アール・エス・シー<4664>周年反動の谷を越え、AI警備が描く中期成長シナリオ

アール・エス・シー(4664)は、警備・清掃・設備管理・人材サービスを柱とする総合ビルメンテナンス企業です。
1986年の派遣事業参入を皮切りに事業領域を拡大し、現在ではAI警備やDX導入を通じて新たな価値創造を進めています。
2025年3月期は期初計画を上回る増収増益を達成し、AIを活用した警備DXの推進が収益成長を支える形となりました。
2026年3月期も安定的な利益を維持しつつ、M&Aや技術投資による中長期的な事業基盤の強化を目指しています。

目次

2025年12月16日に掲載されたアール・エス・シー<4664>の企業分析

元レポートは下記の通りです。
アール・エス・シー<4664>レポートPDF
出典元:FISCO

アール・エス・シー〈4664〉警備DXは実装フェーズへ、SBR提携の実効性を読む

1. 企業概要と事業内容

アール・エス・シーは、総合ビルメンテナンス事業を中核とする企業で、警備、清掃、設備管理、受付、人材サービスなどを一体的に提供しています。
2021年に創業50周年を迎え、日本を代表する大型ビルや複合施設の管理実績を有しています。

同社の強みは、警備を軸に複数の業務を組み合わせた総合提案力にあり、建物総合管理サービスが売上高の約9割を占めています。
近年は人手不足を背景に、業界全体で課題となっているDX(デジタルトランスフォーメーション)への対応を重要テーマとして掲げています。


2. 2026年3月期中間期の業績動向

2026年3月期中間期の連結業績は以下の通りです。

  • 売上高:3,744百万円(前年同期比▲26.3%)

  • 営業利益:71百万円(同▲70.8%)

大幅な減収減益となりましたが、主因は前期に発生した大型周年イベント関連の臨時契約の反動によるものです。
一方で、警備・清掃などの年間契約ベースのコア事業は前年同期を上回って推移しており、基礎収益力が大きく低下したわけではありません。

また、人的資本投資の強化や物価上昇に伴うコスト増も、利益を圧迫する要因となりました。


3. 2026年3月期通期業績見通し

2026年3月期通期の業績予想は以下の通りです。

  • 売上高:8,300百万円(前期比▲6.2%)

  • 営業利益:300百万円(同▲0.3%)

周年イベントの反動による減収は続くものの、警備・清掃部門の新規受託案件が通年で寄与することで、営業利益は前期並みを確保する計画です。

加えて、労務費上昇に対する適正な価格転嫁の進展により、営業利益率の改善も見込まれています。


4. ソフトバンクロボティクスとの戦略的提携

同社は2025年11月、ソフトバンクロボティクス(SBR)との資本業務提携を発表しました。
SBRはアール・エス・シー株式180,000株(持株比率5.89%)を取得し、第3位株主となっています。

この提携の目的は、AI・ロボット技術を活用した次世代警備ソリューションの共同推進です。

主な提携内容
  • AI警備システム「SBX AI警備」の導入

  • 清掃ロボット「Whiz」の活用による業務効率化

  • 共同出資会社によるAI遠隔警備サービスの展開

  • 実証実験を通じた次世代警備モデルの構築

人手不足が深刻化する警備業界において、「人 × AI × ロボット」を組み合わせた実用的なDXモデルを構築できるかが注目点となります。


5. 資金使途とDX戦略の実行性

今回調達した資金(約117百万円)は、SBRが提供するAI警備ソリューションや清掃ロボットの導入に充当される予定です。
これにより、以下の効果が期待されています。

  • 警備・清掃業務の省人化

  • サービス品質の均一化・高度化

  • 現場負担の軽減と人材定着率の向上

単なる実証段階にとどまらず、既に受注済みの大型複合施設での実運用が進んでいる点は、同社DX戦略の実行力を示す材料といえます。


6. その他のトピックス

  • 大型複合施設の警備受注
    「豊洲セイルパークビル」「ミタマチテラス」などの警備を受注し、AI搭載セキュリティロボット「cocobo」の導入が進行中です。

  • 新会社「RSCセキュリティ」の設立
    2号警備(交通誘導・雑踏警備)に特化した子会社を設立し、イベント・インフラ需要の取り込みを図っています。

  • 次期中期経営計画の公表予定
    2026年3月期内に、新たな中期経営計画を発表予定で、次世代警備サービスの本格展開が示される見通しです。


7. 株主還元策

2026年3月期の年間配当は、1株当たり24円(前期同額)を予定しています。
配当性向30%以上を目標とし、業績の安定を重視した株主還元方針を継続しています。


8. まとめ(投資視点)

