GMOリサーチ&AI〈3695〉は、インターネットリサーチ業界を牽引する企業として、AIを活用した生産性向上と高付加価値化を進めています。
2024年12月期第3四半期は特殊要因により減益となったものの、第4四半期以降はV字回復を見込むなど、事業の底堅さを維持。
アジア最大級のパネルネットワークを背景に、調査会社から事業会社中心の収益構造へ転換を図りながら、AIによる新たな付加価値創出を進めています。
2024年12月12日に掲載されたGMOリサーチ&AI<3695>の企業分析
元レポートは下記の通りです。
GMOリサーチ&AI<3695>レポートPDF
出典元:FISCO
GMOリサーチ&AI〈3695〉、AI戦略で業績回復へ アジア最大級リサーチ基盤で新たな成長局面に
会社概要:アジアを代表するインターネットリサーチ企業
GMOリサーチ&AIは、GMOインターネットグループに属するリサーチテック企業で、インターネットを活用した市場調査・データ収集サービスを国内外に展開しています。
2002年にGMO総合研究所として設立され、2006年に旧GMOリサーチを吸収合併。
現在はAI技術を活用した新しい市場調査モデルを構築し、業界のDXを推進しています。
主力サービスには、
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市場調査プラットフォーム「GMO Market Observer」
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企業が自ら調査を行えるDIY型プラットフォーム「GMO Ask」
があり、幅広い業界にリサーチソリューションを提供しています。
強み:アジア最大規模の調査パネルネットワーク
同社の最大の強みは、日本・アジア最大規模を誇る「ASIA Cloud Panel」。
登録パネル数は6,744万人を超え、世界でも第9位の規模を誇ります。
高品質なデータ収集と高いリーチ力により、国内外の企業から厚い信頼を得ており、
AIを活用したパネル品質の最適化にも取り組んでいます。
業績動向:第3四半期は一時減益も、年後半から回復基調へ
2024年12月期第3四半期は特殊要因による影響を受け、売上高3,657百万円(前年同期比3.8%減)、
営業利益73百万円(同75.7%減)と減収減益で推移しました。
ただし、特殊要因を除くと売上高は3.6%の増収を確保しており、
本業の収益力は堅調に維持されています。
取引区分別の動向は以下の通りです。
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事業会社向け:+20.3%増
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国内調査会社向け:▲6.5%減
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海外調査会社向け:+7.3%増
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グローバルパネル会社向け:▲31.5%減
利益率の高い国内事業会社向け取引を拡大する一方、
低収益となりやすいグローバルパネル会社向け販売を縮小するなど、
構造的な収益改善が進んでいます。
財務状況:健全なバランスシートを維持
2024年12月期第3四半期末の資産合計は2,746百万円。
現金・預金は121百万円減少、売掛金は125百万円減少しましたが、
自己資本比率は上昇しており、財務基盤は健全です。
成長戦略:AIを軸にした4つのステップ
GMOリサーチ&AIは、AIによる事業効率化と新サービス創出を中核に、
次の4つの成長ステップを掲げています。
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販売先の再フォーカス — 収益性の高い事業会社向け取引を強化
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AIによる生産性向上 — 調査設計・集計業務の自動化
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業界全体のAI化推進 — クライアント企業の調査効率を向上
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M&Aによる事業拡大 — 海外拠点強化・新市場への進出
これらの施策により、利益率の改善と持続的な成長を目指しています。
株主還元策:安定配当を維持しつつ中長期成長を重視
2024年12月期の配当予想は1株当たり114.84円で据え置き。
2025年12月期以降は連結配当性向50%程度への収束を目指し、
安定した株主還元を継続する方針です。
一方で、AI開発・海外展開などの成長投資も積極的に行い、中長期的な企業価値の最大化を目指しています。
今後の展望:第4四半期から業績回復を見込む
2024年12月期は一時的な減益が予想されるものの、第4四半期以降は業績のV字回復が見込まれています。
AI技術の本格導入や高収益チャネルへのシフトが進むことで、2025年以降は再び成長軌道へ乗る可能性が高まっています。
まとめ
GMOリサーチ&AI〈3695〉は、AI技術とリサーチ事業の融合を進めることで、データビジネスの新たな価値創造に挑む企業です。
短期的には減益局面を迎えたものの、構造改革とAI戦略の成果が
中長期での業績拡大につながる見通し。
アジア最大級の調査ネットワークを武器に、
データ×AIによる次世代リサーチ市場のリーダーとして
今後の展開が注目されます。
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