ベルシステム24ホールディングス(6183)は、国内トップクラスの規模を持つコンタクトセンター大手です。
2026年2月期中間期は、売上収益・利益ともに前年を上回り、営業利益率は8.1%まで改善しました。通期では売上収益1,500億円、営業利益120億円を見込み、配当は年間60円を予定しています。
生成AI活用、BPO領域の拡張、海外強化を軸に、2031年2月期の売上収益2,500億円・営業利益率10%以上を目指しています。
2025年11月12日に掲載されたベルシステム24ホールディングス<6183>の企業分析
元レポートは下記の通りです。
ベルシステム24ホールディングス<6183>レポートPDF
出典元:FISCO
ベルシステム24ホールディングス〈6183〉企業分析|中期増収・利益率改善へ、生成AI活用とBPO拡張で収益基盤を強化
1. 会社概要
ベルシステム24は、1982年に設立された国内有数のCRM/BPO企業で、国内35拠点・約18,100席を運営しています。
東証プライム市場に上場し、伊藤忠商事やTOPPANホールディングスとの資本・業務提携を活かし、国内外で事業を展開しています。
海外はベトナム・タイ・台湾に進出しており、特にベトナムでは持分比率80%まで引き上げて連結子会社化しています。
2. 2026年2月期中間期の業績
中間期の連結業績は以下の通りです。
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売上収益:731億43百万円(前年同期比+1.5%)
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営業利益:59億14百万円(同+22.9%)
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税引前利益:57億67百万円
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中間利益:38億23百万円
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営業利益率:8.1%(改善)
好調だった要因は、スマートコンタクトセンター業務の増加と、中規模案件の積み上げ、収益改善策の寄与です。
CRM事業(主力)
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売上収益:729億67百万円(同+1.6%)
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税引前利益:57億19百万円(同+24.3%)
収益性の高い案件が増えたことで利益率が向上しました。
3. 2026年2月期 通期見通し
会社は以下の見通しを示しています。
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売上収益:1,500億円(前年比+4.5%)
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営業利益:120億円(同+3.6%)
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当期利益:81億円(同+1.2%)
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年間配当:60円(配当性向54.5%)
株主還元方針は「連結配当性向50%目標」で、安定配当を重視しています。
4. 事業内容と収益構造
同社の主力事業はCRM領域で、カスタマーサポート、テクニカルサポート、セールスサポート、バックオフィス業務などを展開しています。
■ 収益構造の特徴
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高利益率のCRM事業が収益の柱
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コロナ関連業務の反動はあるが、案件ミックス改善で利益率は持ち直し
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営業CFは110億円超、フリーCFは108億円と良好
■ 財務の健全性
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資産合計:1,736億73百万円
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負債合計:1,005億81百万円
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資本合計:730億92百万円
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自己資本比率:41.7%
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現金・現金同等物:90億42百万円
5. 戦略・トピックス
5-1. 生成AIの活用
2023年6月に 「生成AI Co-Creation Lab.」 を設立し、
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ナレッジ自動生成
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オペレーター支援
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顧客対応ログの解析
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CX改善
などを推進しています。
生成AIを業務に組み込むことで、応対品質の標準化・効率化が進むと期待されています。
5-2. M&A・資本提携を活用した領域拡大
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カスタマーリレーションズ株式 51%取得(AI活用領域の強化)
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TBネクストコミュニケーションズ、CTCファーストコンタクトなどと連携
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海外ではベトナムを中心に展開を強化
5-3. 中期経営計画2025
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BPO市場の開拓
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内製センターからのアウトソース需要の取り込み
