サインポスト株式会社は、金融機関向けのITコンサルティングを主軸に、イノベーション事業や地方共創・DX事業を展開するテクノロジー企業です。
2025年2月期は修正予想を上回る大幅増益で着地し、2026年2月期も2ケタ増収増益を見込むなど、安定的な成長軌道を維持しています。
人的資本強化やAI・DX対応を柱に、今後の成長加速が期待されます。
2025年06月02日に掲載されたサインポスト<3996>の企業分析
元レポートは下記の通りです。
サインポスト<3996>レポートPDF
出典元:FISCO
サインポスト(3996)企業レポート
主力は金融向けITコンサル、先行投資で育成する「イノベーション」「地方共創・DX」― 2025/2期は大幅増益、26/2期も2ケタ増収計画
サマリー
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2025/2期実績:売上高30.23億円(前期比+3.2%)、営業利益2.00億円(+96.6%)と大幅増益。主力のコンサルティング事業がけん引、外注費減も寄与。
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2026/2期計画:売上高34.00億円(+12.5%)、営業利益2.20億円(+10.0%)。人材投資とAI/DX対応の加速を前提に増収増益を見込む。
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事業ポートフォリオ:
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安定収益のコンサルティング(金融機関中心)
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先行投資フェーズのイノベーション(セルフレジ/無人決済など)
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地方共創・DX(地域金融機関連携のDX支援)
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財務:総資産28.97億円、自己資本比率62.2%。財務健全性は維持。
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株主還元/サステナ:早期の復配を志向。人的資本強化とサステナ経営を両軸で推進。
企業概要
サインポストは、金融機関を中心としたITコンサルティングを主軸に、イノベーション(小売向けセルフレジ/無人決済など)、地方共創・DX(地域金融機関連携による事業支援)を展開するテクノロジー企業。
創業理念「孫の代まで豊かな社会を創る一翼を担う」のもと、顧客のIT部門の一員として実践的に課題解決に取り組み、オープンイノベーションで社会課題解決にも資するモデルを志向する。
コア・コンピタンス(3本柱)
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ホスピタリティ:顧客の現場に寄り添う実装力
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イノベーション:他社連携を含む開発推進力
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AI/DX:画像認識等の要素技術とDX推進力
事業セグメントと強み
1)コンサルティング事業(安定収益の中核)
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金融機関の勘定系(入出金・決済等)に強み。基幹システム構築/更改、ITプロジェクト推進、公共のデジタル化支援までワンストップで提供。
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取引は地域銀行中心だが、証券・保険・投信会社などへ広がり、慎重かつ定期性の高い投資が需要のベース。参入障壁が高い領域で案件の安定供給が見込める。
2)イノベーション事業(先行投資で育成)
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画像認識AI「SPAI」等の技術を活用し、小売の省人化/無人化を実現。
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「ワンダーレジ」シリーズ
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書籍一括認識の「BOOK-ワンダーレジ」(老舗書店や大型書店で運用)
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低価格帯の「EZレジ」(月額9,800円〜、中小店舗向け)
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EC支援ソリューションを新開発(出店〜発送まで一貫化、作業時間の大幅短縮を確認)。サブスク型の提供を想定。
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JR東日本系との合弁TTG経由で、完全スルーの無人決済店舗(SENSEシリーズ等)を展開。コンビニ/小型スーパー/駅ナカなどで200箇所超(25年4月時点)の導入実績。
3)地方共創・DX(地域金融連携の横展開)
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2022年に部門設置。中小企業のDX伴走支援を開始し、第四北越銀行とビジネスマッチング契約。
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DX宣言策定支援など、地域の課題解決に資するサービスをラインアップ。地域企業や自治体との協働で裾野を拡大。
業績ハイライト
2025/2期(実績)
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売上高:30.23億円(+3.2%)
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コンサルティング:29.13億円(+3.3%)
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イノベーション:0.53億円(▲32.1%)
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地方共創・DX:0.56億円(+86.1%)
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営業利益:2.00億円(+96.6%)/経常利益:1.97億円(+108.5%)
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当期純利益:2.57億円(+99.7%) ※法人税等調整額+0.62億円が寄与
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セグメント営業利益
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コンサルティング:6.29億円
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イノベーション:▲1.49億円
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地方共創・DX:▲0.13億円
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全社費用等:▲2.66億円
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KPI面:コンサル稼働率は高水準、外注費の減少で利益率が改善。先行投資を続けつつも連結での利益成長に成功。
財務・キャッシュフロー(2025/2期末)
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総資産:28.97億円(+2.96億円)/自己資本比率:62.2%
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有利子負債:5.12億円(+0.51億円)
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営業CF:+3.16億円/投資CF:▲0.16億円/財務CF:+0.27億円
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現金等:17.08億円
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2025年3月、りそな銀行を総額引受人とする第6回SDGs私募債を起債。人的資本・新事業への投資原資としつつ、財務健全性を維持。
2026/2期 見通し(会社計画)
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売上高:34.00億円(+12.5%)
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コンサルティング:32.00億円(+9.8%)
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イノベーション:1.00億円(+88.4%)
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地方共創・DX:1.00億円(+76.8%)
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売上総利益:10.70億円(+14.5%)/販管費:8.50億円(+15.8%)
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営業利益:2.20億円(+10.0%)/経常利益:2.12億円(+7.2%)
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当期純利益:2.49億円(▲3.0%)※**税効果(+0.40億円)**見込みの反動含む
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前提:人材採用・育成の強化、AI/DXソリューションの拡充、一般事業会社向け支援の本格展開。
成長戦略(2026〜2027年テーマ:「安心と挑戦、そして飛躍へ」)
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人的資本強化:即戦力採用の拡大、時代に適合した人事施策、社員の声を活かす組織風土づくり
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AI時代への対応:画像認識等の要素技術を事業化、EC業務効率化など新ソリューションを横展開
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事業領域拡大:金融に加え、一般事業会社/自治体へ拡大。大規模システム構想やAI・DX連携、アライアンスで機会創出
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地方共創の深化:地域金融機関との連携で中小企業DXの裾野を拡張、地域課題の解決に資するラインアップを強化
株主還元・サステナビリティ
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株主還元:現状無配だが、財政状態・業績等を総合判断し早期の復配を目指す基本方針。
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サステナ経営:サステナ方針を策定し、人的資本の強化(エンゲージメント、多様な働き方、女性活躍、採用強化)とイノベーションの促進を両輪に推進。
注目ポイント(投資家視点の整理)
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収益基盤の安定性:参入障壁が高い金融勘定系コンサルの蓄積と、高稼働率・外注費抑制の効率性。
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成長ドライバーの複線化:セルフレジ/無人決済、EC効率化、地方共創DXなど新領域の拡大余地。
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財務規律:自己資本比率62%超、投資と健全性のバランス。
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実行テーマの明確さ:人材×AI/DX×地域連携で、中期的な成長加速の布陣が整いつつある。
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