総合物流大手のSBSホールディングス〈2384〉は、2025年上期に増収を確保しつつも、
不動産整理による一時的な減益を計上しました。
それでも主力の3PL・EC・国際物流が堅調に伸び、
通期では過去最高の売上高を見込むなど、事業基盤の強さを証明。
安定配当と積極投資を両立しながら、物流業界の構造変化に対応する成長戦略が注目されています。
2025年10月21日に掲載されたSBSホールディングス<2384>の企業分析
元レポートは下記の通りです。
SBSホールディングス<2384>レポートPDF
出典元:FISCO
SBSホールディングス(2384)|物流を軸に成長加速へ。3PL・EC・国際物流が収益拡大をけん引
会社概要
SBSホールディングス株式会社(以下、同社)は、1987年に設立された総合物流企業で、首都圏を中心に「即日配達」サービスを提供する独自のシステムを強みとしてきました。
現在は、3PL(サードパーティ・ロジスティクス)を軸に、物流事業・プロパティマネジメント事業・その他事業の3セグメントで事業を展開しています。
その中でも、物流事業が売上全体の90%以上を占める中核事業としてグループの成長を支えています。
業績動向(2025年上半期)
2025年1月~6月期の連結業績は、
となりました。
売上は市場予想を上回る好調な伸びを示したものの、営業利益は一時的なコスト増やプロパティマネジメント事業の縮小影響により減益となりました。
主力の物流事業では、物流拠点の最適化と新規顧客の獲得が寄与し、前年同期比7.9%の増収を達成。
一方で、不動産関連の売却案件が一巡したことから、プロパティマネジメント事業は大幅減収(▲80.4%)となりました。
通期業績予想(2025年度)
2025年度通期では、
-
売上高:4,850億円(前年同期比+0.2%)
-
営業利益:205億円(同▲9.3%)
-
経常利益:410億円(同▲12.0%)
を見込んでいます。
物流業界における人手不足やコスト高の影響を受けながらも、3PL・EC・国際物流の3分野での拡大戦略により、増収基調を維持。
特に、EC物流はオンライン小売需要の拡大を背景に堅調で、グループ全体の収益成長に貢献する見通しです。
セグメント別動向
■ 物流事業
売上高は1兆126億円(前年同期比+7.9%)。
ECやメーカー物流の需要増を取り込み、効率的な倉庫運営や拠点再編により収益構造を強化しています。
また、AIを活用した物流最適化やラストワンマイル対応の強化など、技術投資にも注力しています。
■ プロパティマネジメント事業
前年同期比で▲80.4%の減収。
大型不動産案件の売却一巡による反動減が主因ですが、今後は不動産再構築および資産流動化の進展により、下期以降の利益改善が期待されます。
■ その他事業
太陽光発電や人材派遣事業が堅調に推移し、増収増益を達成。
売上高は前年同期比+8.2%、営業利益は+45.8%と好調で、安定的なキャッシュ創出源となっています。
成長戦略
SBSホールディングスは3つの成長領域 、
①3PLの深化
②国際物流の拡大
③EC物流の強化
を中核に据えた経営戦略を推進しています。
非採算拠点の整理やオペレーション効率化を進めつつ、M&Aによるグループ拡大も積極的に実施。
さらに、2026年以降はAIやIoTを活用したデジタルロジスティクス領域への投資を拡大し、業界内での差別化を図る方針です。
株主還元・財務方針
同社は配当性向30%以上を基本方針とし、安定的な増配を継続しています。
2025年度も前期に続き増配を予定しており、株主還元姿勢の強化がうかがえます。
また、財務基盤の健全化とROE改善を重視し、M&Aや設備投資とのバランスを取った資本政策を進めています。
今後の展望
物流事業を中心に堅実な成長を続ける一方で、プロパティマネジメント事業の再構築が収益回復の鍵となります。
加えて、国際物流とEC物流の拡大により、SBSグループ全体の利益体質は中長期的に改善が進む見通しです。
安定配当と積極投資を両立する戦略を掲げる同社は、今後も国内外の物流ネットワーク強化を通じて、業界内での存在感を一層高めていくでしょう。
まとめ
-
物流事業が堅調に推移し、売上高は増収を維持
-
プロパティマネジメント事業の一時的減益が利益を圧迫
-
通期では売上高4,850億円・営業利益205億円を見込む
-
3PL・EC・国際物流を中核とした成長戦略を推進
-
配当性向30%以上を維持し、安定した株主還元を継続
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2025年05月01日に掲載されたSBSホールディングス<2384>の企業分析
元レポートは下記の通りです。
SBSホールディングス<2384>レポートPDF
出典元:FISCO
SBS ホールディングス株式レポート
概要
SBSホールディングス株式会社は、物流ビジネスの収益再構築や成長軌道への回帰を通じて収益性の回復を予測しています。
同社は、大手の第3PL企業として、積極的なM&Aや物流施設の開発を通じて着実に成長してきました。主なポイントは以下の通りです:
– FY12/25における収益達成見通しの記録的な高い純売上高
– FY12/30において¥700.0bn以上の純売上高と物流事業の営業利益率が4.5%以上を目標としている
