市場の影響を避けられるため、リスク管理がしやすい。 - 即日で結果が出る
取引が一日完結するため、成果が早く見える。スピード感と達成感がある。 - 小さな値幅でも積み上げられる
1回数百円の利益でも、回数を重ねれば収益化が可能。
■ デイトレードのデメリット
- 集中力とストレスが大きい
常にチャートに張り付き、瞬間的な判断を求められるため、精神的疲労が大きい。 - 損切りが遅れると即損失
スピード命の世界。判断が1分遅れるだけで数千円〜数万円の損失につながる。 - 継続的に勝つのが難しい
「再現性ある手法」を構築しないと、感情に流されるだけで終わる。経験と訓練が必須。
■ スイングトレードのメリット
- 時間効率が良い(兼業でも可能)
夜に分析→朝に発注→日中は放置、という流れで成立。
仕事や家事と両立しやすく、日中の拘束がない。 - トレンドに乗りやすい
数日単位の波に乗ることで、デイトレよりもまとまった値幅を狙える。 - 感情に流されにくい
短期とはいえ「俯瞰して相場を見る」時間が取れるため、冷静な判断がしやすい。
■ スイングトレードのデメリット
- 夜間・地合いのリスクを抱える
米国市場の急落や、決算発表などの影響を翌朝に受ける可能性がある。 - トレンド判断ミスのダメージが大きい
数日ポジションを持つため、方向を誤ると含み損が長引く。 - 待つ時間が多く、飽きやすい
「動かない相場」で焦ってルールを破る初心者も多い。
■ どちらを選ぶべき?(タイプ別のおすすめ)
タイプ | 向いている手法 | 理由 |
---|---|---|
日中に時間が取れる/即結果を出したい | デイトレード | スピード勝負、瞬発力が活きる |
分析好き・慎重派・兼業投資家 | スイングトレード | 落ち着いた判断ができる・再現性が高い |
両方を経験してから「自分の性格・生活リズム・精神耐性」に合う方を選ぶのがベストです。
まとめ
-
デイトレードは「瞬間判断力×集中力」、スイングトレードは「分析力×継続性」。
-
どちらも勝つためのルール作りが不可欠。
-
スイングは生活リズムと両立できる現実的な手法であり、初心者が最初に身につける短期取引の入り口として最適です。
3. スイングトレードの基本ルールと始め方【実践ステップ】
スイングトレードは「数日〜数週間の値動き」を狙う中期短期の投資スタイルです。
一見シンプルですが、成功するためには正しい順番と明確なルールが欠かせません。
ここでは、初心者が最短で安定して利益を出すための基本ルールと、実際の始め方を解説します。
ステップ1:スイングトレードの目的を明確にする
まず大切なのは、「何を目的にスイングをするか」を決めること。
目的があいまいだと、途中でトレード方針がブレてしまいます。
例
-
副収入として月3万円を目指す(兼業投資家向け)
-
デイトレよりも落ち着いてトレードしたい
-
チャート分析を実践的に学びたい
この目的設定が、後の資金管理・ルール作成・トレード判断の軸になります。
ステップ2:資金とリスクを管理する(最重要)
スイングトレードは「待つ取引」です。
だからこそ、リスク管理=生存戦略です。
▪ 損失許容額の目安
1回のトレードでの損失は、資金の1〜2%以内が理想。
(例:資金50万円 → 1回の損失上限=5,000〜10,000円)
▪ ロット設定の考え方
-
エントリー前に「損切り位置」を決める
-
その損切り位置までの距離から、購入株数を逆算
例:損切り−50円・許容損失5,000円 → 100株(=5,000円÷50円)
こうして「買う前に損切りを決める」習慣が、資金を守る第一歩です。
ステップ3:チャート設定とトレンド把握
スイングトレードの武器は「チャート分析」。
基本は以下の3つを組み合わせるだけでOKです。
▪ 移動平均線(MA)
-
5日線:短期トレンド
-
