AZ-COM丸和ホールディングス〈9090〉は、小売業向けに特化したサードパーティ・ロジスティクス(3PL)事業を主力とする物流企業です。
2026年3月期中間決算では、新規取引先の獲得やEC物流の拡大を背景に、売上・利益ともに計画を上回る大幅な増益を達成しました。
本記事では、同社の事業内容や中間期決算の概要に加え、中期経営計画2028に基づく成長戦略や今後の注目点について整理します。
2025年12月02日に掲載されたAZ-COM丸和ホールディングス<9090>の企業分析
元レポートは下記の通りです。
AZ-COM丸和ホールディングス<9090>レポートPDF
出典元:FISCO
AZ-COM丸和ホールディングス〈9090〉2026年3月期中間決算を踏まえた企業分析
(2025年12月2日掲載/出典:FISCO)
企業概要
AZ-COM丸和ホールディングスは、物流事業を主力とする企業であり、特に小売業向けに特化したサードパーティ・ロジスティクス(3PL)事業を展開しています。
物流センター業務を中核に、商品の調達・入荷から保管、流通加工、出荷・検品までを一貫して担う体制を構築しており、顧客ニーズに応じた柔軟な物流サービスを提供しています。
全国に269拠点の物流ネットワークを有し、EC物流、低温食品物流、医薬・医療物流といった分野に強みを持っています。
沿革と事業基盤の拡大
同社は1973年に設立され、M&Aを活用しながら事業基盤の拡大を進めてきました。
タローズ、アズコムビジネスサポート、北海道丸和ロジスティクスなどを株式交換により完全子会社化し、物流機能の強化を図っています。
2014年に東京証券取引所市場第2部へ上場し、2015年には第1部へ市場変更、2022年には市場区分見直しによりプライム市場へ移行しました。また、2022年には持株会社体制へ移行しています。
2024年には(株)ルーフィを完全子会社化し、顧客基盤の拡充を進めました。
2026年3月期 中間期決算概要
2026年3月期中間期の連結業績は、売上・利益ともに大幅な増加となり、計画を上回る進捗を示しました。
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売上高:113,054百万円(前年同期比 +11.4%)
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営業利益:6,068百万円(同 +40.2%)
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経常利益:6,269百万円
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親会社株主に帰属する中間純利益:3,991百万円
輸配送事業では一部取引先における業務縮小の影響が見られたものの、3PL事業の成長がそれを補い、全体として増収を確保しました。
事業別動向
物流事業全体の売上高は、前年同期比11.5%増の111,514百万円となりました。
中でもEC常温3PL事業は22.5%増の36,729百万円と高い成長を示しており、同社の成長を牽引しています。
新規顧客の獲得や既存取引先との取扱量拡大に加え、コスト削減の取り組みが進んだことも、利益増加に寄与しました。
通期業績見通し(2026年3月期)
2026年3月期の連結業績予想は以下の通りです。
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売上高:220,000百万円
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営業利益:11,900百万円
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経常利益:12,000百万円
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親会社株主に帰属する当期純利益:7,300百万円
引き続き3PL事業を中心とした取引先拡大が見込まれており、増収増益基調が維持される見通しです。
財務状況と経営指標
2026年3月期中間期末時点の資産合計は158,551百万円となり、前年度末から約20,000百万円増加しました。
自己資本比率は38.8%と、財務の健全性はおおむね良好な水準を維持しています。
収益性指標については、
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ROA(総資産経常利益率):7.9%
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ROE(自己資本当期純利益率):13.0%
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売上高営業利益率:5.4%
となっており、安定した収益モデルを維持している一方、資産効率のさらなる改善が課題とされています。
キャッシュ・フローの状況
キャッシュ・フローの状況は以下の通りです。
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営業活動によるキャッシュ・フロー:7,035百万円の収入
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投資活動によるキャッシュ・フロー:18,665百万円の支出
(有形・無形固定資産の取得が主因) -
財務活動によるキャッシュ・フロー:6,771百万円の収入
