ギックス<9219>データで意思決定を変えるDX企業|80億円成長計画に注目

ギックス〈9219〉は、企業の意思決定を「データに基づく判断(Data-Informed)」へ導くDX支援企業です。
2025年6月期は大型案件のコスト超過で営業損失を計上したものの、2026年6月期は黒字化を見込み、売上高3,500〜4,000百万円へと大幅な成長を計画。
M&Aを含む積極的な事業拡張と自社プラットフォーム「ADS(Adaptable Data System)」の展開により、2028年に売上80億円を目指す中長期戦略を進めています。

2025年10月28日に掲載されたギックス<9219>の企業分析

元レポートは下記の通りです。
ギックス<9219>レポートPDF
出典元:FISCO

ギックス〈9219〉企業分析生成AI活用が進む中で、「人×データ」の融合による価値創造に注目

1. 企業概要

ギックス株式会社(Gixo)は、「あらゆる判断を、Data-Informedに。」を企業理念に掲げ、データに基づく意思決定を支援するDX企業です。
コンサルティングとアナリティクスを融合したDI(Data-Informed)ソリューションを提供し、企業の経営・マーケティング・業務プロセスの最適化を支援しています。
主力サービスには、データ分析支援を中心とした「DIコンサルティング」と、クラウド型データ活用プラットフォーム「DIプラットフォーム」があります。

また、Webアプリ「Mygru」など、自社開発のプロダクトを通じて、顧客の嗜好や行動データを収集・解析する仕組みを強化。
データ利活用の民主化を目指し、企業・行政・生活者の間に“データを軸とした新しい関係性”を築くことを目指しています。


2. 2025年6月期の業績概要

2025年6月期の連結売上高は 23億9,800万円(前年同期比+13.3%)

ANAグループやJALなど大手企業との取引拡大が寄与し、堅調な増収を達成しました。
一方で、コスト超過プロジェクトが発生し、営業損失は9,900万円となりました。

リソースを大型案件に集中させた影響で、その他プロジェクトの進行に遅れが出たものの、案件品質と顧客満足度の向上が進んでおり、次期以降の収益改善に繋がる基盤を築いたとされています。


3. 2026年6月期の業績見通し

2026年6月期の業績は、

  • 売上高:35〜40億円(前年比+45.9〜66.8%)

  • 営業利益:1億3,000〜1億5,000万円(黒字転換見込み)

  • 経常利益:1億1,000〜1億3,000万円

  • 純利益:1,000〜3,000万円

と予想されています。
今期は、コスト管理体制の強化と、M&Aによる事業領域拡大を同時に進めることで、黒字化を確実に実現する見通しです。


4. 成長戦略

ギックスは、中期的に年平均成長率(CAGR)40%を目標に掲げ、2028年6月期には売上高80億円規模を目指しています。
成長ドライバーとして以下の3点を挙げています。

  1. M&Aによる事業領域拡大(インオーガニック成長)
    └ データ解析・マーケティング支援企業とのシナジー創出を図る。

  2. 新サービス領域の開発
    └ 「Adaptable Data System(ADS)」構想のもと、業種・業態を問わないデータ基盤を構築。

  3. 既存クライアントの深耕
    └ 大手企業との長期パートナー契約を拡大し、安定的なストック収益モデルを形成。


5. 市場環境と成長余地

国内のビッグデータ/アナリティクス市場は、2024年時点で約2兆749億円規模
2027年には約3兆541億円まで拡大する見通しです。
生成AIや予測型AIの普及により、データドリブン経営への需要が高まっており、ギックスの「Data-Informed型支援」はこのトレンドと合致しています。


6. 財務と株主還元

ギックスは成長投資を継続しながらも、安定配当方針を維持しています。
2026年6月期の配当は 1株あたり53.5円 を予定。
マッコーリー・バンクとの「ターゲット・イシュー・プログラム(TIP)」契約により、将来的なM&A資金を確保し、資本効率の高い成長を目指します。


7. 今後の注目ポイント

短期的には黒字転換の実現と、M&A効果の顕在化が焦点となります。
中長期的には、自社データ基盤(ADS)の完成度と、DIプラットフォーム事業のストック化が鍵を握ります。
大型案件への依存度を下げ、持続的収益モデルを確立できるかが、次の成長ステージへの分岐点となるでしょう。


筆者コメント

ギックスは、「データの翻訳者」として企業と生活者をつなぐ独自の立ち位置を築きつつあります。
現状は開発コストが利益を圧迫していますが、同社のData-Informed思想は生成AI時代の中核に位置する概念です。
AI頼みではなく「人の判断×データの洞察」を両立させる企業として、今後の成長ポテンシャルは極めて高いと見ています。

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