2025年10月第3週|構造改革と高還元が作る超過リターン【守りと攻めで選ぶ10銘柄】

10月第3週はコスト高・人手不足・為替という逆風の中でも、構造改革・価格改定・ストック収益・海外展開が業績を押し上げる流れが鮮明に。

機械では井関農機〈6310〉が構造改革で利益急回復。
情報通信ではセグエ〈3968〉・ROBOT PAYMENT〈4374〉がサブスク/セキュリティ需要を取り込み、
小売はCRH〈3387〉・SFP〈3198〉がメニュー見直しと出店戦略で回復基調。
不動産のムゲンエステート〈3299〉は中古再販の追い風に乗り、
ディフェンシブのナガイレーベン〈7447〉は高還元と堅実成長を維持。
フルサト・マルカHD〈7128〉は「UNISOL」へのリブランディングでソリューション企業化を加速します。

「守りを固めつつ、稼ぐ仕組みを太くする」

——これが今週のキーワードです。

全体動向(セクター横断の示唆)

① 利益回復の主役は「構造改革×価格改定」
井関農機:固定費圧縮とライン最適化で営業益+97%。外食(CRH・SFP)もメニュー改定とオペ最適化で収益維持。

② ストック収益・SaaSがボラティリティを低減
ROBOT PAYMENT:リカーリング比率98%・高い営業利益率で安定成長。
セグエ:VADの大型案件+サブスク型保守で粗利改善。

③ 海外ドライブの再加速
井関:欧州景観整備向けと販路拡大が牽引。CRH:北米・ASEANで売上+28%台。
ムゲン:外国人投資家需要を着実に取り込み。

④ ディフェンシブ×高還元の再評価
ナガイレーベン:自己資本比率92%超・総還元性向200%超で守りの優等生。金利・市況変動下で評価軸が明確。

⑤ 物流は基盤再構築期
SBS:3PL・EC・国際が伸びる一方、プロパティの反動で減益。AI×拠点再編で中期の改善シナリオは維持。

⑥ 商社・技術卸はソリューション化へ
フルサト・マルカHD:IoT/DX・M&Aで付加価値を積み上げ、2026年から「UNISOL」ブランドで再加速を狙う。

⑦ エンタメはIPの多層化で収益平準化
エディア:ゲーム単体依存から、IP×メディアミックス(電子書籍・音楽・グッズ・イベント)で黒字転換と安定化へ。

投資スタンスの示唆

  • 安定積み上げ型:ROBOT PAYMENT/セグエ/ナガイレーベン

  • 攻めの再成長:井関農機/CRH/ムゲンエステート

  • 改革待ち・見極め:SBS(プロパティ再構築)、SFP(コスト&インバウンド再加速)

  • 変革テーマ:フルサト・マルカHD(UNISOL化)、エディア(IP多層化)

8. 機械セクター

井関農機〈6310〉

要約

農業機械の老舗メーカー。構造改革「プロジェクトZ」によりコスト効率が大幅に改善し、
2025年12月期中間期は 営業利益97%増(43億円) の過去最高水準を達成。
国内では米価上昇を背景に農機需要が回復、海外でも欧州を中心に販売拡大。
通期では 売上1,755億円(+4.2%)・営業利益35億円(+82.3%) を見込む。


KPI(主要指標)

  • 売上高:1,755億円(前期比+4.2%)

  • 営業利益:35億円(+82.3%)

  • 中間純利益:32億円(黒字転換)

  • 自己資本比率:安定水準

  • 海外売上比率:約50%

  • 配当:30円予定


成長戦略

構造改革「プロジェクトZ」推進
 製造・販売・開発の最適化で固定費圧縮。製品ラインを30%削減し収益性を改善。

国内市場の回復対応
 米価上昇を追い風に、トラクタ・田植機など更新需要を取り込み。

グローバル展開の強化
 欧州では景観整備用製品が好調。英国PTC社を子会社化し販路拡大。
 北米・ASEANでも長期的な需要取り込みを継続。

スマート農業への投資
 AI・IoT・ロボット技術を組み合わせた次世代農機の開発を推進。
 2030年までに欧州売上800億円規模を目標。


リスク

  • 海外経済減速による需要変動

  • 鋼材・部品などの原価上昇

  • 為替変動による利益圧迫

  • 投資回収の長期化リスク


還元方針

  • 年間配当30円(安定配当方針)

