ニッソウ〈1444〉は、首都圏を中心にリフォーム事業と不動産事業を展開する建設系企業です。
2025年7月期には3期ぶりの増益を達成し、過去最高益を更新。
主力のリフォーム事業が堅調に推移したほか、M&Aによる事業拡大が収益を押し上げました。
2026年7月期も19%増収・173%増益の見通しで、BtoC事業の拡大や新規顧客の獲得を進めています。
2025年10月27日に掲載されたニッソウ<1444>の企業分析
元レポートは下記の通りです。
ニッソウ<1444>レポートPDF
出典元:FISCO
ニッソウ〈1444〉|3期ぶりの増益で過去最高益を更新 リフォーム事業好調でBtoC拡大へ
1. 会社概要
ニッソウは1988年に設立され、主に賃貸住宅の原状回復工事やリノベーション工事を手掛けるリフォーム専業企業として成長してきました。
経営理念に「誠実・理解・確実・堅実」を掲げ、顧客・取引先・協力会社との信頼関係を重視する姿勢を貫いています。
現在は以下の2つの事業を中心に展開しています。
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リフォーム事業:原状回復・リノベーション・ハウスクリーニング・設備メンテナンスなど
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不動産事業:流通(仲介)や建設など、リフォームのノウハウを活かした新規分野
特にリフォーム事業は小規模工事を中心に展開しており、競合が少ないニッチ市場(ブルーオーシャン)を確立しています。
2. 2025年7月期の業績動向
2025年7月期の連結業績は以下の通り、すべての主要指標で前年を上回り、過去最高を更新しました。
| 指標 | 実績 | 前年比 |
|---|---|---|
| 売上高 | 5,279百万円 | +12.8% |
| 営業利益 | 72百万円 | +28.9% |
| 経常利益 | 69百万円 | +9.6% |
| 当期純利益 | 202百万円 | +705.8% |
業績好調の背景には、新たに子会社化した企業の寄与と利益率の改善があります。
価格改定を通じた物価上昇分の転嫁が進み、収益力が大幅に向上しました。
一方で、リフォーム工事件数は計画未達、従業員数も想定を下回ったものの、全体では安定した成長基調を維持しました。
3. 財務状況
2025年7月期末の財務状況は以下の通りです。
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総資産:3,457百万円(前期比 +689百万円)
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流動資産:2,920百万円(現金・預金の増加が主因)
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負債合計:1,753百万円(同 +487百万円)
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自己資本比率:49.3%(前期54.2%から低下)
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ROE:12.6%と良好水準
積極的な投資とM&Aによる資産増加が見られる一方、財務の健全性は依然として高水準を維持しています。
4. 2026年7月期の見通し
2026年7月期は、売上高6,299百万円(+19.3%)・営業利益198百万円(+173.4%)と大幅な増益を予想。
原価改善と価格転嫁の継続に加え、BtoC向けリフォーム市場の開拓が利益率向上に寄与する見通しです。
また、新規顧客の獲得・リピート率の向上・販管費抑制による効率経営も推進しています。
5. 成長戦略
ニッソウは今後、リフォーム事業の基盤強化に加え、新規事業とM&Aによる成長多角化を加速します。
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M&A戦略:住宅関連・建設業界での買収を通じて、施工力・営業力の拡充を図る。
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BtoC事業拡大:一般顧客向けのリフォーム需要を取り込み、収益性の高い事業構造へ転換。
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海外展開の検討:中長期的には海外市場進出も視野に入れた事業計画を策定中。
これらの施策により、安定収益と高成長の両立を目指しています。
6. 株主還元策
現時点では配当の実施を見送る方針ですが、株主優待制度を導入しています。
長期保有特典やポイント繰越が可能で、個人投資家との関係強化を図っています。
今後、利益の積み上げを見ながら、配当再開の検討余地も示唆されています。
まとめ
ニッソウ〈1444〉は、リフォーム事業を軸に安定成長を続ける企業です。
3期ぶりの増益達成と過去最高益の更新により、経営基盤の強化が進展。
M&Aによる拡大やBtoC市場への進出で、今後も成長余地は大きいと見られます。
ニッチ市場で確固たるポジションを築く同社の動向は、引き続き注目に値します。
■ この企業を含む【3. 建設・資材セクターまとめ】はこちら
3. 建設・資材セクター最新動向
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