ナレルグループ(9163)は、建設およびIT分野における技術者派遣を主軸とする企業です。
2008年設立のワールドコーポレーションを中心に、未経験人材の採用・育成を強みとし、建設現場やIT分野へ人材を供給しています。
建設業界が抱える人材不足や生産性向上といった課題に対し、施工管理技術者の派遣や建設DXの推進を通じて対応する独自のビジネスモデルを構築しています。
2026年03月23日に掲載されたナレルグループ<9163>の企業分析
元レポートは下記の通りです。
ナレルグループ<9163>レポートPDF
出典元:FISCO
ナレルグループ<9163>企業分析|成長投資による減益も、DXと人材戦略で中長期成長を狙う
1Q決算の概要
2026年10月期第1四半期の業績は、売上収益が前年同期比6.5%増の6,276百万円となりました。一方で営業利益は同19.6%減の724百万円と減益となっています。
減益の主因は、採用強化および営業体制の拡充に伴う先行投資です。
ただし、実績は会社計画を上回っており、将来的な契約単価の上昇やDX領域の拡大を見据えた戦略的な投資が進められています。
2026年10月期の業績見通し
2026年10月期の通期業績は、売上収益が前期比21.1%増の29,250百万円、営業利益が同6.5%増の3,010百万円と増収増益を見込んでいます。
上期は採用・営業強化の影響により利益の伸びが抑制される見込みですが、下期以降は稼働率の改善により収益性の回復が期待されています。
中期経営計画の初年度として、成長基盤の構築を優先する方針です。
成長戦略と中期経営計画
同社は中期経営計画「Change and Growth 2030」を掲げ、「人材とテクノロジーの両輪で建設業界の未来を支える」ことを基本方針としています。
具体的には、以下の施策を推進しています。
・建設ソリューション事業の強化
・建設DXの推進
・職人紹介事業の拡大
・ITソリューション事業の拡充
2030年10月期には、売上収益50,000百万円、営業利益5,000百万円、ROE20%以上、技術者数8,000人といった目標を掲げています。
計画前半は人材投資や営業体制強化などの基盤構築に重点を置き、後半に収益性の向上と成長加速を目指す構造となっています。
DX領域の取り組みと業務提携
同社は建設DX領域の強化にも注力しており、DXコンサルティング企業であるArent(5254)との業務提携を実施しています。
ナレルグループの現場に密着したDX人材がプロダクトの導入・運用を支援し、
その知見を開発側にフィードバックすることで、サービス改善につなげる「ナレッジ循環モデル」の構築を進めています。
投資方針と株主還元
同社はオーガニック成長を基本としつつ、M&Aの活用も視野に入れています。
また、中期経営計画期間中は減配を行わない方針を示しており、安定した株主還元を重視しています。
配当利回りは約5%水準とされており、一定のインカム投資需要にも対応しています。
今後の注目ポイント
今後の評価においては、以下の指標の改善が重要となります。
・稼働率の向上
・退職率の低下
・契約単価の上昇
・DXおよびBPO関連売上の拡大
中期計画の進捗次第では、収益性の改善とともに企業価値の向上が期待されます。
まとめ
ナレルグループは、未経験人材の採用・育成を軸に成長を続ける技術者派遣企業です。
足元では成長投資により利益が圧迫されていますが、中長期では稼働率の改善やDX領域の拡大による収益回復が見込まれています。
建設業界の構造的な人材不足を背景に、同社のビジネスモデルは引き続き成長余地を持っており、今後は投資と収益性のバランスが重要な評価ポイントとなります。
筆者コメント
この会社は人を採用し、育成し、契約単価で収益を積み上げるビジネスです。
今回のポイントは明確で、減益は業績悪化ではなく投資によるものです。
採用強化や営業体制の拡充にコストを投じており、短期的には利益が圧迫されています。
したがって見るべきは、その投資が回収できるかどうかです。
具体的には、
- 稼働率
- 退職率
- 契約単価
この3つの指標が重要になります。
これらが改善すれば、そのまま利益に反映されます。
一方で改善が進まなければ、収益は伸びにくい構造です。
もう一つのポイントは建設DXです。
これは単なる人材派遣から、付加価値の高いビジネスへ移行できるかどうかの分岐点になります。
まとめると、現在は成長に向けた基盤構築の段階にあり、評価は今後の指標改善次第となります。