アール・エス・シーは、短期的には周年イベント反動による業績の谷を迎えていますが、年間契約を中心とした安定収益基盤は維持されています。
加えて、SBRとの提携を通じて、警備業界の構造課題である人手不足に対する実効性のあるDX戦略を打ち出した点は中長期的に評価できるポイントです。

次期中期経営計画において、AI警備がどの程度収益化フェーズに入るかが、同社の成長性を見極める上での重要な判断材料となりそうです。

筆者コメント

アール・エス・シーは、数字だけを見ると「減速局面」に映りますが、実態は一時的な周年イベント反動によるものです。
むしろ注目すべきは、警備・清掃を中心とした年間契約が着実に積み上がっている点と、ソフトバンクロボティクスとの提携を通じて、警備DXを実証ではなく実装フェーズに進めている点でしょう。

人手不足という構造課題に対し、AI・ロボットを前提とした事業モデルを描けるかどうかは、今後の中期成長を左右します。
次期中期経営計画で、DXがどの程度収益に結びつくのかを見極めたい局面です。

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2025年07月02日に掲載されたアール・エス・シー<4664>のレポート要約

元レポートは下記の通りです。
アール・エス・シー<4664>レポートPDF
出典元:FISCO

アール・エス・シー(4664)のビジネス展開と業績動向

アール・エス・シーの事業展開と歴史

アール・エス・シーは総合ビルメンテナンス企業であり、警備保障、清掃、設備管理、人材サービスなど幅広いサービスを提供しています。
1986年に派遣事業に参入し、総合提案力を築いてきました。名古屋営業所を皮切りに地方への進出を果たし、東京証券取引所に上場するなど、事業拡大を続けています。

アール・エス・シーの業績動向

2025年3月期は期初計画を上回る増収増益を達成し、売上高8,845百万円、営業利益301百万円となりました。
売上高は安定して推移し、収益性の強化に取り組んできたことで利益成長を達成しています。
2026年3月期の業績見通しでは、売上高8,300百万円、営業利益300百万円となり、前期比減収も営業利益は前期並みを確保する見通しです。

アール・エス・シーの主な活動実績

アール・エス・シーは警備DXの導入に積極的に取り組んでいます。AI警備システムの導入に成功し、サンシャインシティプリンスホテルやHazeraTowerでの実証実験を進めています。
AIを活用した警備システムにより、業務効率や差別化を図っています。

アール・エス・シーの今後の展望

アール・エス・シーは中期経営計画において収益力、技術力、職場環境、経営基盤の強化を基本戦略とし、M&AやAI警備システムの導入を通じて持続的な利益成長を目指しています。
2026年3月期では、新たな顧客の獲得や警備DXの導入を重点取り組みとして掲げており、安定的な経営成績と利益配分を重視しています。

アール・エス・シーは豊富な歴史と幅広いサービス提供により、安定した業績を維持しながら、新たな技術やサービスの導入により成長を続けている企業として注目されています。
これからもその成長に期待が寄せられています。


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2024年12月10日に掲載されたアール・エス・シー<4664>のレポート要約

元レポートは下記の通りです。
アール・エス・シー<4664>レポートPDF
出典元:FISCO

アール・エス・シー(4664 東証スタンダード市場)の魅力と将来展望に迫る

会社概要

アール・エス・シーは総合ビルメンテナンス企業であり、人材サービスも展開している。主力の警備保障に加え、清掃、設備・受付、人材サービスなどを提供している。業績は着実に成長し、DX化に向けた取り組みを積極的に進めている。

業績概要と業績見通し

2025年3月期上期では、売上高が前年同期比20.6%増の5,082百万円、営業利益が同11.4%増の244百万円となり、予想を上回る増収増益を達成した。2025年3月期の連結業績予想も上方修正され、売上高は前年比10.1%増の8,914百万円、営業利益は同0.7%減の282百万円となっている。特に大型イベント業務や新規受注による売上高の増加が目立つ。