– 利益率の向上と資本構造の最適化により企業価値の拡大を目指す
FY12/24の業績概要
FY12/24の連結業績では、純売上高が前年比3.8%増の¥448,145mnに増加しました。しかし、営業利益は10.2%減の¥17,704mnとなりました。
売上高の増加は物流料金の最適化や新規顧客の獲得によるものであり、利益の減少は新規物流施設の立ち上げコストや出荷量の低下に起因しています。
FY12/25の予測
FY12/25の連結業績では、純売上高が前年比8.2%増の¥485,000mn、営業利益が15.8%増の¥20,500mnを予測しています。
同社は3PL、国際物流、EC物流の成長戦略を推進することで、記録的な高い純売上高を達成することを目指しています。また、不採算な物流施設の利益向上や物流料金の最適化も計画されています。
会社概要
沿革
SBS Holdings, Inc.は1987年に鎌田正彦によって、即日配送輸送サービスを提供する会社として設立されました。
戦略的なM&A活動を通じて、同社は事業を拡大し、主要な物流企業を子会社化してきました。
事業内容
同社は主に3つのセグメントを運営しています: 物流事業、不動産管理事業、その他の事業。
物流事業は純売上高の90%以上を占め、統合物流サービスに焦点を当てています。不動産管理事業は物流施設の開発と貸し出しに関わっています。
業績トレンド
FY12/24では、純売上高は増加しましたが、利益は減少しました。
利益の減少は新規物流拠点の立ち上げ損失や出荷量の低下によるものです。
同社はこれらの課題を克服し、今後の財政年度において成長を達成することを目指しています。
このレポートはSBSホールディングス株式会社の業績、予測、成長戦略、および株主還元ポリシーについて包括的な概要を提供しています。
投資家は同社の独自の事業モデルや戦略的取り組みを考慮し、将来の成長に向けた可能性を検討することが推奨されます。
まとめ
SBSホールディングスは、物流・不動産・その他事業を展開する総合物流グループ。
主力の物流事業は売上の約9割を占め、3PL、国際物流、EC物流を軸に拡大中。
2024年12月期は純売上高4,481億円(前年比+3.8%)と増収となったが、営業利益17.7億円(同▲10.2%)と減益で着地。
新規物流拠点の立ち上げコストや出荷量の減少が響いた。
2025年12月期は売上4,850億円(+8.2%)・営業利益20.5億円(+15.8%)を予想。
物流料金の最適化、不採算施設の改善、EC物流や国際物流の強化によって増収増益を見込む。
同社は、持続的成長に向けて「収益性重視」「財務健全性の確保」「M&Aを含む戦略的投資」をバランスさせながら、業界トップクラスの統合物流サービスを推進している。
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2025年03月31日に掲載されたSBSホールディングス<2384>の企業分析
元レポートは下記の通りです。
SBSホールディングス<2384>レポートPDF
出典元:FISCO
SBSホールディングス株式会社の業績と将来展望を探る
背景と業績動向
SBSホールディングスの成長軌道への復帰
SBSホールディングスは、独自のビジネスモデルにより成長を続けており、2024年12月期には増収減益という結果を残した。
特に物流事業や不動産事業は増収増益を達成していたが、新規物流拠点の立ち上げロスや物量減などが影響し、全体の業績に影響を及ぼした。
2025年の業績見通し
2025年12月期の業績見通しでは、売上高8.2%増の485,000百万円、営業利益15.8%増の20,500百万円を見込んでいる。
特に物流事業は売上高8.4%増の455,600百万円、営業利益28.0%増の11,800百万円を計画しており、成長が期待されている。
財務状況と経営指標
財務体質の改善
2024年12月期末の財務状況では、資産合計317,287百万円、負債合計204,338百万円、純資産合計112,948百万円となっている。
自己資本比率は27.8%に上昇し、ネットD/Eレシオは0.85倍に低下して財務体質の改善が続いている。
2025年3月31日の株式レポート
事業見通しと成長戦略
SBSホールディングスは、開発事業の売上高が増加する見込みであり、成長戦略の一環として3PL事業の売上高が上昇し、新たな物流施設の開発計画も進行中である。
また、国際物流、EC物流事業も成長が期待されており、事業領域の拡大が進んでいる。
収益構造改革と企業価値拡大
SBSは営業利益率の引き上げや企業価値の拡大を目指しており、空き坪数の削減や人員構成の最適化、料金適正化などの改善施策に取り組んでいる。
さらに、キャピタル・アロケーションにおいて戦略的な成長基盤への投資や株主還元の拡大を行う方針を示しており、成長戦略と財務戦略を両立させている。
SBSホールディングスは、収益構造改革や成長戦略の推進により、将来の成長を見据えている企業と言える。
2025年の業績見通しや中期経営計画の進捗状況からも、持続可能な成長への取り組みが伺え、投資家にとっても注目すべき企業であると言えるだろう。
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