25日線:中期トレンド
-
75日線:長期トレンド
→ 短期線が中期線を上抜く「ゴールデンクロス」は上昇サイン。
→ 下抜く「デッドクロス」は下降サイン。
▪ 出来高
出来高が増えた上昇は「本物の買い需要」。
逆に、出来高が伴わない上昇は一時的な動きかも。
▪ ローソク足
陽線・陰線の並び方で投資家心理を読む。
特に「長い下ヒゲ陽線」や「包み足」は反発サインとして注目。
ステップ4:銘柄の選び方
スイング向けの銘柄には共通点があります。
それは「適度に動く・出来高が多い・トレンドが明確」。
▪ スイング向き銘柄の特徴
-
出来高が多い(毎日10万株以上)
-
値動きが活発(1日で±3%以上)
-
中期トレンドが出ている(25日線が上向き or 下向き)
-
ファンダも良好(黒字企業・話題性あり)
▪ 探し方
-
Yahoo!ファイナンス「値上がり率ランキング」
-
kabutan「テーマ株特集」
-
各証券会社のスクリーニング機能
テーマ株(AI・半導体・再エネなど)は短期的なトレンドを作りやすく、スイングの好材料。
ステップ5:エントリーとエグジット(売買ルール)
▪ エントリーの基本
-
上昇トレンドの押し目買い
→ 25日線付近まで下げて反発したタイミング。 -
下落トレンドの戻り売り
→ 25日線まで戻したところで反転下落。
▪ 売却(エグジット)の基本
-
目標利益:+5〜10%で一部利確
-
損切り:−2〜3%で自動撤退
-
トレーリングストップ(利益を伸ばす売り方)も有効。
ステップ6:トレード後の振り返り(記録)
勝ち負けよりも大事なのは、「なぜそうなったか」を言語化すること。
振り返りポイント
-
エントリーの根拠(チャート・ニュース・直感)
-
エグジットの判断(利益確定 or 損切り)
-
改善点(感情・タイミング・分析)
日記形式でもOK。
トレードを振り返る力が、成長スピードを10倍にします。
ステップ7:自分のルールを明文化する
トレードの世界で生き残る人は「感情で動かない人」です。
そのために、ルールを紙に書き出しておくのが最強の対策。
例
-
エントリー条件:25日線上で陽線+出来高増
-
利確条件:+7%以上 or チャートの節目
-
損切り条件:−3%到達で成行売り
-
振り返り:毎週金曜に1時間分析
ルールを明確にすると、迷いが減り「継続的に勝つ」トレーダーになれます。
まとめ
-
スイングトレードは「分析×時間管理×リスク管理」のバランスが命。
-
エントリーより撤退ルールを先に決めるのが上級者の思考。
-
トレード日記をつけて、感情ではなくデータで判断する。
4. スイングトレードで勝てない人の共通点と改善策【心理と行動を徹底分析】
スイングトレードは、一見「中期で落ち着いた取引」と思われがちですが、実際は心理的なブレに強く影響を受ける投資スタイルです。
特に初心者ほど、知識よりも感情で損を出してしまうケースが目立ちます。
ここでは、スイングトレードで勝てない人が陥りがちな5つのパターンと、その改善策を具体的に解説します。
共通点①:チャートを「眺めているだけ」で分析していない
スイングトレードはチャートを読む力が命。
しかし多くの初心者は、チャートを「なんとなく見る」だけで終わっています。
よくある例
-
「なんとなく上がりそう」で買う
-
「安い気がする」からエントリー
-
MA(移動平均線)の意味を理解せず見ている
こうした感覚トレードでは、結果が出ても再現性がありません。
改善策
-
分析手順を固定化する(例:トレンド → 出来高 → ローソク足 → RSI)
-
根拠を3つ以上書き出してからエントリー
-
「なぜ上がると思うのか」を説明できない銘柄は触らない
チャートは「感覚でなくロジック」で読む。
1日5分でも分析メモを残す習慣が上達の最短ルートです。
共通点②:損切りが遅い・できない