短期的な業績は振れやすいものの、各指標が改善していくかどうかがそのまま成長性に直結する企業です。
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2026年02月13日に掲載されたナレルグループ<9163>の企業分析
元レポートは下記の通りです。
ナレルグループ<9163>レポートPDF
出典元:FISCO
ナレルグループ<9163>会社概要|未経験採用モデルで拡大する人材派遣、成長投資による利益圧迫から回復局面へ
同社は2008年設立の人材サービス企業で、建設およびIT分野における技術者派遣を主力としています。
持株会社体制のもと、以下のグループ会社で構成されています。
・ワールドコーポレーション
・コントラフト
・全国建設人材協会
・ATJC
未経験者を採用し、自社で育成した上で現場へ派遣するモデルを確立しています。
事業内容
建設ソリューション事業
売上の約9割を占める主力事業です。
主なサービスは以下の通りです。
・施工管理技術者派遣
・職人紹介
・建設DX支援
人材不足が深刻な建設業界において、未経験人材を育成して供給することで市場ニーズに対応しています。
ITソリューション事業
ITエンジニア派遣を中心とした事業です。
未経験者を育成し、
・システム開発
・インフラ運用
などの業務に派遣しています。
建設分野と同様に、育成型モデルによる人材供給が特徴です。
業績動向
2025年10月期
・売上収益:24,158百万円(+11.8%)
・営業利益:2,827百万円(-9.1%)
・税引前利益:2,758百万円(-9.8%)
・純利益:2,086百万円(-4.6%)
売上は過去最高を更新しましたが、
・採用費の増加
・人件費の上昇
により減益となりました。
セグメント別
・建設ソリューション
売上:21,642百万円(+11.9%)
利益:-13.8%
・ITソリューション
売上:2,515百万円(+11.2%)
利益:-8.4%
両事業とも増収ながら、成長投資により利益が圧迫されています。
主要KPI
同社の成長は以下の指標に大きく依存します。
・契約単価
・稼働率
・退職率
・採用人数
2025年10月期では
・契約単価は上昇
・稼働率はやや低下(約90%前後)
・退職率は約30%台
という状況です。
採用数が退職数を上回ることで、全体の人員は拡大しています。
財務状況
・資産合計:24,562百万円
・自己資本比率:約60%弱
・有利子負債倍率:0.34倍
財務の健全性は維持されています。
一方で、資産に占めるのれんの比率が高く、今後の業績に影響を与える可能性があります。
2026年10月期見通し
・売上収益:29,250百万円(+21.1%)
・営業利益:3,010百万円(+6.5%)
・純利益:ほぼ横ばい
上期は投資継続により利益の伸びは限定的ですが、下期以降の収益性改善が想定されています。
成長戦略
中期経営計画「Change and Growth 2030」では
・売上:500億円
・営業利益:50億円
を目標としています。
重点施策は以下です。
・採用・育成の強化
・建設DXの推進
・職人紹介事業の拡大
・生産性向上
人材供給モデルの拡大と単価上昇の両立が成長の軸となります。
株主還元
・配当:115円(据え置き)
中期計画期間中は減配を行わず、安定配当を維持する方針です。
まとめ
ナレルグループは未経験採用→育成→派遣という仕組みにより、人材不足市場で成長を続けています。
現状は
・売上は拡大
・利益は投資で圧迫
という段階です。
今後は
・採用投資の回収
・単価上昇
・稼働率の安定
が収益改善の鍵となります。
筆者コメント
この会社は、人材を採用・育成し派遣することで売上を拡大するモデルです。
そのため
・採用すれば成長できる
・採用しなければ止まる
という性質があります。
2025年はまさに成長のために採用を増やした結果、利益が下がった状態です。
ここはネガティブではなく、モデル上は自然な動きです。
一方で重要なのはその投資が回収できるかです。
具体的には
・単価が上がるか
・稼働率が維持できるか
・離職率が抑えられるか
この3点に集約されます。
現状は売上は強いが、利益はコントロール次第という段階です。
成長企業として見るなら拡大余地は大きい一方で、収益の安定性はまだ途上という位置になります。
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