【企業分析レポート】パンチ工業<6165>業績・成長戦略・投資ポイントまとめ

パンチ工業(6165)は、金型部品のリーディングメーカーとしてグローバル展開を進める企業です。
2026年3月期は売上微増・減益予想ながら、第1四半期では増収増益の好スタートを切り、通期上方修正の可能性も見えています。
長期ビジョン「Vision60」では、2035年に売上8,000億円・営業利益8,000百万円を目指し、ミスミグループとの提携を軸に持続的成長を図っています。

2025年10月17日に掲載されたパンチ工業<6165>のレポート要約

元レポートは下記の通りです。
パンチ工業<6165>レポートPDF
出典元:FISCO

パンチ工業の企業調査レポート

概要と業績予想

パンチ工業(6165)は、2026年3月期において売上高が前期比0.7%増の41,100百万円を予想していますが、営業利益は16.9%減の1,400百万円となる見通しです。
主な要因は国内需要の回復の遅れです。しかし、同社のPBRは0.5倍と非常に低く、配当利回りは4.51%と投資家にとって魅力的な状況です。

長期ビジョン「Vision60」

2025年5月に発表された長期ビジョン「Vision60」では、2035年3月期に売上高80,000百万円、営業利益8,000百万円を目指す方針が示されました。
この目標達成により、前期からの営業利益CAGRは+17.5%と予想され、ROEの改善も期待されます。
また、株価は少なくともPBR1倍まで回復することで2倍の上昇が見込まれ、PER15倍で2,600円を超える試算もあります。

第1四半期の業績と上方修正

2026年3月期第1四半期決算では、売上高が前年同期比5.3%増の10,171百万円、営業利益が同26.5%増の384百万円となりました。
この結果を受け、中間期および通期の業績予想も上方修正され、中間期の売上高は前年同期比2.6%増の20,500百万円、営業利益は同15.5%増の800百万円と予測されています。

事業の概要

パンチ工業は1975年に創業し、金型部品の製造を行っています。主にプラスチック製品の製造工程で使用される射出成型用金型に組み込まれるエジェクタピンやスプルーブシュ、プレス金型用のパンチ・ダイ等を製造・販売しており、これらの製品は金型を構成するために不可欠なものです。

海外事業の好調と懸念材料

同社の海外事業、特に中国市場は好調を維持しており、自動車関連や電子部品・半導体関連の受注が増加しています。
しかし、アメリカの関税影響により、全般的な設備投資需要への慎重姿勢が懸念されています。これが減益から増益への転換点となる可能性があるため、今後の動向に注目が必要です。

パンチ工業の企業概要

パンチ工業は、カタログ品と特注品の2つのカテゴリーを持つ企業です。
特に、日本と中国で特注金型部品の市場シェア1位を誇り、2,000台以上の設備を用いた一貫した生産体制を構築しています。
この高い対応力と顧客に密着した営業体制、高い技術力が同社の特徴です。

国内外の取引先と売上高構成

国内では約6,000社の顧客と取引があり、全国に10カ所の販売拠点を持っています。
中国では約8,000社と取引を行い、2025年3月期の地域別売上高構成比は、日本28.4%、中国57.3%、東南アジア4.8%、欧州その他9.5%となっています。
また、業種別売上高構成比では、自動車42.1%、電子部品・半導体17.1%、家電・精密機器9.4%、その他31.4%を占めています。

営業戦略とビジネスモデル

パンチ工業は、カタログ品の取引から開始し、顧客の信頼を得た後に付加価値の高い特注品を受注するという営業戦略を展開しています。
カタログ品と特注品の比率は約4.5:5.5であり、カタログ品は工場の稼働率を安定させる役割を果たしています。

特注品による利益率向上

特注品の受注を通じて利益率を高めるバランスの取れた構造を持ち、継続的な受注が見込まれるカタログ品が基盤を支えています。
この構造は、持続可能な成長を実現するための重要な要素です。

ミスミグループ本社との提携

パンチ工業は、ミスミグループ本社(9962)との資本業務提携契約を結び、付加価値の高い特注品ビジネスに特化することで持続的な利益成長を目指しています。
この提携は、両社が対等なパートナーとして共存共栄を図るもので、産業界全体の繁栄を目指しています。

協業の強みと市場環境

ミスミグループは短納期での供給体制とデジタル対応力に強みを持ち、パンチ工業は精密加工技術と幅広い対応力を有しています。
この協業により、国内市場の成長鈍化や高齢化社会の進展といった厳しい市場環境の中で、グローバルな事業成長を目指しています。

業績見通しと成長戦略

2026年3月期には減益見通しがあるものの、1Qは増収増益の好スタートを切り、通期予想の上方修正の兆しがあります。
2035年3月期には売上高80,000百万円、営業利益8,000百万円を目指す意欲的な中期計画も発表されています。

業績推移のグラフ

売上高と営業利益の推移を以下に示します:

  • 売上高(百万円):50,000、42,799、40,822、39,358、38,344
  • 営業利益(百万円):4,000、3,200、2,436、3,041、1,685

このように、パンチ工業は強いビジネス基盤を持ち、持続的な成長を目指しています。

パンチ工業の株式レポート

基本情報

銘柄名: パンチ工業

銘柄コード: 6165

市場: 東証スタンダード市場

公式ウェブサイト: パンチ工業

レポート発行日: 2025年10月17日(金)

業績予測

以下はパンチ工業の過去および予測される業績です。

22/3期 23/3期 24/3期 25/3期 26/3期(予)
売上高 10,000 8,000 0 0

重要事項(ディスクレーマー)

本レポートは株式会社フィスコが作成したもので、株価情報および指数情報は東京証券取引所・大阪取引所・日本経済新聞社の承諾を得て提供されています。
本レポートの内容は情報提供を目的としており、投資行動を勧誘するものではありません。

フィスコは、本レポートにおける情報の正確性、完全性、的確性、信頼性等について一切の保証を行いません。
レポートに含まれる情報は企業からの依頼に基づいており、企業への取材を通じて得たものです。
掲載されている情報の内容はフィスコの分析に基づくものであり、内容の変更がある場合があります。

本レポートに含まれる有価証券や金融商品は、企業活動、経済政策、世界情勢などに影響を受け、その価値が変動する可能性があります。
投資判断は自己責任で行っていただき、フィスコはその結果に対して一切の責任を負いません。


■ この企業を含む【8.機械セクターまとめ】はこちら
8.機械セクター最新動向

企業情報をより深く分析したい方は、松井証券が提供するツールがおすすめ。
無料で株価チャートや決算データ、アナリストコメントなどを確認でき、企業分析の精度を高められます。
松井証券「マーケットラボ」徹底ガイド|無料機能・使い方・米国株版・他社比較まで解説
ここから確認

関連記事

松井証券の「マーケットラボ」は、銘柄分析・チャート・四季報・スクリーニングまでを無料で使える高機能ツールです。 本記事では、松井証券マーケットラボの使い方、機能一覧、米国株版との違い、そして他社ツールとの比較までを徹底解説。 初[…]

松井証券「マーケットラボ」徹底ガイド|無料機能・使い方・米国株版・他社比較まで解説

スポンサーリンク
\情報配信中!/