2025年3月 株式市況まとめ|バフェット効果と関税ヘッドラインに揺れた春相場

2025年3月の東京株式市場は、関税ヘッドライン・円相場・春闘/FOMC/SQ/配当権利落ちが交錯するイベント満載の月でした。
前半は関税警戒と円高で3万7000円割れ、月央はバフェット効果で商社・銀行がけん引して3万8000円台を一時回復、月末は権利落ちと通商不透明感で再び調整。
半導体・輸出はボラティリティが高く、バリューとディフェンシブが下支え――ニュースに振れつつも底堅さを確認した春相場となりました。

■ 全体動向

2025年3月の東京株式市場は、関税ヘッドライン・春闘・FOMC・配当権利落ちとイベントが連続し、上値と下値を激しく試す展開となりました。
月初は米関税政策と円高進行を受けて下落スタートするも、ウォーレン・バフェット氏による商社株買い増し報道を契機にバリュー株へ買いが広がり、日経平均は一時3万8000円台を回復。

ただし月末にかけては、米通商政策の不透明感や配当権利落ちの影響で再び調整色が強まり、最終週には3万7000円台前半まで軟化しました。
半導体・自動車といった景気敏感株が神経質に上下する一方、銀行・商社・ディフェンシブ株は底堅く、「強弱入り混じる春相場」を象徴するひと月となりました。

投資家心理はイベント次第で振れやすく、米国の金融政策・関税報道・為替の行方に一喜一憂する典型的なニュース主導型の相場環境が続きました。


■ 月間ハイライト

  • 月初:米ハイテク安・円高進行・関税懸念で3万7000円を割り込む

  • 月中:バフェット氏の商社株買い増し報道で商社・銀行・自動車が急伸、3万8000円台回復

  • 月後半:関税政策と配当権利落ちが重なり、再び売り優勢に転換

  • テーマは「バリュー回帰」「イベント相場」「為替感応度」

  • ディフェンシブ株(医薬品・通信)への資金シフトも散見


■ 週別サマリー

 第1週|関税リスクと円高で下値模索

米関税強化観測・円高進行・地政学リスクが重なり、3万7000円を巡る攻防に。
半導体・自動車が売られる一方、医薬品などディフェンシブ株に資金が逃避。
➡ 詳細:2025年3月第1週市況まとめ|関税政策・地政学リスクで乱高下、ディフェンシブ株が資金の逃避先に

第2週|春闘とSQが焦点、配当期待で下支え

米景気後退懸念と円高で一時3万6000円割れも、SQ通過後に先物買いと配当取りで下げ渋り。
日銀総裁発言や春闘ベア(賃上げ期待)も意識され、需給要因中心の週。
➡ 詳細:2025年3月第2週市況まとめ|日経平均は乱高下、心理的節目を巡る攻防続く

 第3週|バフェット効果で商社株急伸、FOMC前で様子見

バフェット氏の商社株買い増し報道でバリュー株へ買いが波及。
日経平均は3万8000円を一時突破も、FOMC前の手控えで後半は伸び悩み。
➡ 詳細:2025年3月第3週市況まとめ|バフェット氏の商社株買い増しで日本株に追い風

 第4週|関税不透明+権利落ちで調整

米通商政策(自動車関税)と配当権利落ちが重なり、方向感の乏しい週。
週末は権利落ち+米株安+早期利上げ思惑で3万7120円まで下落。
➡ 詳細:2025年3月第4週市況まとめ|関税ヘッドラインと「配当権利落ち」で乱高下

第5週|相互関税ショックと期初の益出し売りで乱高下

米トランプ前大統領による「相互関税構想」の発言が市場を直撃。
「再選を視野に入れた政策方針」として報じられ、通商摩擦への警戒感が強まった。
3月末〜4月初めの東京市場は、米景気後退懸念・インフレ再燃・円高進行が重なり、
日経平均は一時1,500円超の急落と、2025年に入って最大級の下げ幅を記録しました。

➡ 詳細:2025年3月第5週市況まとめ|日経平均大荒れ、関税リスクと景気懸念で乱高下


■ セクター別動向

セクター 状況・材料 銘柄例
商社・銀行(バリュー) バフェット報道+円安で堅調、TOPIX支え 伊藤忠・三菱商・三井住友FG
半導体・ハイテク 米ハイテク安や関税影響で値動き荒い 東エレク・アドテスト・TDK
自動車 関税ヘッドラインに左右されやすい展開 トヨタ・ホンダ・デンソー
ディフェンシブ 市場変動時の逃避先として底堅い 武田薬品・NTT・KDDI
内需・消費関連 春闘賃上げ期待が一時的に支援 イオン・すかいらーくHD

■ 初心者向け:今月よく出たキーワード

  • バフェット効果:著名投資家の買い報道で心理的安心感が広がる現象。

  • 関税ヘッドライン:報道段階の思惑だけで株が動く。実行前から影響大。

  • 春闘(賃上げ交渉):賃上げ=消費拡大期待、株価の追い風。

  • SQ(特別清算指数):先物決済の基準値。割り込みで急落リスクも。

  • 権利落ち:配当分だけ株価が下がる仕組み。需給イベントの一つ。


■ 総括と4月の注目点

3月の東京株式市場は、「ニュースとイベントに翻弄されながらも底堅さを維持」した1ヶ月でした。
特に商社・銀行などバリュー株が相場を支え、半導体や輸出関連が需給で振られる典型的な「イベント相場」。
一方で配当・SQ・FOMC・春闘といった材料が集中し、日ごとのムードが変わりやすい難しい相場環境でもありました。

4月は、関税交渉の進展・為替動向・米金利・新年度資金フローが焦点。
年度替わりの資金流入でリバウンド期待もある一方、政策リスクがくすぶる局面では冷静な押し目判断が重要です。

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