  • 利益成長に応じて段階的な増配を検討

  • 財務健全性を維持しつつ投資と還元を両立


一言まとめ

構造改革の成果が実を結び、利益率が急回復。
国内外の農機需要回復とスマート農業推進を両輪に、
再成長フェーズへ踏み出した老舗農機メーカー。

10. 情報通信サービス・その他セクター

セグエグループ〈3968〉

要約

サイバーセキュリティとITインフラに特化したソリューション企業。
2025年12月期中間期は 売上高100億円(+18.9%)・営業利益6.8億円(+97.5%) と過去最高を更新。
主力のVAD(バリューアッドディストリビューション)事業が大型案件で業績を牽引し、粗利率も改善。
中期経営計画「Segue300」を軸に、M&A・海外展開・セキュリティ強化で持続的成長を狙う。


KPI(主要指標)

  • 売上高:248億円(前期比+32.5%)

  • 営業利益:15.1億円(同+110.0%)

  • 自己資本比率:24.1%(+2.2pt)

  • 流動比率:120.9%

  • 進捗率:売上40%/営業利益45%(中間時点)

  • 配当性向:50%(年間配当13円予定)


成長戦略

VAD事業の拡大
 国内外セキュリティベンダーとの提携拡大、販売チャネル強化。

M&A・提携による事業拡張
 国内外の有力IT企業との協業でシナジー創出。

人材・技術投資
 セキュリティ・クラウドエンジニアの育成体制を整備。

海外展開
 タイ・ASEAN地域を中心にセキュリティソリューションを展開。

中期計画「Segue300」
 2026年に売上260億円・営業利益18億円を目指す。


リスク

  • 自己資本比率が低水準(成長投資負担)

  • 人材確保コスト上昇

  • 海外案件における為替リスク


還元方針

  • 配当性向50%維持で安定増配方針

  • 2025年12月期:13円(+2円)予定

  • QUOカードによる株主優待を継続実施


一言まとめ

VAD事業を軸にサイバーセキュリティ特化型商社として急成長。
大型案件と海外展開で利益倍増を達成し、M&Aによる多角化も加速。
「Segue300」で掲げる次世代IT基盤企業への進化に注目。

ROBOT PAYMENT〈4374〉

要約

BtoB決済とサブスクリプション管理の自動化に強みを持つDX企業。
リカーリング比率98%という極めて安定した収益構造のもと、2025年12月期中間期は 売上15.6億円(+19.6%)・営業利益3.8億円(+65.6%) と過去最高を更新。
主力の「サブスクペイ」「請求管理ロボ」が共に好調で、ARPU向上と契約継続率の高さが業績を牽引。
通期でも二桁増収増益を見込み、安定成長が続く。


KPI(主要指標)

  • 売上高:32億円(前期比+21%見込み)

  • 営業利益:6.8億円(同+60%見込み)

  • 営業利益率:24.6%

  • リカーリング比率:98%

  • 自己資本比率:約60%

  • 年間配当:22円(+2円、連続増配方針)


成長戦略ARPU(顧客単価)の引き上げ
 既存顧客の取扱高増加と機能追加により、LTV拡大を狙う。

一体型SaaSモデルの強化
 請求・決済の統合ソリューションとして中堅〜大企業層を開拓。

長期目標「2035年 売上150億円・営業利益24億円」
 BtoB決済・サブスク市場での国内リーディングポジションを確立。

プロダクト拡張
 「請求まるなげロボ」「ファクタリングロボ for SaaS」などの派生サービスを展開。


リスク

  • SaaS競合の増加による価格圧力

  • 顧客集中リスク(大口法人依存)

  • セキュリティインシデント発生時の信頼低下


還元方針

  • 年間配当22円(+2円)

  • 連続増配+記念優待(創立25周年)

  • 安定配当と長期株主拡大を重視


一言まとめ

請求・決済自動化のリーディング企業として、SaaS市場成長を追い風に堅調拡大。
リカーリング収益98%の安定基盤に加え、高い利益率と増配姿勢で投資妙味も高い。
BtoB決済DXの本命銘柄として注目度上昇中。

エディア〈3935〉

■要約

モバイルコンテンツ企業のエディア〈3935〉は、自社IPの強化とメディアミックス展開によって再成長を目指している。
2025年2月期上期は 売上14億円(+12.3%)・営業利益3,500万円(黒字転換) と回復軌道に乗り、
通期では 売上29億円(+8.5%)・営業利益1億円(+48%) を計画。
自社IP育成・他社人気作品とのコラボを軸に、ゲーム・電子書籍・音楽・グッズなど多層収益モデルを構築中。


