クオルテック〈9165〉は、自動車・電子部品分野で高精度な信頼性評価試験や微細加工を手掛ける技術系企業です。
パワー半導体市場の拡大を背景に、同社の試験受注は堅調に推移。2025年6月期は増収増益を見込み、業績の成長軌道を維持しています。
信頼性試験と加工技術の両輪で、次世代モビリティ社会を支える存在として注目を集めています。
2025年04月17日に掲載されたクオルテック<9165>の企業分析
元レポートは下記の通りです。
クオルテック<9165>レポートPDF
出典元:FISCO
クオルテック〈9165〉|パワー半導体試験が牽引する信頼性評価の専門企業。独立系検査会社として安定成長を続ける
■ 企業概要
クオルテックは、電子部品・自動車部品などの不良解析・信頼性試験を行う「信頼性評価事業」と、レーザ加工・表面処理を中心とする「微細加工事業」を展開。
さらに、遺伝子検査などを含むバイオ関連事業も手掛け、研究開発部門を含めた多角的な体制を構築しています。
独立系検査会社として幅広い業界に対応し、顧客企業の品質課題を技術力で解決する体制を確立しています。
■ 主力事業の動向
◇ 信頼性評価事業
主力である信頼性評価事業では、環境試験やパワー半導体の信頼性評価装置開発を実施。
電子部品・自動車向けのパワーサイクル試験の受注が好調で、試験データの解析需要が急拡大しています。
同社は独自の試験ノウハウを活かし、顧客の製品開発サイクル短縮にも寄与しています。
◇ 微細加工事業
ビルドアップ基板やフレキシブルプリント基板などの試作・量産レーザ加工を中心に展開。
近年は新しい表面処理技術にも注力しており、次世代材料や車載部品向けの需要拡大が見込まれています。
◇ その他事業(バイオ関連)
遺伝子検査や医療用試験受託など、バイオ医療領域でも事業拡大を進行中。
研究開発部門では「パワー半導体 × オートモーティブ」を軸としたテーマ研究を進め、新たな成長分野への布石を打っています。
■ 業績動向(2025年6月期中間期)
2025年6月期中間期は増収ながら減益となりましたが、主力分野の好調により堅調な推移を維持。
特にパワー半導体関連の信頼性評価試験が伸び、受注増が業績を押し上げました。
微細加工事業も堅調で、バイオ事業は増収を達成。自己資本比率は上昇し、財務の健全性は良好です。
営業キャッシュフローはプラスを維持しており、安定的な資金基盤を確立しています。
■ 中期経営計画と今後の見通し
クオルテックは、2027年6月期を最終年度とする中期経営計画で、TQS(Total Quality Solution)モデルの進化を掲げています。
信頼性評価・微細加工の2本柱を強化し、パワー半導体・EV市場向け需要の取り込みを進める方針。
また、バイオ・新材料・海外展開を視野に入れ、事業ポートフォリオの拡充を図っています。
特に、政府・自動車メーカーによる電動化投資(例:日産・ホンダによるEV開発加速)が追い風となっており、同社の信頼性評価技術の需要増加が期待されます。
■ 投資家視点での注目ポイント
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パワー半導体試験市場での高い専門性
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微細加工技術と試験事業のシナジーによる収益安定化
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自己資本比率の上昇など、健全な財務基盤
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EV・再生可能エネルギー・新材料関連の長期成長テーマ
■ まとめ
クオルテック〈9165〉は、電子・自動車産業の品質を支える「技術検証の裏方」として、確かな地位を築いています。
パワー半導体市場の成長を背景に、試験需要の拡大が続く見通し。
高い技術力と信頼性評価の専門性を武器に、同社は今後も堅実な成長軌道を描く注目銘柄です。
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