2025年11月第4週の東京株式市場は、米利下げ観測の再強化を背景に上昇基調へ回帰し、日経平均は再び5万円台を回復しました。
ソフトバンクグループ(SBG)と値がさ半導体関連が相場の中心となり、週後半は配当再投資の買いが下支え。
米国市場の休場による商い縮小や利益確定売りもありましたが、最終的には堅調な推移で週を終えました。
全体動向(要因分析)
今週の相場のテーマは 「利下げ再意識・AI/半導体回復・配当再投資・バリューへの資金回帰」でした。
| 強材料(上昇ドライバー) | 弱材料(下押し要因) |
|---|---|
| FRB高官による利下げ支持発言 → 追加利下げ観測強まる |
SBG急落による指数押し下げ |
| 米指標の低調 → 利下げ期待に資金回帰 | 半導体高値圏による利益確定売り |
| 配当再投資とNISA枠消化期待でバリュー強い | 5万円を上値抵抗とする戻り売り |
日別サマリー
11/25(月) 小幅反発 +33円
米利下げ期待を好感しハイテク買い先行。一時+500円も、 SBG急落(-10%超)で伸び悩み。
→ AI銘柄の選別が進行。過熱組に利益確定が出やすい地合い。
11/26(火) 大幅反発 +899円
米小売指標が弱く利下げ観測再燃。AI関連・商社・銀行・電力に幅広く資金。
→ TOPIX+1.96%、東証プライム9割高と全面高級の上昇。
11/27(水) 3日続伸 +608円
利下げ期待継続で先物買い強く、日経5万円台に復帰。不動産・建設など内需にも物色。
→ 達成感から戻り売りが出るも相場の地合いは強め。
11/28(木) 4日続伸 +86円
米休場・商い減で方向感乏しいが、配当再投資でバリュー優位。
半導体に調整売りが入り、日経は5万円割れも下値は限定的。
→ 月間は日経-4.11%、TOPIX+1.39%と明確な温度差。
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初心者向けテーマ解説
①「利下げ観測が株価を押し上げる理由」
利下げ期待=景気刺激の予告
これが市場に伝わると、株価は以下の流れで上がりやすくなります。
企業の資金調達コストが下がる
利下げが行われる(or期待される)と
銀行からの借入金利が下がる → 設備投資や事業拡大がしやすい。
例
- データセンター建設
- 新工場ライン増設
- 新規AI開発への投資
→ 未来の利益成長が期待され株価にプラス。
将来の利益の「現在価値」が上がる
株の本質は 将来得られる利益の割引合計 で決まります。
特に恩恵が大きいのは、
▶ 利益の伸び幅を評価されるグロース株
今週のAI・SBG・半導体の強さはまさにこれです。
投資先の比較で株式が有利になる
利下げ=債券利回り低下
| 金融商品 | 利下げ後の魅力度 |
|---|---|
| 債券 | 利回り低下=魅力減 |
| 株式 | 成長期待+リスクプレミアムで相対優位 |
特に今週は米利下げ観測の再浮上が資金回帰を誘発しました。
利下げ期待=「安心感」と「踏み上げ」を生む
利下げ示唆=景気悪化対策が整ったというシグナル
→ 売っていたファンドが買い戻し(ショートカバー)
※ 今週26〜27日の急騰はこのロジックに一致。
まとめ
利下げ期待は「企業のお金の負担を軽くし、将来利益の価値を高くし、他の投資先より株が有利になる」という3段階で株価の上昇圧力を作ります。
特に成長期待の強いAI・半導体・SBGなどは恩恵が大きく、今週の上昇はその典型例でした。
②「配当再投資」がバリュー株を押し上げる理由
11月は3月期決算企業の中間配当の入金月。
受け取った配当金は口座に現金として入りますが、その資金は
この資金フローが市場を押し上げるエンジンになります。
配当は追加資金として市場に戻る
投資家心理としては、
特に今の環境は、
-
円安進行
-
債権利回り低下
-
バリュー見直しの流れ
=「株に戻りやすい地合い」
どの銘柄に入りやすい? → 高配当×大型=最優先
配当再投資の資金は、
| 銘柄属性 | 買われやすさ |
|---|---|
| 大型株 | 流動性が高く効率的に資金を入れられる |
| 高配当株 | 入れたお金がまた配当を生む→再投資ループ |
| 景気敏感株・商社 | 業績安定&政策恩恵 |
| 銀行・電力 | 利回り水準が総じて高い |
=配当を配当で増やす「複利回転」が成立しやすいため、
再投資マネーが集中 → 株価の押し上げ圧力に。
今週、TOPIXバリューが連日高値更新したのはこれが背景にあります。
グロース株と違い「材料が不要で買われる」
AI・半導体は好決算やテーマで動く値動きの強い株ですが
バリュー株は、
指標も評価も重視されるため、金利低下や景気調整局面ではむしろ有利です。
今週の市場で、
半導体・グロースが調整した日に商社・銀行が堅調に推移したのは典型例といえます。
「12月はさらに強くなる可能性」あり
12月は追加で資金流入が見込まれます。
- NISA年内投資枠の使い切り
- 配当金の再投資が継続
- 海外勢のウィンドウドレッシング(年末ドレッシング買い)
特に商社・電力・銀行は継続監視が必要です。
まとめ
配当シーズンは「現金→再投資→高配当大型株へ流入」という資金循環が起こりやすく、材料がなくてもバリュー株の底堅さを生みます。
今週TOPIXバリューが連日高値をつけた背景は、この再投資フローとNISA消化の思惑が重なった結果といえるでしょう。
総括/来週の注目点
今週の結論
今週の日本株市場は、利下げ観測の再浮上が株価の押し上げ材料となり、日経平均は節目の5万円台を再び回復しました。
前週まで主導していた半導体・AI関連の一本足の相場ではなく、バリュー・商社・銀行・電力などへの資金の移動が明確に観測された点が大きな変化です。
特に、3月期企業の中間配当支払いによる配当再投資マネーの流入と、12月FOMC利下げ期待の高まりが相場の下支えとなり、TOPIXバリュー指数は連日で最高値を更新。
テーマ株一本ではなく、利回りと業績の裏付けを持つ銘柄群へ資金が還流する健全な循環相場へと形を変えつつあります。
一方で、半導体株は割高感と材料出尽くしで乱高下が続き、AI銘柄の中でも勝ち組と調整圧力の強い銘柄の明暗が鮮明化。
市場は「買えば上がる相場」から、「選別しなければ取れない相場」へステージが移行していると解釈できます。
総じて今週は、
TOPIX優位 → 日経は上下に大きく振れる展開
テーマよりも銘柄選択と分散がカギ
という構造変化を印象付ける1週間でした。
来週の注目ポイント
| テーマ | 注目理由 |
|---|---|
| 米FOMC(金利決定) | 利下げ幅・声明文のニュアンスで相場急変リスク |
| 為替(円安継続か) | 157円台維持なら輸出好感/急転円高なら調整圧力 |
| 年末需給(NISA枠消化) | 大型バリュー+高配当への資金流入強まる可能性 |
| AI・半導体の選別強化 | 強弱分岐が鮮明→テーマ内で銘柄格差拡大へ |
スタンス
・中期 → 高配当+バリュー優位継続シナリオ
・半導体は押し目狙い。循環物色なら商社/銀行/建設も視野に
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