クラウド型デジタルプラットフォーム「LaKeel DX/APPS」を核に、部品(コンポーネント)を組み合わせるマイクロサービスで企業のDXを支援するラキール。
2024年12月期はライセンス販売の失速と一部低採算案件で減益となったものの、営業強化と案件見直しを進めた2025年12月期は増収・大幅増益の会社計画。
解約率約1%のサブスクリプションを軸に安定性と成長性を両立させ、プロダクト×コンサル×運用の一体提案で収益回復を図る。
2025年03月21日に掲載されたラキール<4074>のレポート要約
元レポートは下記の通りです。
ラキール<4074>レポートPDF
出典元:FISCO
会社概要・提供価値
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事業ドメイン:アプリケーションの開発・運用プラットフォーム(LaKeel DX/APPS)の提供に加え、コンサルティング、プロフェッショナル(開発・保守)、動画配信型教育サービスを展開。
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差別化:
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マイクロサービスにより、業務機能を部品としてクラウド上で自由に組み合わせ、ローコードで短期開発。
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システムは部品更新で常に最新化され、保守・運用の省力化とIT投資効率の向上を同時に実現。
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大手クラウド(AWS/Google Cloud/Microsoft)に依存しない設計で可搬性を確保。
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サービス構成
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プロダクトサービス(主力)
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基盤:LaKeel Platform / Engine
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機能群:BI(LaKeel BI)/データ統合・分析(LaKeel Data Insight)/人事基幹(LaKeel HR)/電子帳簿保存(LaKeel eDocument)/ワークフロー/ID管理 など。
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生成AI連携:Concierge BI(対話で洞察取得)、AI Chatbot、Dialogue AI、Navigator、Insight Discovery 等を投入・拡充中。
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KPI動向(製品サービス):
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MRR:104百万円(前年+20.0%)
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ユーザー数:345社(同+6.5%)
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ARPU:30.1万円(同+12.7%)
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コンサルティング
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LaKeel導入計画、内製化伴走、データアナリティクスまで一気通貫で支援。
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プロフェッショナル(開発・保守)
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既存システムのモダナイゼーション、クラウド移行、機能拡張、運用最適化。
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保守はリカーリングで安定収益に寄与。
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動画配信型教育(LaKeel Service Media Online)
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多言語対応のアニメーションeラーニングを提供(安全衛生・ハラスメント等)。BEP超えのヒット兆候。
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収益モデルと安定性
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サブスクリプション重視(解約率 ≒ 1%前後を維持)。
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製品サービス売上のうちサブスク比率は約3分の2まで拡大。
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コンサルはフロー中心、プロフェッショナルの保守はリカーリングが主体。
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アップセル/クロスセルでLTV最大化を志向。
業績(2024年12月期/実績)
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売上高:7,968百万円(+4.1%)
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営業利益:560百万円(▲27.7%)
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経常利益:543百万円(▲32.6%)
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親会社株主に帰属する当期純利益:362百万円(▲32.9%)
要因分析
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ライセンス販売が下期に失速し、これに連動するコンサル売上も縮小。
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プロフェッショナルで大口の一部が規模縮小、さらに低採算案件が発生。
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一方で、LaKeelサブスク(製品)が+21.7%と好調、KPIも改善。
サービス別概況(売上構成比/前年比)
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プロダクト:4,635百万円(58.2%/+4.3%)
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製品サービス:1,729百万円(21.7%)
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LaKeelサブスク(製品):1,183百万円(+21.7%)
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ライセンス:312百万円(▲20.7%)
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サブスク(製品以外):117百万円(▲11.7%)
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プロフェッショナル:3,333百万円(41.8%/+3.9%)
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リカーリング:3,026百万円(▲3.1%)/フロー:306百万円(+256.9%)
対応
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営業体制を再編(製品カット別に最適化)し、経営陣の営業関与を強化。
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低採算案件の是正を実施。足元は回復基調が鮮明。
見通し(2025年12月期/会社計画)
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売上高:8,657百万円(+8.6%)
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営業利益:800百万円(+43.0%)
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経常利益:785百万円(+44.3%)
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親会社株主に帰属する当期純利益:506百万円(+39.8%)
計画の前提
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営業強化の成果と低採算案件の正常化で利益率回復(売上総利益率を例年並み35%前後へ)。
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生成AI連携を含む製品ラインナップ拡充でLaKeelサブスク成長を継続。
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前期弱含みのライセンス販売は回復見込み、HRやデータ系の引き合い強い。
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プロフェッショナルは前期縮小分の代替案件獲得を進行。
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期初想定より業況の立ち上がりが早く、会社計画はやや保守的との見立て。
成長戦略
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プロダクト:LaKeel(HR/BI/Data Insight/eDocument等)を強化しユーザー数拡大、高採算構造を堅持。
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コンサル:導入設計・内製化支援・データ分析をハイブリッド提供し、アップセルを創出。
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プロフェッショナル:モダナイゼーション&保守のリカーリングを伸長。
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全社:アップセル/クロスセルでLTV最大化、アプリケーション部品エコノミーの構築を目指す。
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市場規模感:DX市場は拡大継続。同社ターゲットは7,600億円規模を想定(長期の余地大)。
株主還元・財務方針
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現状、配当は未実施。成長過程のため内部留保を優先し、開発・採用等へ再投資。
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将来的な配当の可否・時期は未定。実施する場合は年2回(中間・期末)を基本方針。
投資視点
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強み:低解約率のサブスク/マイクロサービス×ローコード/マルチクラウド対応/製販保守の一体提案。
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回復ドライバー:営業再編の進捗、低採算是正、ライセンスの持ち直し、HR・データ/AI製品の拡販。
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注目KPI:MRR、ARPU、ユーザー数、プロダクト粗利率、保守売上(リカーリング)。
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留意:大型案件のタイミング変動、案件ミックスによる採算ブレ。
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