最も多い失敗パターンがこれです。
スイングは中期投資であるため、「少し待てば戻るかも…」という希望が出やすい。
結果、損失が膨らみ、資金が拘束されてチャンスを逃します。
よくある心の声
「一瞬だけ戻るのを待とう」
改善策
-
損切りルールを数値化する(例:−3%で必ず撤退)
-
逆指値注文を使う(感情ではなく機械に任せる)
-
損切り=失敗ではなく資金保全という考えに変える
結局のところ、「損切りが早い人」が最終的に勝ち残ります。
ルールを守ることが最大の勝ちパターンです。
共通点③:ポジションを持ちすぎる
複数銘柄を同時に保有しすぎると、どれも中途半端になります。
値動きが気になって落ち着かず、1つのチャートも正確に追えなくなるのです。
改善策
-
初心者は2〜3銘柄までに制限
-
それ以上は「ウォッチリスト」に入れるだけ
-
管理できる範囲=守れる資金
共通点④:利確が早すぎる
損切りが遅く、利確が早い——これは典型的な負けパターン。
わずかな利益で焦って売ってしまう一方、含み損は「戻るまで待つ」と我慢してしまう。
つまり、利益は小さく・損は大きくなってしまうのです。
改善策
-
利確ラインを事前に決める(例:+5%・+10%など)
-
チャートの節目(直近高値・移動平均線)で売る習慣
-
トレーリングストップを活用し、「利益を伸ばしながら守る」
利確の我慢は技術です。
勝率よりも損益比率(リスクリワード)を意識しましょう。
勝率50%でも、1勝あたりの利益が損失の2倍ならトータルで勝てます。
共通点⑤:ニュースに一喜一憂して方針がブレる
決算・地政学リスク・米国株の動き…。
こうしたニュースに反応して、ルールを無視して売買してしまうのも典型です。
改善策
-
「ファンダ」ではなく「チャート」で最終判断
-
重要ニュースだけを3分で把握(例:決算、金利、為替)
-
SNSではなく、公式IR・証券会社レポートで確認
市場は感情で動くが、あなたはデータで動く。
トレンドを優先し、ニュースは補助的に扱いましょう。
スイングトレードで勝ち組に変わるための3原則
-
常に「負け方」を先に決める
→ 負けをコントロールすれば、勝ちは自然に残る。 -
チャート分析を言語化する
→ 見て終わりではなく、「理由を説明できるか」で精度が上がる。 -
トレード日誌をつける
→ 感情・判断・結果の3点を書くだけで、ミスが減る。
まとめ:スイングトレードは冷静な戦略ゲー
スイングトレードは運ではなく、
「ルールと再現性」で勝つ戦略ゲームです。
-
チャートを見る → 根拠を立てる
-
エントリーする → 損切りを徹底
-
結果を分析 → 改善点を抽出
この勝ちの型を繰り返すだけで、誰でも安定的な結果を出せるようになります。
【コラム】「BNF」氏から学ぶ、勝てる投資家と勝てない投資家の違い
日本の個人投資家の中でも、BNF氏(通称ジェイコム男)は特別な存在として知られています。
2005年に発生したジェイコム株の誤発注事件で、わずか1日で20億円超の利益を上げたことで一躍有名となり、その後も数年間で資産200億円規模にまで増やした実績を持つ、実在の個人投資家です。
メディア出演でも語られたように、彼は独自のスタイルと冷静な判断力で市場を分析し続けてきました。
BNF氏の特徴は、感情に流されず、常にデータと確率で判断する姿勢です。
短期的な値動きや個別銘柄の癖を読み取り、需給の歪みを見つけ出して利益を積み上げる。
また、徹底したリスク管理により、「大きく勝つよりも、負けないトレード」を優先していた点も印象的です。
一方で、BNF氏の手法を単に真似しても成功できるわけではありません。
彼が成功した理由は、独自の視点を磨き、常に変化する相場に柔軟に対応したことにあります。
トレードに再現性を持たせるためには、チャートや板情報だけでなく、市場心理・ニュース・ファンダメンタルズを組み合わせて考える必要があります。
