はてな株式会社(3930)は、UGC(ユーザー生成コンテンツ)を軸に成長を続ける老舗インターネット企業だ。
「はてなブログ」や「はてなブックマーク」に加え、マンガビューワ「GigaViewer」やクラウド監視サービス「Mackerel」など、BtoB分野での収益拡大が進む。
2025年7月期は大幅な増収増益を達成し、営業利益は前年比約4倍に成長。
中期的には「出版DX」「クラウド監視」「生成AI」を3本柱に据え、2028年7月期に売上高50億円・経常利益率10%超を目指す。
2025年10月17日に掲載されたはてな<3930>のレポート要約
元レポートは下記の通りです。
はてな<3930>レポートPDF
出典元:FISCO
はてな株式会社の企業調査レポート
要約
はてな株式会社(証券コード3930)は、2001年に設立された日本のインターネットサービス企業であり、国内最大級のソーシャルブックマークサービス「はてなブックマーク」やブログサービス「はてなブログ」などを展開しています。最近では、電子コミック市場の拡大に向けた取り組みを進め、コンテンツマーケティングサービスやテクノロジーソリューションサービスへの展開も図っています。本記事では、2025年7月期の業績を振り返りながら、今後の展望や中期目標について考察します。
業績動向
2025年7月期の業績は、売上高が前年同期比14.7%増の3,794百万円、営業利益が398.0%増の339百万円と大幅な増収増益を達成しました。主な要因は、マンガ誌アプリ「少年ジャンプ+」のシステム運用保守やレベニューシェアの収益貢献です。ただし、第4四半期にはレベニューシェアが伸び悩み、計画には若干未達となりました。
2026年7月期の見通し
2026年7月期の業績見通しは、売上高が前期比1.7%増の3,859百万円、営業利益は同59.7%減の136百万円と予測されています。
テクノロジーソリューションサービスは順調に成長するものの、受託開発の減収や広告宣伝費の負担が減益要因となる見込みです。
事業概要
はてなは、ユーザー生成コンテンツ(UGC)サービスを中心に事業を展開しています。
「はてなブックマーク」や「はてなブログ」などのプラットフォームは、ユーザーが自由にコンテンツを発信・拡散できる場を提供しており、広告収入の主要な源となっています。
コンテンツマーケティングサービス
企業向けにオウンドメディアの構築・運用支援を行うコンテンツマーケティングサービスも展開しています。
新サービス「はてなCMS」は、ノーコードで簡単にWebサイトを制作・運用できる機能を提供しており、高いセキュリティと直感的なユーザーインターフェースが特長です。
テクノロジーソリューションサービス
企業向けにシステム監視サービスやアプリケーションの監視を提供するテクノロジーソリューションサービスも成長しています。
「GigaViewer」や「Mackerel」が成長の中心であり、今後の収益増加が期待されています。
受託サービスの展望
はてなは、主に出版業界向けにブラウザやアプリでマンガや小説を閲覧できるサービスを提供しています。
売上の大部分は受託開発料や運用料、レベニューシェアから構成され、テクノロジーソリューションサービスの70%以上を占めています。
主力サービスの成長
2017年に開始したマンガビューワ「GigaViewer」は、現在17社、25メディアに導入されており、Web版マンガビューワとしての地位を確立しています。
導入実績には、任天堂の「イカリング2」やKADOKAWAの「カクヨム」などがあり、ユーザーの行動をビジネスに活かしたサービスの提案力が強みとされています。
クラウド支援サービス
はてなが2014年から提供している「Mackerel」は、サーバーやアプリの稼働状況を一元的に監視できるサービスです。
使いやすいUIとAPI機能が特長で、主にインターネットサービス企業やゲーム制作企業が利用しています。導入実績は1,000社以上に上り、月額利用料が低いため解約率は非常に低いです。
財務状況と経営指標
2025年7月期末の資産合計は前期比541百万円増加し、3,450百万円となりました。流動資産は631百万円増加し、純資産は256百万円増加の2,816百万円となりました。
自己資本比率は81.6%を維持し、無借金経営を続けています。直近2期は収益性が低迷していましたが、2025年7月期は売上高営業利益率8.9%、ROE8.6%、ROA10.7%と3期ぶりに上昇しました。
今後の展望と中期目標
はてなは、2028年7月期に売上高50億円、経常利益率10%以上を目指しており、「GigaViewer」や「Mackerel」を成長エンジンとして、サービスの拡大を図る方針です。また、広告宣伝費の負担をしながら出版DXを進め、さらなるシェア拡大を見込んでいます。
新サービスの展開
新たに開発した生成AIを活用した「toitta」は、高い評価を受けており、今後の成長が期待されています。
2026年中にはARR1億円の達成を目指し、収益モデルの強化を図ります。受託サービスのストック型売上の比率は着実に上昇しており、顧客件数の拡大を通じて売上高の増加を目指す計画です。
株主還元策
同社は株主への利益還元を重視していますが、当面は無配を継続し、内部留保の充実を図る方針です。
直近の株価は業績の減益見通しを受けて下落しており、1株当たり純資産が945.11円となっています。自己株式取得なども検討されています。
まとめ
はてな株式会社は、UGCサービスを中心に多様な事業を展開する企業であり、特にテクノロジーソリューションサービスの成長が期待されています。
今後の業績見通しや中期目標に照らし合わせながら、さらなる成長と収益性の向上を図る施策が求められています。特に新サービスの開発や収益モデルの強化が鍵となるでしょう。
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2025年04月08日に掲載されたはてな<3930>のレポート要約
元レポートは下記の通りです。
はてな<3930>レポートPDF
出典元:FISCO
はてな株式に関するレポート:業績動向と今後の展望
要約
はてなの業績は好調を維持し、2025年7月期には再上方修正の余地があるとされています。
マンガビューワ「GigaViewer」の成功やテクノロジーソリューションサービスの成長が業績向上に貢献しています。
2025年7月期中間期の業績概要
はてな株式会社の2025年7月期中間期の業績は、前年同期比で売上高が21.1%増の1,964百万円、営業利益が1,199.6%増の224百万円と過去最高を更新しました。
特に、「少年ジャンプ+」へのサービス提供が業績向上の大きな要因となっています。
今後の見通し
2025年7月期の業績見通し
はてな株式会社の2025年7月期の業績計画は上方修正され、さらなる上振れ余地があります。
特に、テクノロジーソリューションサービスの好調な受注推移が修正計画の更なる上振れにつながる見通しです。
成長戦略
はてな株式会社の成長戦略では、テクノロジーソリューションサービスを成長エンジンと位置付け、2027年7月期には売上高50億円を目指しています。
「GigaViewer」や「次世代Mackerel」を活用し、経常利益率を安定的に超える水準を目指しています。
2025年7月期の業績見通しと成長戦略
1. 2025年7月期業績見通し
はてな株式会社の2025年7月期業績見通しでは、売上高、営業利益、経常利益、当期純利益が期初計画を上回る見込みです。
円高や人員配置の効率化により、修正計画はさらに上振れする可能性が高いとされています。
2. 成長戦略
はてな株式会社の成長戦略では、2027年7月期には売上高50億円を目指し、テクノロジーソリューションサービスとコンテンツマーケティングサービスを中心に年率15%前後の売上成長を目指しています。
内部留保を優先し、株主還元につなげる方針であることが明らかにされています。
このように、はてな株式会社は着実な業績向上と成長戦略を展開し、将来的な企業価値向上に向けて努力を続けています。
業績の好調さや成長戦略の着実さが株主にとっても期待される要素となっています。
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