【企業分析レポート】アイル<3854>|業績・成長戦略・投資ポイントまとめ

アイル(3854)は、中堅・中小企業の経営力向上を支援するトータルシステムソリューション企業です。
2025年7月期には売上・利益ともに過去最高を更新し、DX需要の拡大を背景に2桁の増収増益を達成。
2026年7月期も増収増益を見込み、「成長投資加速期」としてAI活用・データ分析強化を進めながら、企業価値の最大化を目指しています。

目次

2025年10月17日に掲載されたアイル<3854>のレポート要約

元レポートは下記の通りです。
アイル<3854>レポートPDF
出典元:FISCO

アイル株式会社の企業調査レポート

要約

アイル株式会社(3854)は、中堅・中小企業の経営力向上を支援するトータルシステムソリューション企業です。
2025年7月期には予想を上回る2桁増収増益を達成し、過去最高の業績を記録しました。
さらに、2026年7月期も増収増益を見込んでおり、2026年から2028年までの期間を「成長投資加速期」と位置づけています。

2025年7月期の業績

2025年7月期の連結業績は、売上高が前期比10.2%増の19,294百万円、営業利益が13.0%増の4,818百万円、経常利益が11.3%増の4,767百万円、親会社株主に帰属する当期純利益が20.8%増の3,488百万円となりました。デジタルトランスフォーメーション(DX)需要の増加により、ストック売上の拡大と生産性向上が寄与しています。

2026年7月期の見通し

2026年7月期の業績予想は、売上高20,700百万円、営業利益5,250百万円、経常利益5,275百万円、親会社株主に帰属する当期純利益3,725百万円です。
安定したプロジェクトの推進が期待され、DX需要の高まりが背景にあります。

成長投資加速期の戦略

2026年から2028年までの3ヶ年計画では、最終年度の目標値として売上高24,300百万円、営業利益6,312百万円、親会社株主に帰属する当期純利益4,334百万円を設定しています。
AI技術の活用とデータ分析力の強化を図り、企業価値の最大化を目指します。

会社概要

企業情報

アイル株式会社は、リアルとWebを融合した独自の「CROSS-OVER戦略」に基づき、システムソリューションを提供しています。
中堅・中小企業の経営力向上を支援することを目的としています。

沿革

1991年に設立されたアイルは、2004年に自社オリジナルの販売管理ソフト「アラジンオフィス」をリリース。
その後、複数ECサイトの管理サービス「CROSS MALL」や、顧客・ポイント一元管理ソフト「CROSS POINT」を展開し、2018年には東証2部、2019年には東証1部に上場しました。

事業概要

サービス概要

アイルは、システムソリューション事業とWebソリューション事業を展開しています。「アラジンオフィス」を中心に、顧客企業の業務効率化を促進するサービスを提供しています。

主要製品

「アラジンオフィス」シリーズ、クラウド型の複数ECサイト一元管理ソフト「CROSS MALL」、実店舗とECの顧客・ポイント一元管理ソフト「CROSS POINT」などを主要製品として展開し、顧客のバックオフィス業務の変革を支援しています。

特徴・強み

アイルの強みは、顧客ニーズに応じたカスタマイズが可能で、販売後の保守・運用サポートが充実している点です。これにより、ストック型ビジネスモデルを確立しています。

リスク要因と課題・対策

事業環境の変化や競合他社の動向がリスク要因ですが、新しいビジネスモデルの構築や構造改革を通じて、これらの課題に対処する方針です。

アイル株式会社の業績概要

1. 事業の特徴と提供サービス

アイルは、顧客の事業分析、戦略コンサルティング、プロモーション、ホームページ制作後のログ解析に基づく更新・改良などを提供しています。
主要製品には、企業間や社内間の受発注業務をデジタル化するシステムが含まれています。

2. 主要製品

「アラジンオフィス」シリーズは、販売・在庫・生産・店舗管理をデジタル化し、業務効率化や働き方改革を推進します。
導入企業には、メーカーズシャツ鎌倉、福助、ANAPホールディングスなどがあり、各社の業務改善に寄与しています。
また、Web受発注システム「アラジンEC」や「CROSS MALL」も提供し、EC展開の強化を支援しています。

3. CROSS-OVER戦略

アイルは、中堅・中小企業の経営力向上を支援するため、システムソリューション事業とWebソリューション事業を融合させた「CROSS-OVER戦略」を推進しています。
顧客企業数は増加傾向にあり、2025年7月期末には7,570社に達しました。

