7. 鉄鋼・非鉄セクター

鉄鋼・非鉄金属セクターは、日本の製造業・インフラ産業を支える根幹的な素材産業です。
日本製鉄、JFE、神戸製鋼、住友金属鉱山、三菱マテリアルなどの大手企業を中心に、鉄鋼・アルミ・銅・レアメタルといった広範な分野で構成されています。

世界的なインフラ投資、再エネシフト、EV(電気自動車)普及の加速を背景に、素材需要は再び拡大傾向。
一方で、資源価格・エネルギーコスト・為替動向・中国経済といった外部要因の影響を強く受け、業績のボラティリティも大きいのが特徴です。

近年は、脱炭素・水素製鉄・リサイクル金属・EV向け素材など、構造転換の波が進行。
環境対応と供給安定を両立できる企業ほど、中長期的な評価が高まる傾向にあります。

7. 鉄鋼・非鉄金属セクターまとめ

最終更新:2025-10-15

いまの概況

鉄鋼は、世界的なインフラ再構築と自動車生産回復の動きから需給がタイト化。
国内では建設・造船・機械向け需要が底堅く、円安も追い風に収益回復基調にあります。

一方、非鉄金属では、銅・ニッケル・リチウムなどEV・再エネ関連素材の需要が拡大。
ただし、中国の不動産市場の減速や資源国の供給制約が依然としてリスク要因となっています。

中長期的には「グリーンスチール(低炭素鉄鋼)」や「金属リサイクル」の進展が新たな収益ドライバーとして注目されています。


 注目テーマ

  • 脱炭素・水素製鉄技術の進化
    二酸化炭素排出削減を目的に、製鉄プロセスの電化・水素利用が進展。

  • EV・再エネ向け金属需要の増加
    銅・アルミ・リチウムなど、次世代エネルギー関連素材が成長分野に。

  • 資源価格の変動とヘッジ戦略
    鉱山権益や長期契約による原材料コストの安定化が重要に。

  • サプライチェーン再構築
    資源の地政学リスクに対応した多国籍調達体制の整備。

  • 鉄スクラップ・リサイクル事業の拡大
    ESG投資の観点からリサイクル比率向上が企業価値に直結。


 KPI(重要指標)

  • 粗鋼生産量/販売数量

  • 鉄鋼価格指数(HRC・鉄鉱石・原料炭など)

  • 為替(ドル円・人民元)影響度

  • LME(ロンドン金属取引所)非鉄金属価格(銅・ニッケル・アルミなど)

  • CO₂排出削減率・電炉比率

  • ROE/営業利益率


 個別企業レポート

 

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 基礎知識(初心者向け)

  • 鉄鋼価格の構造:鉄鉱石・原料炭などの原料価格と需給バランスで決定。市況変動が激しい。

  • 非鉄金属とは?:鉄以外の金属(銅・アルミ・ニッケルなど)。電動化・再エネ需要で注目。

  • LME(ロンドン金属取引所):非鉄金属の世界的価格指標。国際需給を反映。

  • 電炉と高炉:電炉はCO₂排出が少なく、環境対応の切り札として注目される。

この記事は「日本株17セクター総合ガイド」の一部です。
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