KPI(主要指標)

  • 売上高:29億円(前期比+8.5%)

  • 営業利益:1億円(+48.1%)

  • リカーリング比率:約70%(安定収益基盤)

  • 自己資本比率:35%台(安定水準)

  • 主要事業:ゲームアプリ/電子書籍/ライツ(音楽・グッズ・イベント)


成長戦略

IPビジネスの多層展開
 ゲーム開発に加え、アニメ化・グッズ・音楽・イベントなど横断的に展開。
 「IP × メディアミックス」で収益源を分散化。

電子書籍事業の拡大
 女性向け・恋愛ジャンルでヒット作増。プラットフォーム広告・課金収益を安定化。

コスト最適化による利益体質改善
 外注費・開発費の適正化、人員再配置を進め固定費圧縮。
 リソース集中で利益率向上を図る。

中期テーマ:「自社ブランドの長期育成」
 自社IP比率の拡大と、海外ライツ輸出によるグローバル収益基盤構築を推進。


リスク

  • 新規IPのヒット依存度が高い構造

  • 開発コスト・外注費の上振れ

  • エンタメ市場のトレンド変動

  • 他社人気IPとの競合激化


還元方針

  • 安定配当を継続(詳細未公表)

  • 成長投資と還元のバランスを維持

  • 25周年記念優待導入で長期保有を促進


一言まとめ

黒字転換を果たし、「ゲーム会社」から「総合IP企業」へ進化中。
メディアミックス戦略で収益構造を刷新し、
自社IPを育てて稼ぐフェーズに入った再成長ステージ。

12. 運輸・物流

SBSホールディングス〈2384〉

要約

総合物流グループとして3PL(物流受託)、EC、国際物流の3領域を柱に事業を展開。
2025年上半期は 売上2,285億円(+3.1%)・営業利益63億円(−41.7%) と増収減益。
主力の物流事業が堅調に推移する一方、プロパティマネジメント事業の売却一巡で利益が圧迫。
通期では 売上4,850億円・営業利益205億円(−9.3%) を計画し、物流基盤を軸に着実な成長を維持している。


KPI(主要指標)

  • 売上高:4,850億円(+0.2%)

  • 営業利益:205億円(−9.3%)

  • 経常利益:410億円(−12.0%)

  • 配当性向:30%以上

  • 物流事業売上:1兆126億円(+7.9%)

  • 自己資本比率:安定水準(公表なし)


成長戦略

3PLの深化
 物流拠点の最適化と効率化、非採算エリア整理による収益率改善。

EC物流の拡大
 オンライン小売需要の増加を背景に、ラストワンマイル対応を強化。

国際物流の推進
 アジアを中心に海外ネットワークを拡充し、グローバル3PL企業へ。

デジタルロジスティクス投資
 AI・IoTを活用した配送最適化と省人化による生産性向上。

M&Aによる事業拡張
 外部パートナーとの統合で、グループ規模と事業範囲を拡大。


リスク

  • 物流業界全体の人手不足・人件費上昇

  • 燃料・エネルギーコストの上振れ

  • 不動産関連(プロパティ部門)の収益変動

  • 海外景気・為替変動リスク


還元方針

  • 配当性向30%以上を維持

  • 安定配当+増配を基本方針

  • ROE改善と財務健全化を両立

  • M&A・設備投資とのバランスを重視した資本政策


一言まとめ

物流×テクノロジーで「運ぶ」から「創る」へ。
3PL・EC・国際物流の三本柱を軸に、AI化・拠点再編・M&Aで構造的成長を目指す。
一時的減益局面にあるが、長期では利益体質の強化フェーズにある堅実成長企業。

13. 商社・卸売りセクター

ナガイレーベン〈7447〉

要約

医療・介護ユニフォームで国内トップシェア(60%超)を誇る医療白衣メーカー。
2025年8月期は 売上169.8億円(+3.5%)・営業利益35.8億円(▲10.5%) と増収減益。
原価高や納期ずれの影響を受けたが、財務基盤は極めて強固(自己資本比率92.5%)。
2026年8月期は 売上180億円・営業利益40.3億円(+12.3%) を計画し、再び増益転換を見込む。
高利益率・高還元を両立する“医療アパレルのディフェンシブ銘柄”。


KPI(主要指標)

  • 売上高:169.8億円 → 180億円(予想 +6.0%)

  • 営業利益:35.8億円 → 40.3億円(予想 +12.3%)