4. 特徴・強み

アイルの強みには、中堅・中小企業市場への特化、特化業種の深耕戦略、高い販売・在庫管理ノウハウが挙げられます。
業界に精通した業務コンサルティング力が競合優位性となっています。

5. 生産性向上と売上総利益率上昇の好循環スパイラル

製販一体体制を通じて生産性向上を図り、ストック売上拡大や売上総利益率の改善が進められています。
2025年7月期の売上高は前年同期比10.2%増の19,294百万円、営業利益は13.0%増の4,818百万円と過去最高を記録しました。

6. 業績動向

2025年7月期の連結業績は、売上高が前期比10.2%増、営業利益が13.0%増で、企業のDX需要の取り込みに成功した結果、利益面でもストック売上拡大が寄与しました。
ストック売上高は同15.3%増加し、ストック売上総利益の販管費カバー率は83.8%に上昇しました。

7. リスク要因と課題・対策

アイルは競合他社との差別化を図るために、柔軟な個別カスタマイズを行っていますが、このカスタマイズによる工数増加が利益率低下の要因となることがあります。
これに対処するため、AIの活用を含む生産性向上策を進めています。

株式レポートまとめ

業績概況

2025年7月期の利益率は前年同期比で0.6ポイント上昇し、25.0%となりました。
営業利益は前年同期比で555百万円増加し、システムソリューション事業の売上総利益が840百万円増加した一方、販管費の増加により331百万円が減少しました。
総人件費は647百万円(8.8%)の増加が見られ、社員数は1,009名に達しました。

事業別動向

1. システムソリューション事業

売上高は前期比10.8%増の16,989百万円、売上総利益は同9.7%増の9,499百万円となりました。
利益率は55.9%に低下しましたが、大型案件の進捗によって増収増益を達成しました。

2. Webソリューション事業

売上高は前期比6.3%増の2,305百万円、売上総利益は同4.2%増の1,160百万円で、売上総利益率は56.5%に上昇しました。
EC市場における動向を受けて、企業へのアプローチを強化し、順調に推移しました。

財務状況

2025年7月期末の資産合計は15,768百万円、負債合計は4,482百万円、純資産合計は11,286百万円です。
自己資本比率は71.6%に上昇し、財務の健全性が高まりました。

今後の見通し

2026年7月期の連結業績予想は、売上高が20,700百万円、営業利益が5,250百万円、経常利益が5,275百万円、純利益が3,725百万円で、過去最高の見込みです。

成長戦略

中期経営計画では、2026年7月期から2028年7月期を「成長投資加速期」と定め、売上高24,300百万円、営業利益6,312百万円を目指します。
AI技術の活用やデータ分析力を強化し、新たなビジネスモデルの構築を図ります。

株主還元策

2026年7月期には9期連続の増配を予想しており、配当性向は40.3%を見込んでいます。
株主還元の強化を進め、収益拡大に伴う配当の充実が期待されています。

サステナビリティ経営

アイルは人的資本投資を重視し、離職率は業界平均を下回る2.3%を維持しています。
ダイバーシティとインクルージョンを推進し、持続可能な経営を目指しています。


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2025年05月12日に掲載されたアイル<3854>のレポート要約

元レポートは下記の通りです。
アイル<3854>レポートPDF
出典元:FISCO

株式会社アイル:リサーチと分析レポート

概要

FY7/25年に収益が過去最高に達する予測は変わらず

株式会社アイルは、中堅および中小企業の経営能力向上を目指す総合システムソリューション企業です。
同社のCROSS-OVER Synergy戦略は、BXを通じた価値創造支援に焦点を当てており、現実世界とオンラインの能力を統合しています。
1H FY7/25における記録的な売上高と営業利益、FY7/25における記録的な成績予測は変わらず、生産性の向上のための好循環スパイラルの形成がキーポイントです。

会社概要

顧客の企業能力をサポートする総合システムソリューション企業

株式会社アイルは、中堅および中小企業の企業能力をサポートするために、社内で開発されたシステムを通じて価値を創造することを目指しています。

歴史

1991年に設立されたI’LL株式会社は、オフィスコンピュータの販売会社から独自のソフトウェアソリューションの提供会社に進化しました。
同社はソフトウェア開発の革新とさまざまな産業への展開の歴史を持っています。

