2026年1月第3週の東京株式市場は、
「米欧対立・関税懸念による調整」と「イベント通過後の急反発」が鮮明となる、ボラティリティの高い1週間となりました。
週前半は米国の関税政策や衆院選を巡る不透明感を背景に、日経平均は5日続落。
しかし週後半は、米欧対立懸念の後退、国内金利の上昇一服、日銀会合の無難通過を受けて買い戻しが加速し、日経平均は再び5万4000円台を回復する場面も見られました。
全体動向(週の要因分析)
① 米欧対立・関税リスクが一時的な重荷に
週前半の最大の下落要因は、
トランプ米大統領によるグリーンランド取得を巡る強硬姿勢と、欧州への追加関税示唆でした。
これにより、
-
米欧摩擦の激化懸念
-
世界景気減速リスク
-
米ハイテク株安
が同時に意識され、日本市場でも海外投資家を中心に利益確定売りが優勢となりました。
特に、金利上昇に弱いハイテク・半導体、不動産株の下げが目立ちました。
② 衆院解散・消費減税観測と「高市トレード」の質的変化
19日から20日にかけては、
衆院解散の正式表明と消費税減税方針が伝わり、財政拡張期待そのものは維持。
ただし、前週までの急騰局面と比べると、
-
政策期待を背景にした指数一辺倒の上昇
→ セクター間の選別・循環物色へ
と、市場のフェーズは一段進んだ印象です。
実際、
-
食料品・小売(イオン、セブン&アイ)
-
ディフェンシブ株
が買われる一方、
半導体・値がさ株は調整色が強まりました。
③ 金利動向と半導体株の戻り
20日まで急ピッチで上昇していた国内長期金利は、22日以降に一服。
これが相場の安心材料となり、半導体株を中心に買い戻しが発生。
さらに、
-
ディスコの業績見通し
-
米欧対立懸念の後退
-
ソフトバンクG傘下アーム株の上昇
が重なり、
アドテスト・東エレク・SBGの3銘柄だけで日経平均を800円近く押し上げる日もありました。
日別サマリー(5日分)
■【1月19日(月)】続落 ▲352円
日経平均:53,583円
米関税政策や衆院選を巡る不透明感から利益確定売りが優勢。
一時800円安も、先高観を背景に下げ渋り。
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高市トレードの初動調整
■【1月20日(火)】続落 ▲592円
日経平均:52,991円
米欧摩擦懸念と国内金利上昇で売りが拡大。
ハイテク・半導体・不動産が軟調。
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地政学+金利のダブルパンチ
■【1月21日(水)】5日続落 ▲216円
日経平均:52,774円
米株安を受け一時800円安も、押し目買いで下げ幅縮小。
先物買いが下支え。
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売り一巡、底打ち探り
■【1月22日(木)】反発 +914円
日経平均:53,688円
米欧対立懸念後退、金利低下で急反発。
半導体主導で1100円超上昇。
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イベント後の自律反発
■【1月23日(金)】続伸 +157円
日経平均:53,846円
日銀会合・衆院解散を無難に通過。
決算シーズン入りを意識した選別物色。
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初心者向け解説
① なぜ「悪材料」が出ても急反発するのか?
相場は「ニュース」より「想定との差」で動きます。
株式市場を見ていると、
「悪いニュースが出たのに、なぜか株価が上がる」
そんな場面に出会うことがあります。
ですが、これは相場ではよくある動きです。
ポイントは、
株価はニュースそのものよりも、市場が事前にどこまで織り込んでいたかで動く、という点です。
株は「今どうか」ではなく、
これからどうなりそうかを先に考えて値段がつきます。
たとえば今回の米欧対立についても、
ニュースが出る前から市場では、
-
関税が強化されるかもしれない
-
景気に悪影響が出るかもしれない
といった不安が広がり、その分、株価はすでに下がっていました。
そのため、実際に材料が出たときに
「思っていたほど悪くならなさそうだ」
「最悪のシナリオではなかった」
と受け止められると、売られていた株が一斉に買い戻されることがあります。
これが、悪材料が出たあとに株価が反発する理由です。
特に今回のように急に戻る場面では、株価の下落を見込んで売っていた投資家が、
反転を見て慌てて買い戻す動き(ショートカバー)も重なり、上昇が加速しやすくなります。
② 金利が株価に与える影響
なぜ金利が落ち着くと、株は安心されるのでしょうか。
金利の話は少し難しく感じやすいですが、仕組みをシンプルに考えると理解しやすくなります。
株は、
企業がこれから生み出す利益を、今の価値に置き換えて評価したものです。
このとき、金利は
「将来のお金を、どれくらい割り引いて考えるか」
を決める役割を持っています。
-
金利が低いと、将来の利益の価値は大きく見えます
-
金利が高いと、将来の利益の価値は小さく見えます
そのため、金利が上がる局面では、
将来の成長を期待されているハイテク株や成長株が売られやすくなります。
今週の前半は、
米欧対立に加えて国内金利が急に上昇したことで、市場全体に「少し慎重になろう」という雰囲気が広がっていました。
22日に入って金利の上昇がいったん落ち着くと、
「これ以上、急いで売る必要はなさそうだ」
と感じる投資家が増え、買い戻しにつながりました。
株価の反発を見たときは、
金利がどう動いていたかを一緒に確認してみると、相場の流れが理解しやすくなります。
③ 調整=トレンド終了ではありません
― 強い相場ほど、休む時間が必要です
株価が何日か続けて下がると、
「この上昇はもう終わりなのでは?」
と不安になりますよね。
ですが、相場では
上昇が続くほど、途中で一息つく場面が必要になります。
短期的に利益が出た投資家が利益を確定したり、
大きな資金が一度ポジションを軽くしたりすることで、相場は少し落ち着きを取り戻します。
こうした調整があることで、次に買いたい投資家が入りやすくなり、
結果的に上昇トレンドが続きやすくなることも多いです。
今回の下落局面でも、
-
下げ幅が徐々に縮小していった
-
下値では買いが入りやすかった
-
業種ごとに物色が入れ替わっていた
といった動きが見られました。
これらは、
資金が市場から抜けているのではなく、動き方が変わっている
ことを示しています。
調整局面では、無理に判断を急がず、
-
ポジションを少し軽くする
-
分けて買う
-
逆指値でリスクを管理する
といった形で、
相場と少し距離を保つことも大切です。
まとめ
-
株価はニュースの内容よりも「想定との差」で動きます
-
悪材料が出たあとに反発するのは、相場では珍しくありません
-
金利の動きは、株価の安心感・不安感に直結します
-
調整は、上昇トレンドが続くための自然な動きであることも多いです
最初は戸惑うことも多いと思いますが、
こうした視点を少しずつ持てるようになると、相場を見るのがだんだん楽になってきます。
総括/来週の注目点
総括
2026年1月第3週は、
-
米欧リスク・関税懸念で調整
-
金利一服・イベント通過で反発
-
市場は「指数主導」から「選別物色」へ
という、相場の地合いを確認する1週間でした。
来週の注目点
② 為替(円安トレンド継続か)
③ 米国株(ハイテクの戻り)
④ 選挙関連政策の具体化
スタンス
-
押し目は業績×テーマ株
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半導体は分割エントリー
-
金利動向を常にチェック
-
急騰局面はロット抑制
-
逆指値でリスク管理
【前週】2026年1月第2週市況|高市政権・衆院解散観測で日本株急騰
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