  • 売上総利益率:39.5%(前期比▲0.6pt)

  • 自己資本比率:92.5%

  • 営業CF:+21.8億円

  • 総還元性向:204.3%(過去20年平均77%)

  • 年間配当:60円予定(高配当・安定配当継続)


成長戦略

コア市場強化(医療・介護)
 ブランド力と安定供給力を武器に、主要顧客へのシェア拡大を継続。

周辺市場拡大
 福祉・介護施設や一般ユニフォーム分野への展開を強化し、新規需要を開拓。

海外市場開拓
 アジア地域を中心に日本品質を訴求。製品輸出と現地販売網の拡大を推進。

高付加価値商品戦略
 抗菌・防臭・ストレッチなどの高機能素材で差別化。医療従事者の快適性と耐久性を両立。


リスク

  • 原材料価格・物流コストの上昇

  • 医療機関の設備投資動向(更新需要の変動)

  • 海外市場進出の遅延リスク


還元方針

  • 年間配当:60円(継続方針)

  • 総還元性向204%(自社株買い含む)

  • 中長期的にも還元性向70〜80%を維持

  • 長期投資家重視の安定配当を堅持


一言まとめ

「医療白衣=ナガイレーベン」。
圧倒的シェアと財務健全性で“守りの優等生”ポジションを確立。
高配当×安定成長の王道ディフェンシブ銘柄として長期投資妙味が高い。

フルサト・マルカホールディングス〈7128〉

要約

2021年にふるさと産業とマルカが統合して誕生した総合技術商社。
「機械・工具」「建設製品」「建設機械」「IoTソリューション」の4事業を展開し、
製造・建設現場の課題解決型ソリューション企業への転換を加速中。
2026年1月には「UNISOLホールディングス」へ社名変更予定。
2025年12月期は 売上797億円(+1.2%)・営業利益150億円(−11.7%) と減益も、基盤は堅調。
長期的には「統合シナジー × IoT・DX戦略」で再成長を目指す。


KPI(主要指標)

  • 売上高:1,620億円(前期比 +0.2%)

  • 営業利益:350億円(同 −9.3%)

  • 経常利益:410億円(同 −12.0%)

  • 当期純利益:250億円(同 −45.8%)

  • 機械・工具部門:売上1,061億円(堅調)

  • 建設製品部門:431億円(減益)

  • 建設機械部門:89億円(安定)

  • IoTソリューション部門:38億円(黒字化達成)

  • 顧客基盤:16,000社、サプライヤー:4,500社


成長戦略

統合シナジーの最大化
 情報共有・販売効率を高め、グループ連携で顧客課題に対応。

IoT・DX事業の拡大
 製造・建設現場の自動化、省力化、データ活用ソリューションを強化。

M&A・アライアンス推進
 新規技術領域への参入と顧客基盤拡大を図る。

UNISOLブランド戦略
 2026年1月の社名変更を機に、課題解決型企業として再定義。


リスク

  • 建設投資の減少による建設製品部門の収益低下

  • 人件費上昇や原材料コスト増の継続

  • 統合後シナジーの発現スピード


還元方針

  • 年間配当:101円予定(DOE3.5%目標)

  • 安定配当+持続的増配を基本方針

  • 株主優待:QUOカード贈呈(個人株主重視)


一言まとめ

技術商社からソリューション企業へ。
統合シナジーとIoT投資を軸に、2026年の「UNISOL」ブランドで新たな成長段階へ。
中長期では、製造・建設分野の課題解決プラットフォーマーとして進化を続ける。

14. 小売りセクター

クリエイト・レストランツ・ホールディングス〈3387〉

要約

「磯丸水産」「鳥良商店」などを展開するマルチブランド外食グループ。商業施設・フードコート・居酒屋・専門業態を軸に、国内外1,100店舗超を運営。
2026年2月期中間期は 売上832億円(+8.8%)・営業利益49億円(+1.9%) と増収増益。原材料・人件費上昇をメニュー改定とコスト最適化で吸収。
海外(北米・シンガポール)は売上+28.7%と好調で、通期も 売上1,650億円・営利96億円(+12.9%) を見込む。
中期ではM&A・海外展開を成長ドライバーに、2030年に 売上2,300億円・営利160億円 を目指す。


KPI(主要指標)

  • 売上収益:1,650億円(+5.5%予想)

  • 営業利益:96億円(+12.9%)