ビジネス概要

サービス概要

株式会社アイルは、アラジンオフィスシリーズに焦点を当てたシステムソリューションビジネスと、CROSS MALLやCROSS POINTを含むオンラインソリューションビジネスを運営しています。
同社は現実世界とオンラインの能力を統合することで、BXをサポートしています。

主要製品

同社の主要製品には、ミッションクリティカルなシステム向けのアラジンオフィスシリーズ、統合型のeコマース管理システムであるCROSS MALL、顧客やロイヤルティポイントの管理を行うCROSS POINT、および複雑なバックオフィス業務をサポートするBACKYARDTMプラットフォームが含まれています。

この包括的なレポートでは、株式会社アイルの財務パフォーマンス、成長戦略、および将来の成績についてカバーします。
詳細は、FISCO株式会社およびアナリスト水田正信氏からの完全なレポートを参照してください。

株式レポート: 株式会社アイル(3854)

ビジネス概要

– BACKYARDTMは「ONE by 1」を実現するために、裏方チームや顧客とのコミュニケーションを促進する機能を備えた次世代サービス。
– CROSS-MALL向けのサービスとして位置づけられていたが、eコマース消費者行動の変化と多様化するニーズに対応するため、他の業種や大企業向けにも展開を検討中。
– 重要な開示事項と免責事項は文書末尾に記載。

特徴と強み

– 中堅および中小企業市場に特化したサービスを提供。
– 指定産業強調戦略により、卸売、小売、製造業の中堅・中小企業を重点対象とし、業種専用システムの開発や専門チームの構築を行い、新規顧客獲得能力を強化。
– エンジニアが全従業員の約70%を占める運営体制。
– ソフトウェアの個別カスタマイズに対応可能。
– 小売業におけるオムニチャネル戦略の取り組み。
– 独自の製品とサービス比率が高い。
– パートナー戦略を強化。

連携パートナーとの強化

– eBay Japan Inc.のSelected Service Provider Program(SSP Program)においてCROSS MALLが認定サービスの1つとして選定。
– JALUX Inc.が運営するJAL Mallとの注文、出荷、在庫情報に関する連携を開始。

リスク要因と課題、対策

– システム開発会社とは異なり、包括的な生産・販売システムを通じて、個々のプロジェクトが赤字になるリスクが低い。
– 顧客に適した柔軟なカスタマイズを提供することで差別化を図っているが、これにより利益率が低下する可能性がある。

1H FY7/25 連結業績概要

連結業績概要

– 1H FY7/25の連結業績では、純売上高が前年比7.8%増の9,242百万円、営業利益が1.0%増の2,260百万円に達し、前年に比べて記録的な高水準を達成。
– リカレント売上高は14.9%増加し、リカレントビジネスからの総利益も81.1%増加。
– SG&A費用対リカレントビジネスからの総利益のカバレッジ率は77.4%となり、SG&A費用のほぼ80%をリカレントビジネスからの総利益で賄える収益構造を実現。

2H FY7/25 および通期見通し

I’LL株式会社は、FY7/25下期(2H)においても堅調な業績拡大を見込んでいます。
特に、既存顧客における「アラジンオフィス」および「CROSS MALL」関連サービスのリプレイス需要が継続し、
加えてクラウド型ソリューションへの移行促進が収益成長を牽引する見通しです。

通期では、純売上高が前年同期比10.0%増の19,200百万円、営業利益が同12.5%増の4,800百万円、
当期純利益が同17.5%増の3,400百万円を見込んでおり、過去最高業績の更新が確実視されています。
特にリカレントビジネスの比率上昇と、AI活用による生産性改善が利益率の向上に寄与しています。


中期経営方針「CROSS-OVER Synergy 2030」

株式会社アイルは、2026年7月期以降を「成長投資加速期」と位置づけ、
中長期経営方針「CROSS-OVER Synergy 2030」を策定しています。
この方針では、既存ソリューションの深化と新規事業創出を両立させることで、
2030年度には売上高30,000百万円、営業利益8,000百万円の達成を目標としています。

