フタバ産業〈7241〉は、自動車マフラー分野で国内首位、世界でもトップクラスのシェアを持つ自動車部品メーカーです。
トヨタグループ向けを中心にグローバル展開を進めており、北米・欧州・中国など幅広い地域で事業を行っています。
2026年3月期中間期は、売上高こそ前年同期比で減少したものの、北米市場での受注回復や生産合理化の進展により、営業利益・経常利益・純利益が大幅に増加しました。通期ではROE10%回復が見込まれており、新中期経営計画の数値目標達成も視野に入っています。
本記事では、FISCOレポートを基に、フタバ産業の足元の業績改善要因、地域別の見通し、新中期経営計画と株主還元方針について整理していきます。
2025年12月16日に掲載されたフタバ産業<7241>の企業分析
元レポートは下記の通りです。
フタバ産業<7241>レポートPDF
出典元:FISCO
フタバ産業〈7241〉利益回復フェーズへ|北米合理化と価格転嫁の進捗を読む
1. 企業概要と事業構造
フタバ産業は、1945年設立の自動車部品メーカーであり、特に自動車マフラー(排気系部品)では国内首位、世界でもトップ3クラスのシェアを有しています。
主な取引先はトヨタグループで、売上高の約8割を占めており、同社の業績はトヨタの生産動向と高い相関を持ちます。
事業は以下の5分野で構成されています。
-
排気系部品(売上構成比 約50%)
-
ボデー・内装部品
-
足回り部品
-
外販設備事業
-
農業事業
なかでも排気系部品が収益の中核であり、電動化が進む自動車業界においても、当面は安定した需要が見込まれています。
2. 2026年3月期中間期の業績動向
2026年3月期中間期の連結業績は以下の通りです。
-
売上高:3,294億円(前年同期比▲5.7%)
-
営業利益:86億円(同+58.1%)
-
経常利益:87億円(同+146.4%)
-
親会社株主に帰属する中間純利益:63億円(同+302.4%)
売上高は減少したものの、利益面では大幅な改善が見られました。
この要因としては、北米市場での受注回復、生産合理化の進展、営業外費用の減少などが挙げられます。
特に、これまで収益を圧迫してきた北米事業において、採算改善が進んだ点は大きな変化と言えます。
3. 通期業績見通しと利益改善の背景
2026年3月期通期の業績見通しは以下の通りです。
-
売上高:6,500億円(前期比▲8.1%)
-
営業利益:160億円(同+5.4%)
-
経常利益:160億円(同+20.5%)
-
親会社株主に帰属する当期純利益:120億円(同+93.3%)
売上高は減少見込みである一方、利益は増益基調が維持される計画となっています。
利益改善の主因は以下の3点です。
-
北米市場での生産合理化改善
-
価格転嫁の進展
-
中国拠点の集約による固定費削減
これにより、これまで課題とされてきた収益体質の改善が進み、ROEも10%水準への回復が見込まれています。
4. 地域別の業績見通し
2026年3月期の地域別売上高見通しは以下の通りです。
-
日本:2,100億円
-
北米:1,280億円
-
欧州:400億円
-
中国:460億円
-
アジア:170億円
中国市場は依然として厳しい環境が続く見込みですが、北米市場ではトヨタの生産回復を背景に増益効果が期待されています。
同社の業績回復は、北米主導で進んでいる点が特徴です。
5. 中長期成長戦略と新中期経営計画
フタバ産業は新中期経営計画において、以下の目標を掲げています。
-
ROE:10%以上
-
営業利益率:5.0%
-
既存事業の収益力強化と新規事業の育成
-
インド市場など成長地域への投資
特に、既存事業の採算改善を最優先課題としつつ、インドなど新興市場への展開を進める方針です。
短期的な拡大よりも、利益を確保できる体制構築に重点を置いた計画となっています。
6. 株主還元方針
株主還元については、2025年3月期末からDOE(株主資本配当率)3.5%を下限とする累進配当方針に変更しています。
-
2026年3月期 1株当たり配当金:40円(予定)
業績回復に応じて、安定的かつ継続的な配当を行う姿勢が明確になっており、株主還元の予見性は高まっています。
7. まとめ(投資視点)
フタバ産業は、売上規模の拡大よりも利益体質の改善が先行する局面に入っています。
北米市場の正常化と合理化の進展により、これまで低迷していたROEが回復基調にあり、新中期経営計画の実現性も高まりつつあります。
一方で、トヨタグループ依存や中国市場の不透明感といった構造的課題は引き続き注視が必要です。
それでも、「利益が出る状態に戻ったか」という観点では、転換点を迎えつつある企業と言えるでしょう。
筆者コメント
フタバ産業は「売上より利益」が明確に改善している点が印象的です。
北米での合理化や価格転嫁が効き始めており、これまで低迷していたROEもようやく正常水準に戻りつつあります。トヨタグループ依存という構造は変わりませんが、その前提条件の中で“収益を出す体制”が整ってきた局面と見ています。
■ この企業を含む【6.自動車・輸送機セクターまとめ】はこちら
[6.自動車・輸送機セクター株最新動向]
無料で株価チャートや決算データ、アナリストコメントなどを確認でき、企業分析の精度を高められます。
松井証券「マーケットラボ」徹底ガイド|無料機能・使い方・米国株版・他社比較まで解説
ここから確認
2025年08月18日に掲載されたフタバ産業<7241>のレポート要約
元レポートは下記の通りです。
フタバ産業<7241>レポートPDF
出典元:FISCO
