【2025年】東京株式市場まとめ|金利・円安・政局で動いた一年を振り返る
2025年の東京株式市場は、金利・為替・政局が複雑に絡み合いながらも、史上初の「日経平均4万8000円台」を突破した歴史的な一年となりました。
米国の利下げ観測や円安進行を背景に海外マネーが流入し、AI・半導体・商社などの成長セクターが主役に。
一方で、関税政策や政局イベントといった突発的なニュースが相場を揺らす場面も多く、「イベントを吸収しながら上値を伸ばす」強い日本株の地合いが際立ちました。
四半期ごとに見ると、第1四半期はAI相場の幕開け、第2四半期は関税と為替で乱高下、第3四半期は高市新総裁誕生と円安トレンドが重なった局面。
ニュース主導ながらも押し目買いが根強く、バリュー株やディフェンシブ株が支えとなる展開が続きました。
この記事では、2025年1〜9月の市場動向を四半期別に総括し、セクター別のトレンドや投資テーマをわかりやすく整理。
初心者にも理解しやすい「キーワード解説」や「今後の注目ポイント」も掲載しています。
2025年相場の全体像を振り返りつつ、2026年に向けた戦略のヒントとしてご活用ください。
年間総括(2025年1〜9月時点)
2025年の東京株式市場は、金利・為替・政局が交錯する中で、戦後初となる「日経平均4万8000円台」という史上最高値を記録しました。
米国の利下げ観測、円安進行、そして自民党総裁選での高市早苗氏の新総裁就任など、政治と金融が重なり合う一年となりました。
上半期(1〜6月)は、米インフレ鈍化とAIブームが相場をけん引。
下半期(7〜9月)は、日米関税交渉や政局の変化を受けつつも、海外マネーの流入と円安基調が日本株の強さを支えました。
総じて2025年は、「イベントで揺れながらも押し目は買われる」——そんな強気の地合いを証明する年となっています。
四半期別サマリー
第1四半期(1〜3月)|AI相場の幕開け、関税・為替・半導体が交錯
2025年1〜3月の東京株式市場は、「米関税政策」「円相場の変動」「AI・半導体関連の調整」が交錯し、激しい値動きが続いた3カ月でした。
年初は世界的な金利安定とAI関連株の買い戻しを背景に堅調にスタートしましたが、2月以降は米通商政策をめぐる不透明感が強まり、外部要因に左右されやすい展開へと変化。
最終的に日経平均は3万7000〜3万8000円台を中心に上下動を繰り返し、「ニュース主導の波乱含み相場」となりました。
1月はAI関連・半導体・金融株が相場をけん引し、円安基調と米金利低下を追い風に上昇。
2月はトランプ政権による関税強化報道や米ハイテク株安、為替の円高転換で日経平均が一時3万7200円台まで急落。
3月はバフェット氏による商社株買い増し報道を契機にバリュー株が上昇し、3万8000円台を回復したものの、月末は「相互関税構想」や配当権利落ちを受けて再び調整に入りました。
全体として、「関税」「金利」「為替」の3要因が相場の方向性を決め、半導体・自動車といった景気敏感株と商社・通信・医薬品などのディフェンシブ株との資金ローテーションが顕著でした。
ニュースやイベントで一時的に揺れながらも、下値では押し目買いが入り、内需・バリュー株の底堅さが確認された四半期です。
➡ 詳細:2025年第1四半期 株式市場まとめ|関税・円相場・AI半導体ブームに揺れた新年相場
第2四半期(4〜6月)|関税・為替・半導体が交錯した乱高下の春相場
4〜6月の東京株式市場は、「関税ヘッドライン」「為替急変」「半導体サイクル」の三要因が複雑に絡み合い、日経平均が上下に激しく振れた三ヶ月でした。
4月は米中の相互関税報道をきっかけに、歴代級の乱高下を記録。1週間で2,000円超の下げと上げが交錯しながらも、月末には7連騰を達成し3万6,000円台を回復しました。
5月は為替と関税ニュースが交錯する中、米株高や関税懸念の後退を背景に持ち直す場面が続き、MSCI定期見直しでは需給の偏りが値動きを増幅。
6月は米中摩擦・円高・中東リスクが重なり一時調整となりましたが、半導体・ディフェンシブ株が下支えし、最終的には下値を固める展開となりました。
半導体、自動車、機械など景気敏感セクターと医薬品などディフェンシブの資金ローテーションが明確化し、イベントごとに投資家心理が切り替わるニュース主導相場が続いた四半期でした。
➡ 詳細:2025年第2四半期 株式市場まとめ|関税・為替・半導体で極端な値幅、後半は持ち直し