たとえば、現在では「ごろん氏」のような兼業投資家が、BNF氏のような短期売買に加えてスイングトレードやテーマ投資など、複数の戦略を組み合わせて成果を出すケースも増えています。
このように、一つの手法に固執せず、環境や地合いに合わせて戦略を調整する柔軟性こそが、勝ち続ける投資家に共通するポイントです。
逆に、勝てない投資家に多いのは「同じやり方に執着する」「感情的になる」「相場に適応できない」タイプです。
損切りを躊躇したり、情報に振り回されたりして、冷静な判断ができなくなってしまう。
市場の変化を受け入れ、自分のルールを更新できる人こそが、長く生き残る投資家といえるでしょう。
BNF氏の成功は、運でも才能でもなく「再現可能な規律」から生まれた結果。その姿勢は今も多くの個人投資家にとって、学ぶべき原点となっています。
5. スイングトレードのおすすめ銘柄選定法と情報源【テーマ・需給・セクターで勝つ】
スイングトレードで安定して利益を上げるためには、「どの銘柄を選ぶか」がすべてと言っても過言ではありません。
チャートの読み方や損切りルールを完璧にしても、選ぶ銘柄の質が悪ければ勝率は一気に落ちます。
ここでは、スイングトレードで成果を出すための銘柄選びの基本原則から、
実際に使える情報源・ニュースサイト・スクリーニング方法までを具体的に解説します。
1. スイングトレードに適した銘柄の特徴
まずは「スイング向き」と「スイングに不向き」な銘柄を明確に区別することが重要です。
スイングで狙うべきは、“値動きがありすぎず、なさすぎない銘柄”。
向いている銘柄
-
出来高が安定して10万株/日以上ある
-
チャートにトレンド(上昇 or 下降)が明確に出ている
-
ニュースやテーマ性がある(材料株)
-
時価総額300億円~3000億円程度の中型株
-
ボラティリティ(変動率)が中程度
向いていない銘柄
-
出来高が少なく値動きがカクカク(板が薄い)
-
材料がなく、動きが読みにくい横ばい株
-
仕手化しており急騰・急落が激しい銘柄
「程よく注目されている中型株」がスイングの主戦場です。
2. 銘柄スクリーニングの実践法(初心者向け)
スイングトレードの初心者がいきなり個別株を選ぶのは難しいので、
まずはスクリーニングツールを使って条件を絞り込みましょう。
おすすめ条件例(上昇トレンド狙い)
条件 | 内容 |
---|---|
出来高 | 10万株以上 |
時価総額 | 300億円〜3000億円 |
移動平均線 | 25日線 > 75日線(上昇トレンド) |
RSI | 30〜70(中立〜上昇予兆) |
信用倍率 | 3倍以下(過熱していない) |
無料で使えるスクリーニングサイト
-
楽天証券「スーパースクリーナー」
-
マネックス証券「銘柄スカウター」
-
TradingView 世界中の投資家が使う高機能チャートツール。
ブラウザ・スマホどちらでも使いやすく、スイングトレードの分析にも最適。
→ TradingViewを無料で使ってみる -
kabutan(株探)「テーマ株」「人気ランキング」
条件を保存して、毎週同じ条件でチェックすることで「旬の銘柄」が自然に見えてきます。
3. セクター分析で流れを読む
スイングでは“個別銘柄”よりもセクター(業種)全体の流れを見極める方が先です。
上昇トレンドのセクターに乗ることで、成功率が倍増します。
直近で強いセクターの例(2025年時点)
-
半導体・AI関連(NVIDIA決算・生成AI需要)
-
電池・エネルギー関連(EV化の波)
-
防衛・宇宙関連(地政学リスク)
-
観光・インバウンド関連(円安メリット)
セクター動向の調べ方
-
日経平均・TOPIX・マザーズのチャート比較
-
「株探」→ 業種別ランキング → 騰落率上位
-
決算期前後の業種ごとの強弱を把握
