今週の全体動向
2025年7月最終週(7/28〜8/1)の東京株式市場は、米国の金融政策(FOMC)、日銀の政策決定会合、そして米雇用統計といった重要イベントを前に投資家の警戒感が強まりました。日経平均株価は4営業日続落した後、週末には反発。高値圏での利益確定売りが目立つ一方で、半導体や電線株など材料株には買いが入りました。
初心者向け解説①:FOMCとは?
FOMC(米連邦公開市場委員会)は、アメリカの中央銀行にあたるFRBが開く会合です。ここで政策金利の方針が決まります。
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金利を上げる → 株式市場からお金が流出しやすく、株価は下がりやすい
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金利を据え置く/下げる → 株式市場に安心感が広がり、株価は上がりやすい
今回のFOMCは「金利据え置き」となり、市場に安心感が広がりました。
初心者向け解説②:日銀の政策決定会合とは?
日本銀行も定期的に金融政策を決める会合を開いています。ここでは「金利」や「金融緩和策」の方針が決まります。
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金利据え置き → 株価にはプラスに働きやすい
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金利引き上げ → 企業の資金調達コスト増で株価にマイナス要因
今回の日銀会合も金利据え置きで、市場はポジティブに受け止めました。
日別の市況まとめ
7月28日(月)|続落、高値警戒感から利益確定売り
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日経平均は続落し、4万1000円を下回って終了。
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半導体関連株や直近上昇銘柄への利益確定売りが主体。
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前週末の米株高や米欧の貿易合意で一時買い先行も、利益確定売りが重石に。
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東証株価指数(TOPIX)、JPXプライム150指数もそろって続落。
7月29日(火)|3日続落、関税交渉合意後の反動安
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日経平均は3日続落、前日比323円安の4万0674円。
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日米関税交渉合意後の反動で海外短期筋による利益確定売りが優勢。
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高値圏での調整色が強まり、相場は軟調推移。
7月30日(水)|4日続落、イベント前で持ち高整理
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日経平均は4日続落、19円安の4万0654円。
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翌31日のFOMC結果・日銀会合を控え、投資家がリスクを避け持ち高整理。
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日中は一時上昇する場面もあったが、引けにかけて売りが優勢。
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電線株(フジクラ・住友電・古河電)などに買いが入り、個別物色は活発。
7月31日(木)|5営業日ぶり反発、FOMC・日銀会合通過で安心感
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日経平均は5営業日ぶり反発、前日比415円高の4万1069円。
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米国ハイテク株高を受けて半導体関連に買い戻し。
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FOMCは政策金利据え置き、日銀も金利維持でサプライズなし → 相場に安心感。
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決算発表も相次ぎ、半導体・製造業を中心に買いが広がった。
8月1日(金)|反落、東エレク業績下方修正が重石
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日経平均は270円安の4万0799円。
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東エレクの業績予想下方修正が市場に波及し、半導体製造装置株が売られた。
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米雇用統計を控えて週末の持ち高調整売りも出やすい地合い。
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一方で自動車株は円安期待から底堅さを維持。TOPIXは3日続伸。
業種・銘柄別の動き
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半導体株:東エレクの下方修正で売られる一方、米ハイテク株高を背景に東京エレクトロンやディスコには買い戻しも。
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電線株:フジクラ、住友電工、古河電が大幅高。
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主力株:ファストリ、リクルート、ソフトバンクGは弱含み。KDDIや三菱重工などは決算を好感して上昇。
今週の総括と来週の展望
7月最終週の相場は「イベント前の調整」と「個別材料株への物色」が同居した一週間でした。日経平均は一時4日続落も、FOMC・日銀会合の通過で安心感が広がりました。
来週は米雇用統計が最大の注目材料です。労働市場の減速懸念が強まれば利下げ観測が台頭し、相場の方向性を左右する可能性があります。円相場や企業決算も引き続き注目され、投資家は慎重な姿勢を維持する必要があります。
投資初心者へのひとこと
株式市場の動きは「金利」と「為替」に大きく左右されます。これを理解するだけでも相場観がつかみやすくなります。