【企業分析レポート】イー・ガーディアン<6050>|業績・成長戦略・投資ポイントまとめ

イー・ガーディアン(6050)は、ソーシャルサポート(SNS監視・投稿チェック等)とサイバーセキュリティを主軸に、BPO/ネットセキュリティ事業を展開する「総合ネットセキュリティ企業」です。
2025年9月期中間期では増収増益を達成し、業績の底打ちが確認されたうえで通期も増収増益見通しを据え置くなど、回復基調を強めています。
AI技術活用や合弁会社設立、スポットワーカー導入等のトピックスも盛り込まれており、成長戦略・株主還元策にも注目が集まります。

2025年06月23日に掲載されたイー・ガーディアン<6050>のレポート要約

元レポートは下記の通りです。
イー・ガーディアン<6050>レポートPDF
出典元:FISCO


事業概要と強み

  • 同社は、投稿監視、SNSモニタリング、風評調査、カスタマーサポート、ゲームデバッグ、Web脆弱性診断、WAF(Web アプリケーション ファイアウォール)提供など、ネットセキュリティ領域で幅広いサービスをワンストップで提供。

  • 事業構成を見ると、中間期の売上構成比では ソーシャルサポート:62.9% が主力。
    以下、ゲームサポート:12.7%、プロセス・アド事業:11.1%、サイバーセキュリティ:8.1%、その他:5.1% の順となっている。

  • 強みとして、人的ノウハウを活かした有人監視と、AIツール・自動化技術の併用によるコスト適正化というハイブリッドモデルを挙げている。
    特に、AI・RPA技術を導入して、これまで労働集約型だった広告審査やプロセス業務を効率化する動きも進められている。

  • また、海外展開(ベトナム、フィリピン等)や子会社・合弁会社の整備も進めており、グループ全体での体制強化を図っている。


業績動向(中間期および通期予想)

中間期実績(2025年9月期 上期)

  • 売上高:5,868百万 円(前年同期比 +2.6%)

  • 営業利益:929百万 円(同 +5.8%)

  • 経常利益:933百万 円(同 +7.0%)

  • 親会社株主帰属中間純利益:607百万 円(同 +13.4%)

  • 売上進捗率:通期計画に対して 約 47.5%

  • 営業利益進捗率:通期計画に対して 約 51.1%

ソーシャルサポート分野が成長軸を担い、EC/フリマ、投稿監視、風評対応案件での需要増加が寄与。
既存顧客との取引拡大や、センター稼働率向上、派遣社員から正社員化推進などの構造改善も利益拡大に貢献している。

通期予想(2025年9月期)

  • 売上高:12,365百万 円(前年比 +8.5%)

  • 営業利益:1,819百万 円(前年比 +6.7%)

  • 経常利益:1,824百万 円(前年比 +6.8%)

  • 親会社株主帰属純利益:1,220百万 円(前年比 +15.4%)

通期予想は上期実績からの進捗率も順調で、業績底打ちの流れを通期でも維持する見込み。


トピックス・成長戦略

  1. 高度AI利用 BPO 分野の拡張
     AIを活用した業務自動化や効率化案件の獲得を強化。RPAや自社AIモジュールを広告審査やバックオフィス業務に適用し、差別化を図っている。

  2. 合弁会社設立(SMBCほか)
     三井住友グループとの資本業務提携・合弁会社を設立し、サイバーセキュリティ領域の共同提案体制を構築。中小企業や自治体向け対策サービス強化を狙う。

  3. スポットワーカー制度(タイミー等との連携)
     ワークシェアリング型スポットワーカーを試験導入。BPO業務の柔軟稼働化と人材確保の課題対応を両立させる狙い。

  4. システム強化(hinagata、メールテンプレート AI化 他)
     メールテンプレート管理機能の自動タグ付け、検索機能 AI 学習化など、システム改修を通じた業務効率向上を加速。顧客対応速度・正確性改善を目指す。


株主還元政策・リスク対応

  • 配当政策:2025年9月期は 35.0円 を予定(配当性向目安 30%)

  • 株主優待制度:毎年 100 株以上保有株主に対し QUO カード等による優待を実施中

  • リスク要因として、人材確保難、受注遅延、規制強化、風評被害対応 等を挙げ、これらが業績変動を誘発する可能性を警戒している。


投資家視点まとめ(記事風締め)

FISCO レポートによれば、イー・ガーディアンは ソーシャルサポート事業を基軸 に据えながら、AI導入・効率化・新業態展開 を通じて構造改革を進めています。中間期における増収増益の達成と、通期見通しの順守は、業績回復局面への本格復帰を示唆するものです。

合弁会社設立やスポットワーカー導入などのトピックスも、将来拡大の種として注目できます。ただし、人手不足や業務遅延、技術導入の失敗リスクなど、外部環境変化には引き続き警戒が必要です。

投資判断を行う際は、以下点を抑えておくとよいでしょう:

  • 中間期実績と通期予想の進捗動向

  • AI/RPA導入効果が利益に与えるインパクト

  • 合弁会社戦略・提携効果の具体化

  • 新規受注案件・顧客基盤拡大の実績

  • 人材確保・運用品質維持の実効性


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