4. 需給・チャート・ファンダを3点で絞る
スイングトレードの銘柄選定は、「需給 × テクニカル × ファンダ」の3点チェックが理想。
視点 | チェックポイント |
---|---|
需給 | 信用買い残、出来高、空売り比率の推移 |
テクニカル | トレンド、出来高増加、節目ライン |
ファンダ | 業績トレンド、決算前後、テーマ性 |
例
-
信用倍率が下がりつつ株価が上昇 → 需給改善の上昇トレンド
-
出来高急増+高値更新 → 短期資金の流入サイン
-
決算で上方修正+移動平均上抜け → 中期上昇転換の可能性
5. スイングトレーダーが使う情報源リスト
種類 | サイト/サービス | 特徴 |
---|---|---|
市況・ニュース | 日経電子版 / Bloomberg / Reuters | 全体のトレンド把握に最適 |
銘柄情報 | 株探 / Yahoo!ファイナンス | 直近の材料や決算要約が早い |
チャート | TradingView / Investing.com | スマホでも使いやすく分析可 |
SNS・速報 | X(旧Twitter) / note | 他トレーダーの視点や情報感度 |
決算分析 | マネックス銘柄スカウター | 財務指標・成長率・PER/PBR比較がしやすい |
情報収集は「3つのタイプ」に分けて考えると整理しやすい:
-
マクロ情報(市場全体)
-
セクター情報(業種ごと)
-
ミクロ情報(個別銘柄)
6. おすすめの「スイング向きテーマ株」
テーマ | 代表銘柄 | ポイント |
---|---|---|
AI・生成AI | Preferred Networks、AI inside | 流行テーマで短期資金が入りやすい |
半導体 | 東京エレクトロン、SCREEN HD | 業績トレンドが安定しており板が厚い |
防衛関連 | 三菱重工、川崎重工 | 地政学リスクでテーマ化しやすい |
インバウンド | J.フロント、HIS | 為替と観光動向が影響しやすい |
環境・EV | ENECHANGE、ジーエルサイエンス | 政策テーマで波が作られやすい |
テーマ株は上昇の波に乗ることが目的。材料が出てから3〜10営業日を目安に撤退ラインを決めましょう。
まとめ:スイングの勝敗は「選定8割・行動2割」
-
どんな分析よりも「銘柄の選び方」が最重要。
-
トレンド・需給・テーマの3要素が揃った銘柄を狙う。
-
情報は毎日拾う必要はなく、週1で傾向を読むだけでもOK。
スイングトレードはニュースを読む力 × チャートを信じる力”。
この2つを磨けば、再現性のある利益が積み上がります。
6. スイングトレードで使えるテクニカル指標と活用法【初心者でも流れが読める分析術】
スイングトレードでは「数日の波を読む」力が求められます。
感覚や勘ではなく、チャート(テクニカル指標)を根拠にした判断をすることで、
リスクを抑えながら再現性のある利益を積み重ねることができます。
ここでは、スイングトレードで特に役立つ5つの主要テクニカル指標を厳選し、
実際の売買判断にどう使えばよいかを具体的に解説します。
1. 移動平均線(MA) ― トレンドの流れを読む基本ツール
移動平均線は、スイングトレードの基礎中の基礎。
一定期間の株価の平均を線で結び、上昇 or 下降トレンドを視覚的に把握できます。
見るべき期間
-
短期線(5日・10日) … デイトレ・短期スイング向け
-
中期線(25日) … 基本的なトレンド確認用
-
長期線(75日) … 中長期の方向感確認用
売買の基本ルール
-
ゴールデンクロス(短期線が長期線を上抜け) → 買いサイン
-
デッドクロス(短期線が長期線を下抜け) → 売りサイン
コツ
-
「25日線が右肩上がりで、株価が上で推移している」なら上昇トレンド。
-
移動平均線の傾きが変わり始めたら、トレンド転換の兆し。