第3四半期(7〜9月)|高市新総裁誕生と円安・AI半導体ブームが融合
夏から秋にかけての3カ月は、関税・金利・政局という3要因が同時に動く展開。
トランプ米大統領による関税強化報道や、日米交渉の進展を経て、8月には日経平均が史上最高値を連日更新しました。
そして9月、自民党総裁選で高市早苗氏が新総裁に就任。政策期待と円安進行が重なり、海外投資家の買いが加速しました。
AI半導体、自動車、商社、電線株が市場をリードし、「イベントを吸収しながら上値を伸ばす」強い地合いを維持。
東京市場は3カ月連続で高値圏を維持しました。
➡ 詳細:2025年第3四半期 株式市場まとめ|日経平均最高値更新の夏相場を振り返る
セクター別ハイライト(2025年通期)
セクター | 主な動き |
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半導体 | 年初から主役。AI・クラウド需要拡大で東エレク・アドテスト・ディスコが高値圏維持。 |
自動車 | 円安の追い風と日米関税合意でトヨタ・マツダ・SUBARUが上昇。 |
商社 | バークシャー・ハサウェイの買い増し報道で人気継続。 |
電線・インフラ | フジクラ・住友電工が注目。インフラ投資テーマで資金流入。 |
金融 | 利下げ観測を背景に軟調も、為替安定で後半にかけて回復基調。 |
医薬品 | ディフェンシブ資金の受け皿。中外薬品・第一三共が堅調。 |
初心者向け:2025年によく出たキーワード解説
キーワード | 意味・ポイント |
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AI半導体 | 生成AIブームの中心。エヌビディア決算が世界市場を動かす。 |
円安進行 | 輸出企業の業績改善に直結。株高要因として機能。 |
FOMC | 米国の金利政策を決める会合。金利据え置きは株にプラス。 |
日銀会合 | 金融緩和が続く限り株式市場には支援材料。 |
関税政策 | 日米交渉の進展が株価を左右。自動車・鉄鋼など輸出株に影響。 |
政局イベント | 政策期待と市場心理を同時に動かす。2025年は高市新総裁が象徴的。 |
2025年の投資トレンドまとめ
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「AI×円安×政策期待」で日本株が世界の注目を集めた年
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半導体・輸出・商社といった成長テーマ株への集中投資が続く
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政策・金利イベントを挟みつつも、押し目では資金流入が継続
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個人投資家の参加増加、信用買い残の拡大など需給改善が顕著
第4四半期(10〜12月)への注目ポイント
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FRBの年内利下げ時期が最大の焦点
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高市新総裁の政策運営・内閣発足の影響
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企業決算(特に半導体・自動車・金融)
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円相場と米株動向(ドル円・ナスダック・SOX指数)
これらが日本株の年末ラリーを左右する可能性があります。
過熱感に注意しつつ、「材料に反応するテーマ株中心の戦略」が鍵となりそうです。
投資初心者へのまとめアドバイス
2025年は、「ニュースを読むだけで投資感覚が鍛えられる年」でした。
金利・為替・政策・AIといったキーワードを理解することで、なぜ株価が動いたのかが自然と見えるようになります。
来年に向けては、短期の値動きに惑わされず、テーマの本質を追う姿勢が重要です。
「何が成長を支えるのか」を見極める——それが2026年相場への第一歩です。