(転換社債の発行が主な要因)
積極的な投資を行いながら、資金調達を通じて成長投資を支えています。
中期経営計画と中長期戦略
同社は「中期経営計画2028」を策定し、2028年3月期に以下の目標を掲げています。
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売上高:280,000百万円
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経常利益:20,000百万円
売上高の年平均成長率10%超を目指し、
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グループ機能の強化
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新規事業開発
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オペレーションの進化
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環境変化に強い企業体制の構築
といった施策を推進しています。
今後の展望
今後は、EC市場や医薬品関連物流の成長を背景に、物流事業のさらなる拡大を図る方針です。
ラストワンマイル事業については成長が期待される一方、市場環境の変化や一部撤退の影響が業績に及ぼす可能性も指摘されています。
2026年3月期の業績予想では、売上高220,000百万円、営業利益11,900百万円と増収増益が見込まれており、3PL事業の拡大が引き続き成長の軸となります。
株主還元策
2026年3月期の1株当たり配当金は32.0円を予定しており、安定的な株主還元を継続する方針です。
まとめ
AZ-COM丸和ホールディングス〈9090〉は、小売業向け3PLを中核とした物流事業を強みとし、EC物流や医薬・低温物流といった成長分野で事業拡大を進めています。
2026年3月期中間期は大幅な増収増益を達成しており、通期計画の達成も視野に入る状況です。
中期経営計画に基づく成長戦略の進捗と、投資拡大が収益性や資産効率にどのようにつながっていくかが、今後の注目点といえるでしょう。
筆者コメント
AZ-COM丸和ホールディングスは、小売業向け3PLという明確な強みを持ち、EC物流や医薬・低温物流といった成長分野で事業拡大を続けている企業です。
2026年3月期中間期は、3PL事業の拡大を背景に大幅な増収増益となり、事業モデルの収益力があらためて示されました。
一方で、積極的な設備投資や資産拡大が続いており、今後は投資効率や資産回転の改善が注目点となります。
中期経営計画2028では、売上高28兆円、経常利益200億円という高い目標が掲げられており、成長投資がどのように収益性向上へつながっていくかが、今後の評価ポイントになりそうです。
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2025年07月03日に掲載されたAZ-COM丸和ホールディングス<9090>のレポート要約
元レポートは下記の通りです。
AZ-COM丸和ホールディングス<9090>レポートPDF
出典元:FISCO
AZ-COM丸和ホールディングス株式会社の事業展開と成長戦略
会社概要と主力事業
物流事業を主力とする多角化企業
AZ-COM丸和ホールディングス株式会社は、小売業に特化した大手顧客を抱える物流事業が主力である。
1973年に設立され、M&Aと事業の多角化により企業規模を拡大してきた。
同社グループは、EC物流、低温食品物流、医薬・医療物流の事業展開が特徴であり、輸配送事業と3PL事業に分かれており、グループ合計269拠点の物流ネットワークを有している。
業績動向と成長戦略
2025年3月期の業績概要と中長期目標
2025年3月期の業績では、売上高は前期比4.9%増の208,370百万円となり、営業利益は同20.8%減の10,969百万円という結果を残した。
一方、2026年3月期の連結業績では増収増益を見込んでおり、新設センターの稼働などが寄与する見通しが示されている。
また、「中期経営計画2028」において、環境変化に強い高収益企業づくりを掲げ、売上高280,000百万円、経常利益20,000百万円、ROE15%以上を目標に掲げている。
財務分析とカシューフロー
財務状況と今後の見通し
財務面では、自己資本比率は前期末比0.7ポイント上昇の41.7%と健全性は良好であるが、D/Eレシオは減少傾向にあり、流動比率は前期比で大幅に減少している。
キャッシュ・フロー面では、営業活動によるキャッシュ・フローが減少傾向にあり、投資活動と財務活動によるキャッシュ・フローもマイナスを記録している。
現金及び現金同等物の減少が見られる。しかし、2026年3月期は増収増益の見通しがあり、新拠点の取扱物量増加が期待されている。
株主還元策と成長戦略
配当政策と重点施策
株主還元面では、累進配当の方針に基づき、2026年3月期の1株当たり配当金は32.0円を予定しており、株主還元に積極的な姿勢を示している。
また、各事業ドメインにおける重点施策が示され、売上高の成長率を高める取り組みが明確化されている。
以上がAZ-COM丸和ホールディングス株式会社の事業展開と成長戦略に関する総括である。
同社は物流事業を軸にした多角化展開と、中長期の成長目標に向けた戦略を着実に推進していることが伺える。
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