2. RSI(相対力指数) ― 買われすぎ・売られすぎを数値で判断
RSIは相場の勢いを測るオシレーター系指標。
一定期間にどれだけ買いが強かったか(上昇が多かったか)を0〜100で示します。
基本ルール
-
70以上 … 買われすぎ(反落に注意)
-
30以下 … 売られすぎ(反発に注意)
使い方のコツ
-
RSI30付近で上向きに反転したら押し目買いのチャンス。
-
RSIが70超でも株価が上がり続けている場合、強トレンドと判断できる。
3. MACD(マックディー) ― トレンド転換のタイミングを掴む
MACDは、短期平均と長期平均の差を使ってトレンドの変化点を見抜く指標です。
視覚的にもわかりやすく、初心者でも使いやすい。
基本構成
-
MACDライン(短期と長期の差)
-
シグナルライン(MACDの移動平均)
売買サイン
-
MACDがシグナルを上抜け → 買いサイン
-
MACDがシグナルを下抜け → 売りサイン
コツ
-
移動平均線よりも早くトレンド転換を察知できるのが魅力。
-
横ばい相場ではダマシが多いので、トレンドが出ている局面で使用が理想。
4. ボリンジャーバンド ― 株価の「限界ライン」を読む
ボリンジャーバンドは、株価が「どこまで行き過ぎているか」を判断する指標。
移動平均線を中心に±1σ、±2σ、±3σといった幅を表示します。
基本の見方
-
株価が +2σ以上 → 上昇行きすぎ、反落の可能性
-
株価が −2σ以下 → 下落行きすぎ、反発の可能性
-
バンドが広がる → トレンド発生
-
バンドが収束 → トレンド転換前の静けさ
使い方のコツ
-
株価がバンドの外に飛び出したあとに戻る瞬間を狙うと短期反発を取れる。
-
上昇局面では「バンドウォーク」(+1σ〜+2σ沿い)に注目。
5. 出来高・信用残 ― 需給の偏りを読むリアルデータ
テクニカル指標だけでなく、出来高・信用残もスイングには欠かせません。
これらは“市場の熱”を数値で表すリアルなデータです。
出来高の見方
-
株価上昇+出来高増加 → 上昇トレンドの勢い強化
-
株価上昇+出来高減少 → 一時的上昇(勢いに欠ける)
信用残の見方
-
信用買い残が急増 → 短期過熱(反落注意)
-
信用倍率が低下 → 売りが増えており踏み上げ相場の可能性
「テクニカル × 需給」を組み合わせると、騙しを見抜けるようになります。
信用残・信用取引を本で学ぶおすすめ8選【仕組み・心理・需給まで体系的に理解】
6. 複数指標を組み合わせた勝率アップ型チェック
1つの指標だけを信じると、ダマシや誤判断につながります。
以下のような“組み合わせチェック”が理想です。
状況 | 指標組み合わせ | シグナル |
---|---|---|
上昇トレンド初期 | 移動平均線↑ + MACD上抜け + 出来高増 | 買いエントリー |
トレンド終盤 | RSI70超 + ボリンジャー+2σ突破 | 利確検討 |
反発狙い | RSI30付近 + ボリンジャー−2σ反発 | 押し目買い |
7. 初心者が避けたいテクニカル分析の落とし穴
-
指標を多く使いすぎる(迷いの元)
-
サインを後追いで判断する(出遅れ)
-
根拠が曖昧なまま「感覚で」売買する
-
ファンダメンタル(決算・ニュース)を無視
「根拠が3つ揃ったときにだけ動く」というルールを持つのがおすすめ。
まとめ:テクニカルはトレンドに逆らわないための羅針盤
スイングトレードは、「波の方向を間違えない」ことが最優先です。
移動平均線・RSI・MACD・ボリンジャーバンドの4本柱を軸に、出来高や信用残で需給を補完することで、判断の精度が劇的に上がります。
-
トレンドを読む → 移動平均線
-
タイミングを測る → RSI・MACD
-
行きすぎを測る → ボリンジャーバンド