成長戦略

アール・エス・シーは中期経営計画において、収益力の向上、技術力の強化、職場環境の改善、経営基盤の強化を基本戦略とし、持続的な利益成長を目指している。2026年3月期には売上高を7,500百万円、営業利益を300百万円、ROE10%を目標として掲げている。また、AI警備システムの本格運用やM&Aによる基盤強化に注力しており、需要拡大に対応していく方針を示している。

株主還元策

アール・エス・シーは株主還元策にも積極的であり、年間配当予想を2度目の上方修正し、1株当たり24円(中間7円、期末17円)を予定している。配当性向を維持しながら、株主に対する利益配分を重要視しており、追加的な増配の可能性も示唆されている。

まとめ

アール・エス・シーは業績の安定した成長と将来展望の明るさが魅力的な企業である。中期経営計画に基づく成長戦略や株主還元策の強化により、持続的な利益成長を目指している姿勢が評価される。今後も引き続き注目すべき企業と言えるだろう。


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2024年09月19日に掲載されたアール・エス・シー<4664>のレポート要約

元レポートは下記の通りです。
https://www.fisco.co.jp/wordpress/wp-content/uploads/FISCO/trsc_k20240919.pdf
出典元:FISCO

アール・エス・シー(4664)の2025年3月期の年間配当予想が大幅増額

アール・エス・シー(4664)は2024年9月17日に2025年3月期の年間配当予想を大幅に増額修正したことを発表しました。
中間配当を5.0円から7.0円、期末配当を10.0円から15.0円に引き上げ、年間配当予想を15円から22円に拡大しました。
これは、2025年3月期第1四半期決算が順調に推移し、顧客の大型イベントプロモーション運営業務が好調だったためです。
また、新規受託案件も計画通りに進んでおり、配当利回りは4.4%に達しています。

アール・エス・シーの事業展開と強み

アール・エス・シーは、日本を代表するビルの管理業務(警備保障、清掃、設備工事、インフォメーション)や人材サービス(人材派遣、イベント運営)を手掛けており、「サンシャインシティモデル」に代表されるワンストップソリューションに強みがあります。
中期経営計画では、既存事業強化やAIを活用した警備DXの推進に力を入れています。
2024年9月5日には、業務提携先である(株)アジラとの連携により、AI警備システム『asilla』の本格運用を開始しています。

2025年3月期第1四半期の連結業績

2024年8月13日に公表された2025年3月期第1四半期の連結業績では、売上高が前年同期比12.8%減の1,941百万円、営業利益が同47.9%減の74百万円、経常利益が同48.9%減の77百万円、四半期純利益が同55.1%減の47百万円でした。
減収減益となりましたが、予定されていた大型案件の終了や前期の受注反動減によるもので、通期業績予想に対する進捗率は順調であり、営業利益は50%近くに達しています。

アール・エス・シーは今後も成長が期待される企業であり、投資家にとって注目すべき存在です。今後の業績や事業展開に注目して、将来の動向を見守っていきたいところです。

株式会社フィスコのレポートを読んで見えてくるポイント

株式会社フィスコのレポートを読んで、会社の将来展望について興味深いポイントがいくつか浮かび上がってきました。
まず、マイナス要因については、新たな大型イベント業務やサンシャインシティプリンスホテル警備などの新規受注によりカバーする見込みがあるということです。
これにより、今後の業績に対するリスクを軽減するための対策が着実に進んでいる印象を受けます。

さらに、同社は中期経営計画の方針に基づき、個別配当性向30%以上を継続して実施することを目標にしており、今回の配当予想の増額修正は、今期業績への自信の表れとされています。
これは株主にとって好ましいニュースであり、会社の成長に対する期待感を高める要素となるでしょう。

ただし、重要事項(ディスクレーマー)には、投資や行動を勧誘するものではないという注意書きがあります。
また、本レポートはあくまで情報提供を目的としたものであり、将来の結果を約束するものではないということも強調されています。
投資に関する判断は、読者自身の責任で行う必要があることを念頭に置いておくべきでしょう。

最後に、著作権や知的所有権に関する注意も記載されており、無断での修正や複製、配布は禁じられています。
また、関連会社や取締役、役員、従業員が本レポートに掲載されている金融商品や発行体の証券に関わっている可能性があることも明記されています。

以上のように、株式会社フィスコのレポートは将来展望に対する前向きな見通しと共に、注意事項やリスクについてもきちんと記載されており、投資判断において慎重に考慮すべき情報が含まれていると言えます。


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