重点施策は以下の通りです。

  • AI × データ解析の強化:アラジンオフィスやCROSSシリーズへのAI機能統合を進め、顧客データの高度活用を推進。

  • クラウドネイティブ化の推進:オンプレミス製品のクラウド移行率をさらに高め、SaaSモデルへの転換を加速。

  • グローバル展開:ASEAN地域を中心に、ECプラットフォーム連携による海外市場開拓を開始。

  • 人材投資:エンジニア採用と教育投資を強化し、開発体制の持続的な拡張を実現。

この結果、収益の安定化とスケール型の利益成長モデルを構築する見通しです。


財務状況とキャッシュフロー

FY7/25期末における総資産は15,700百万円、自己資本比率は70%を上回る見込みであり、
極めて健全な財務基盤を維持しています。営業キャッシュフローはリカレント収益の拡大により安定化しており、
研究開発投資や新規クラウド基盤構築への資金投入余力も十分に確保しています。

また、ROEは19.5%、ROAは15.1%と高水準を維持しており、効率的な資本活用が継続されています。


株主還元策と配当方針

株式会社アイルは、持続的な成長と株主価値向上の両立を重視しており、
2025年7月期は8期連続の増配を計画しています。
年間配当金は前期比2円増配の1株当たり45円を予定しており、
配当性向は38.0%を見込んでいます。

今後も安定配当を維持しつつ、業績拡大に応じた累進配当を継続する方針です。


リスク要因と対応策

主要なリスクとしては、
①IT投資動向の変化による受注変動、②人材獲得競争の激化、③セキュリティ・サイバーリスクなどが挙げられます。
同社はこれに対し、AIを活用した業務効率化、人的資本投資の強化、
およびクラウド基盤の冗長化を通じたセキュリティ強化に取り組んでいます。

特にエンジニアの離職率は2.3%と業界平均を大きく下回り、人的基盤の安定性が成長の支えとなっています。


まとめと投資判断

株式会社アイルは、中堅・中小企業のDX支援分野において独自の地位を確立しており、
「アラジンオフィス」「CROSS MALL」「CROSS POINT」などを核としたソリューション群が、
ストック型収益構造を強化しています。

FY7/25期は過去最高益更新が見込まれ、財務健全性・収益性・成長性の三拍子が揃う優良企業として位置づけられます。
今後もAI×クラウド戦略を軸とした中期成長シナリオに注目が集まります。


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2024年10月10日に掲載されたアイル<3854>のレポート要約

元レポートは下記の通りです。
アイル<3854>レポートPDF
出典元:FISCO

アイル(株式コード:3854)の成長戦略と業績動向に迫る

アイルは中堅・中小企業の経営力向上を支援するトータルシステムソリューション企業として知られています。
同社は「CROSS-OVERシナジー」戦略を展開し、DXを通じた効率化やバックサイドの変革を通じて価値創造を目指しています。

成長戦略のポイント

1. アイルは生産性向上が売上総利益率上昇につながる好循環スパイラルを形成しており、基幹業務管理システム「アラジンオフィス」シリーズやWebソリューション事業を通じて収益性向上を図っています。

2. 2024年7月期には大幅増収増益で過去最高を達成し、営業利益率も上昇基調にあります。

3. 2025年7月期も増収増益で過去最高を予想しており、DX需要の高まりや経営基盤の強化が期待されています。

4. 長期的には営業利益率30%超を目指し、株主還元を強化する方針であり、株主への利益還元に力を入れています。

業績動向のハイライト

アイルは2024年7月期に前年比で増収増益を達成し、売上高は前年比9.9%増の17,508百万円、営業利益は同20.2%増の4,263百万円となりました。
特にシステムソリューション事業やWebソリューション事業が高成長を続けています。2024年7月期の売上総利益率は55.8%であり、着実な成長が見受けられます。

今後の見通し

2025年7月期の連結業績予想では、売上高が9.4%増加し、営業利益が12.6%増加する見込みです。
中期経営計画では、営業利益率30%超を目指し、成長投資を優先する方針を掲げています。

株主還元策とサステナビリティ経営

アイルは配当性向35%以上、純資産配当率10%以上を目標とし、2025年7月期の配当予想は前期比6.00円増配の47.00円となります。
また、社会的責任に重点を置き、「BX」を通じて社会貢献に取り組んでいます。

弊社の視点

アイルは着実な経営戦略により売上総利益率や営業利益率を向上させ、将来の成長に向けた戦略を展開しています。今後も積極的な戦略展開が期待されます。

以上が、アイルの成長戦略と業績動向についてのまとめでした。同社の今後の発展に注目です。

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