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勢いを確認 → 出来高
このセットをスイング用の分析ルーチンとして定着させましょう。
7. スイングトレードにおすすめの証券会社と取引ツール活用法【使いやすさ×コスパで選ぶ】
スイングトレードでは、1つ1つの取引が中期的な利益につながります。
だからこそ「取引コスト」「ツール性能」「情報スピード」が重要。
ここでは、スイングトレードに最適な証券会社の選び方と、使えるツール・アプリを具体的に解説します。
1. スイングトレードに必要な証券会社の条件
デイトレードほど頻繁に取引しないものの、分析精度とスピード感は同じくらい重要です。
スイング向けの口座を選ぶときは、以下の3つの観点をチェックしましょう。
- 手数料
スイングトレードでは1日に何度も売買しないものの、数日~数週間の取引を繰り返すため、1約定あたりのコストが安い or 定額プランがある証券会社を選ぶのが理想です。
取引回数が少なくても、積み重ねるとコスト差が大きくなります。
- ツール性能
チャート分析、板情報、アラート機能などが充実していると、売買タイミングを逃さず、効率的に判断できるようになります。
とくにスイングでは日中に張り付けない人も多いため、「夜間に分析 → 翌朝に注文」といった使い方に対応したツールが便利です。
- 情報配信
ニュース、決算速報、ランキング機能が充実している証券会社を選ぶと、材料の把握が早くなり、チャンスを逃しにくくなります。
たとえば、決算発表やテーマ株の動きを早く知ることで、次の波に乗るスイング戦略が立てやすくなります。
主要ネット証券を徹底比較!
実際にスイングを始める方はこちらの記事で証券会社を比較しておきましょう。
▶ スイングトレードに強い証券会社ランキングはこちら
7. まとめ:スイングトレードは「待つ力」と「再現性」で勝つ
スイングトレードは、一見すると短期売買に見えますが、
本質は「分析に基づいた中期戦略」です。
相場の波を読む洞察力と、感情を制御する冷静さが求められます。
短期トレードと違い、スイングでは「エントリーの根拠」と「撤退ルール」を事前に設計することで、
一時的なノイズに惑わされず、戦略的に利益を積み上げることが可能になります。
スイングトレード成功の3原則
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感情よりもルールを優先する
損切り・利確を明確に数値化し、感情で動かない。
機械的に判断できるほど勝率は安定します。 -
根拠3つを持ってエントリーする
チャート(テクニカル)・需給(出来高や信用残)・ニュース(材料)の3点が揃ったときだけ動く。
この「条件を絞る姿勢」が再現性の源になります。 -
トレード日誌で自分の傾向を見抜く
勝ち負けではなく「なぜそうなったか」を記録する。
失敗の要因を可視化すれば、次は避けられる。
スイングトレードは時間と感情のマネジメント
スイングの最大の魅力は、「時間効率」と「精神的安定」の両立。
デイトレのように一日中張り付かず、長期投資ほど退屈でもない。
ほどよく狙い、ほどよく休む投資スタイルです。
このバランス感覚を磨くことが、長く市場で生き残る鍵。
焦らず、ルールを磨き、淡々と続けることが最強の武器になります。
最後に:スイングトレードを学ぶということ
スイングトレードの本質は「相場を読む」ことではなく、「自分を理解し、コントロールする技術」を磨くことです。
どんなに優れた手法も、感情に飲まれれば崩れます。
逆に、明確なルールと冷静な判断を積み重ねれば、誰でも相場の波を味方にできます。
独学も大切ですが、体系的に基礎から学べる環境を活用するのも有効です。
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