株式会社フタバ産業株式会社とファタバ産業株式会社のビジネスレポート
フタバ産業株式会社のリサーチ分析
2025年度第3四半期の業績は収益と利益が減少したが、フタバ産業株式会社は財務状況を改善し、配当政策も変更した。
設立80周年を迎える同社は、2025-2027年の新しい中期経営計画に基づいて、成長投資に切り替える方針。
同社は自動車部品の製造・販売を手がけ、日本最大の自動車マフラー製造・販売業者であり、世界トップ3に位置している。主要事業は、自動車や他の車両部品の製造・販売であり、主にボディ/インテリア部品、排気システム/燃料システム部品、アンダーキャリッジ部品を製造・販売している。
2025年度第3四半期の連結業績は、売上高が前年比11.1%減の7071億円、営業利益が21.0%減の151億円、経常利益が28.2%減の132億円、親会社所有者に帰属する利益が51.6%減の62億円となり、収益と利益が減少した。
しかし、会社は財務力を改善し、配当政策も変更した。2026年度の連結業績予測では、売上高が前年比3.8%減の6800億円でありながら、営業利益は5.4%増の160億円、経常利益は20.5%増の160億円、親会社所有者に帰属する利益は93.3%増の120億円を見込んでいる。
同社は2025年5月に新しい3年間の中期経営計画を発表し、その中でROEが10.0%以上、営業利益率が5.0%(2027年)を目指すとし、成長戦略として既存の自動車部品事業、新事業の商品化、インドビジネスの成長に貢献する成長投資、株主還元を位置づけている。
フタバ産業株式会社の企業情報
- 企業倫理と行動ガイドライン: Charter, Charter of Conduct, およびFutaba Action Guidelinesは、時代と環境の変化に合わせて、新たに企業行動規範とFutaba Action Guidelinesとして再定義されました。
持続可能な社会の実現、人権の尊重、気候変動への対応など、変化する時代に伴う環境や社会問題に取り組むために実施すべき役割と行動が追加されています。 - ビジネス概要: 80年の歴史の中で、ファタバ産業株式会社は新技術に果敢に挑戦し、競争力の源となる技術開発能力と製造能力を深化させてきました。
製品企画、設計、開発から生産準備、製造までの一貫した生産システムを世界規模で構築しています。特に、自動車メーカー向けの製品企画において、構造提案を可能にするシステムを持っており、高品質で高性能な部品構造を提案しています。 - ビジネスの成果動向: FY3/25の売上と利益が減少したものの、財務力を維持しています。
FY3/26の売上は中国での厳しい販売状況により減少する見込みですが、企業全体での合理化改善により利益が増加する見通しです。
結論
フタバ産業株式会社は、技術開発能力や製造能力を強化し、持続可能な社会の実現や環境問題に積極的に取り組んでいます。
ビジネス概要や成果動向を踏まえると、同社は変化する市場と環境に適応し、成長を継続するための強みを持っています。
■ この企業を含む【6.自動車・輸送機セクターまとめ】はこちら
[6.自動車・輸送機セクター株最新動向]
2025年07月09日に掲載されたフタバ産業<7241>のレポートを要約しました。
元レポートは下記の通りです。
フタバ産業<7241>レポートPDF
出典元:FISCO
フタバ産業の持続的成長を支える要因とは?
会社概要と沿革
フタバ産業は創業80年の歴史を持ち、自動車業界向けに部品生産を行っています。自動車用排気管の生産を開始した1945年の創業当初から、技術力とモノづくり力を強みとして、1990年代からは海外進出を本格化し、グローバル展開を果たしています。
事業概要と業績動向
フタバ産業は自動車等車両部品、外販設備、農業製品の製造・販売を主要事業とし、自動車部品事業が売上高の9割超を占めています。
トヨタグループが主要得意先であり、2025年3月期の売上構成では排気系/燃料系部品が最大のシェアを誇っています。
業績面では、2025年3月期は国内と中国で苦戦し、減収減益となりましたが、財務的には余力があり、積極的な対策を講じています。
財務状況と経営指標
2025年3月期末の財務状況では、資産合計は前期比で減少しましたが、自己資本比率は上昇し、有利子負債比率は下がっています。
キャッシュ・フローには収支があり、財務活動も堅調です。フタバ産業は環境に配慮したモノづくりを通じて社会に貢献し、持続的な成長と社会貢献を目指していることが伺えます。
成長戦略と株主還元策
新中期経営計画では、成長投資や株主還元に重点を置き、収益力向上を目指しています。
成長戦略では、キャッシュ・フローを成長投資に振り向ける戦略を採用し、既存事業の成長、新規事業の事業化、インド事業の拡大などを重点的に推進しています。
株主還元策では、配当方針を変更し、DOE3.5%を下限とした累進配当を採用しており、株主還元にも積極的な姿勢を示しています。
フタバ産業は持続的な成長を実現するため、技術力の強化とグローバル展開を進め、環境変化に柔軟に対応することが求められます。
今後も新たな成長戦略を展開し、業績向上と株主価値の向上を目指していくことが期待されます。
■ この企業を含む【6.自動車・輸送機セクターまとめ】はこちら
[6.自動車・輸送機セクター株最新動向]
松井証券の「マーケットラボ」は、銘柄分析・チャート・四季報・スクリーニングまでを無料で使える高機能ツールです。
本記事では、松井証券マーケットラボの使い方、機能一覧、米国株版との違い、そして他社ツールとの比較までを徹底解説。
初[…]
