Chordia Therapeutics〈190A〉は、武田薬品工業からのスピンアウトとして誕生した創薬ベンチャーで、小分子抗がん剤の研究開発を専門としています。
主力パイプラインである「CTX-712」は、RNA制御異常を標的とする革新的な抗がん剤として、米国でフェーズ1/2臨床試験を実施中。
さらに、小野薬品工業との提携によるMALT1阻害剤の共同開発など、パートナーシップを活かした早期収益化戦略も進行しています。
堅実な資金基盤を維持しながら、2030年までにR&D志向型の製薬企業として確立を目指す同社の動向に注目が集まっています。
2024年12月12日に掲載されたChordia Therapeutics<190A>の企業分析
元レポートは下記の通りです。
Chordia Therapeutics<190A>レポートPDF
出典元:FISCO
Chordia Therapeutics〈190A〉、抗がん剤開発で存在感を強化 ― 主力候補「CTX-712」が次段階へ
hordia Therapeutics株式会社(190A)は、小分子抗がん剤の研究開発を行うバイオベンチャーです。
武田薬品工業のスピンアウトとして2017年に設立され、独自の創薬技術を基盤に「研究開発型製薬企業(R&D-oriented pharma)」を目指しています。
主力開発品「CTX-712」を軸に、血液がんおよび固形がん領域で臨床開発を進めています。
企業概要と開発パイプライン
Chordia Therapeuticsは、小分子創薬によるがん治療薬の開発を専門としています。
主力パイプライン「CTX-712」はRNA制御異常に起因する腫瘍増殖を標的とするCLK阻害剤であり、米国において急性骨髄性白血病(AML)などを対象にフェーズ1/2臨床試験を実施中です。
また、免疫関連経路を標的とするMALT1阻害剤など複数のパイプラインを有し、血液がんから固形がんまで幅広い領域への展開を目指しています。
臨床進展と市場ポテンシャル
CTX-712は、初期臨床試験において安全性および有効性の両面で有望な結果を示しています。
RNAスプライシングの異常を抑制するという独自の作用機序から、既存薬では対応が難しい患者層への治療可能性が期待されています。
ChordiaはまずAML市場を主要ターゲットとし、その後、他のがん種への適応拡大を図る計画です。AML市場は世界的に需要が高く、同剤が成功すればブロックバスター候補としての成長余地があります。
戦略的提携とライセンス展開
同社は、研究・製造・流通の各段階で複数の戦略的パートナーシップを構築しています。
特にMALT1阻害剤に関しては小野薬品工業との共同開発契約を締結しており、免疫チェックポイント阻害薬との併用を視野に入れた共同研究が進行中です。
契約には一時金・マイルストーン収入・ロイヤリティなどが含まれており、これらの提携は同社の早期収益化と事業基盤の強化に寄与しています。
財務状況と経営方針
近年は研究開発への積極投資により営業損失が続いていますが、手元資金は約2年分の事業運営に必要な水準を確保しています。
必要に応じて株式発行などのエクイティ・ファイナンスにより追加資金を調達する方針です。
経営陣は、主力候補CTX-712の価値最大化とパイプラインの多角化を軸に、2030年までに黒字化と研究開発型製薬企業としての確立を目標に掲げています。
まとめ
Chordia Therapeutics〈190A〉は、RNA制御異常を標的とする革新的抗がん剤開発で注目を集めています。
フェーズ1/2試験の進展、MALT1阻害剤をはじめとする戦略的提携、そして堅実な資金運営により、今後の成長が期待されます。
研究開発型製薬企業としての確立に向け、同社の動向は今後も注目すべき局面にあります。
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