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中小業者の買収を含めた規模拡大
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VOC(顧客の声)を活用したマーケティング支援の強化
生成AIを軸とした新サービス育成が大きなテーマとなっています。
6. 中長期目標(2031年2月期)
会社は以下を数値目標として掲げています。
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売上収益:2,500億円
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営業利益率:10%以上
CRM/BPO事業の拡大と、AIによる業務効率化が実現の鍵になるとしています。
7. リスク要因
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オペレーター採用難(労務コスト上昇)
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一時的案件の反動減
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価格交渉力の確保
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市場の二極化による競争激化
8. 総括
ベルシステム24は、2026年2月期中間期に増収・大幅な増益を実現し、利益率も改善しました。
通期も増収増益を見込んでおり、配当も安定的です。中長期では、生成AIの活用とBPO市場の深耕により、収益基盤の強化と事業拡大を図る方針です。
2031年に向けて、2,500億円・営業利益率10%以上という目標への進捗が焦点となります。
筆者コメント
ベルシステム24は、労働集約的なコールセンター業務のイメージが強い企業ですが、現在はその枠を超えて「AIを活用した顧客体験の最大化」を進めている点が大きな特徴です。
特に生成AIを組み込んだ業務効率化や品質向上は、今後の利益率改善に直結しやすい領域だと感じます。
また、配当性向50%を目標に掲げるなど、株主還元も明確で、ディフェンシブ性と成長性を両立しやすい企業です。
今後は、AI活用の具体的な成果や、中期計画の実行速度が評価のポイントになると思います。
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2025年05月14日に掲載されたベルシステム24ホールディングス<6183>のレポート要約
元レポートは下記の通りです。
ベルシステム24ホールディングス<6183>レポートPDF
出典元:FISCO
ベルシステム24ホールディングスの業績と成長戦略に関する包括的レポート
会社概要と事業概要
ベルシステム24ホールディングスは、全国35拠点を持ち、18,100席のブースを擁するコンタクトセンター大手企業です。
主力事業はCRM事業を中心に展開し、国内外で事業を展開しています。
2025年2月期には売上収益の99.7%をCRM事業が占め、高い利益率を見込めるソリューションモデルへの変革を進めています。
財務面では、有利子負債の減少や自己資本比率の安定など、安定した資金繰りを示しています。
業績動向と今後の見通し
2025年2月期には、コロナ関連業務の終了による影響で減収減益となりましたが、営業利益率は8.1%と高水準を維持しています。
2026年2月期においては、CRM事業の増収により増益を予想しており、今後も業績の向上に注力する方針です。
また、2026年度の売上収益は前年比4.5%増の150,000百万円を見込み、営業利益率を8.0%で維持する計画です。
成長戦略と株主還元策
ベルシステム24ホールディングスの中長期の成長戦略では、外注化ニーズへの対応や生成AIの活用、マーケティング支援など様々な取り組みが行われています。
2031年2月期の売上収益目標は2,500億円であり、株主還元にも重点を置いており、配当性向を維持しながら積極的な株主還元を目指しています。
中間配当と期末配当の年2回の配当を行うなど、安定かつ継続的な配当を実施しています。
このように、ベルシステム24ホールディングスは安定した業績と成長戦略、株主還元策を組み合わせ、着実な経営展開を行っています。
今後も新技術の活用や事業拡大に注力し、持続的な成長を目指していくことが期待されています。
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2024年11月22日に掲載されたベルシステム24ホールディングス<6183>のレポートを要約
元レポートは下記の通りです。
ベルシステム24ホールディングス<6183>レポートPDF
出典元:FISCO
ベルシステム24ホールディングスの事業と業績に迫る
事業概要と会社概要
2025年2月期第2四半期の決算では、ベルシステム24ホールディングスはコロナ等国策関連業務の影響による減収減益を記録しました。
同社はCRM事業を主軸に、カスタマーサポート業務やセールスサポート業務などを提供する全国37拠点を擁する大手コンタクトセンター企業です。
伊藤忠商事とTOPPANホールディングスとの資本業務提携を通じて、企業価値向上を目指す取り組みを行っています。
業績動向と財務状況
2025年2月期第2四半期の連結業績は減収減益となりましたが、営業利益率や自己資本比率は市場平均を上回り、収益性と安定性が高く評価されています。
財務面では資産合計が増加し、自己資本比率が高水準を維持しており、キャッシュ・フローも改善しています。
今後の見通しと中期経営計画
2025年2月期の業績見通しでは、基礎業務やM&Aなどの施策により計画達成を目指します。
中期経営計画2025では、売上収益1,800億円、営業利益165億円を目指し、人材活躍やデータ活用の高度化などに重点を置いて事業を展開します。
同時に、株主還元策として配当性向50%の目標を掲げ、安定配当を行う方針を示しています。
2025年2月期連結業績予想と株主還元策
2025年2月期の連結業績予想では、売上収益153,000百万円、営業利益12,500百万円が見込まれており、コロナ関連業務の減収を補う基礎業務の増収が期待されています。
また、中期経営計画では、新たなBPO市場の開拓や人材・型化・共創の施策を推進し、目標達成を目指します。
ベルシステム24ホールディングスは、業績の安定と成長を目指し、戦略的な取り組みを積極的に展開しています。今後の展望に期待が寄せられる企業と言えるでしょう。
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