  • 海外売上比率:7.6% → 10%台へ上昇見込み

  • 店舗数:1,100店舗超/新規出店27・退店17

  • 配当:9円(4期連続増配)/株主優待制度継続

  • 持分比率:30.4%(+1.1pt)


成長戦略

M&A×多業態展開
 国内外の有力ブランド買収を通じてシナジー最大化。SFP・専門ブランド群が牽引。

海外展開強化
 北米・東南アジアを中心に出店を拡大し、グローバル収益基盤を構築。

店舗効率化・ブランド刷新
 商業施設との協業で集客力を高め、メニュー改定・デジタルオーダー導入などで利益率改善。

中期経営計画(2026–2030)
 「本質的価値の進化」「シナジーのあるM&A」「海外事業拡大」を3本柱に、持続成長を実現。


リスク

  • 原材料・エネルギー・人件費高止まりによる収益圧迫

  • 国内外の景気・為替動向の影響

  • 人材採用・育成コストの上昇

  • 新規業態の立ち上げリスク


還元方針

  • 年間配当:9円(+1円増配)/配当性向20%前後

  • 株主優待:自社店舗で利用可能な優待券を継続

  • 安定配当+優待重視の中長期保有促進策を維持


一言まとめ

「多業態×M&A×海外」で挑む外食コングロマリット。
商業施設・居酒屋・専門店を横断するポートフォリオ経営で、景気変動に強い成長モデルを確立。

SFPホールディングス〈3198〉

要約

「磯丸水産」や「鳥良商店」などを展開する居酒屋大手。
2026年2月期中間期は 売上153億円(+2.0%)・営業利益9億円(▲5.3%) と増収減益。
注力業態「五の五」が好調だった一方、訪日客減少や原価上昇が利益を圧迫。
通期では 売上325億円・営業利益25億円(+10%超) を見込み、地方出店とメニュー改定による回復を目指す。
低投資で展開できる大衆酒場業態を育成し、収益性の高い店舗構成へ移行中。


KPI(主要指標)

  • 売上高:32,500百万円(予想/+6.0%)

  • 営業利益:2,500百万円(予想/+10.0%)

  • 店舗数:212店舗(FC19店舗含む)

  • 主力構成:磯丸水産 約60%、鳥良商店 約25%

  • 配当:28円(前期+2円増配)

  • 株主優待:食事券制度継続


成長戦略

地方都市への出店強化
 既存店の安定収益を維持しつつ、地方中核都市への展開でドミナント効果を創出。

大衆酒場業態の育成
 低投資・高回転型の新フォーマットを開発し、原価上昇局面でも利益を確保。

ブランドリニューアル
 「鳥良商店」を全面刷新。メニューの絞り込みとオペレーション簡素化で収益改善。

親会社CRHとのシナジー強化
 店舗設計・施工管理の子会社設立により、グループ全体でコスト削減を推進。


リスク

  • 原材料・光熱費・人件費上昇による利益率低下

  • インバウンド需要や景気動向への依存

  • 新業態の立ち上げコスト増

  • 外食業界の競争激化


還元方針

  • 年間配当:28円(+2円増配)

  • 株主優待:食事券制度を継続

  • 安定配当を維持しつつ、業績連動での増配を実施

  • 財務健全性を保ちつつ、株主価値の向上を図る


一言まとめ

「磯丸水産」から地域密着型居酒屋へ。
地方展開とブランド再構築でポストコロナの成長フェーズへ。
グループシナジーを活かした「堅実な再成長企業」。

17. 不動産セクター

ムゲンエステート〈3299〉

要約

中古不動産の買取再販を主力とする不動産企業。
2025年12月期1Qは 売上329億円(+4.6%)・営業利益54億円(+9.0%) と過去最高業績を更新。
首都圏の中古住宅需要と外国人投資家の取引拡大が業績を牽引。
通期では 売上806億円・営業利益109億円(+13.9%) を見込み、3期連続の増収増益を計画。


KPI(主要指標)

  • 売上高:806億9,400万円(+29.8%)

  • 営業利益:109億6,100万円(+13.9%)

  • 自己資本比率:36.1%

  • 配当:112円(配当性向40.1%)

  • 主力:居住用不動産販売(売上構成比56%)


成長戦略

地方展開の拡大
 京都・那覇など新拠点開設で全国ネットワークを強化。

営業データの可視化・KPI管理
 営業プロセスを数値化し、成約スピード・利益率を改善。

海外投資家向け対応
 専任部門を新設し、外国人投資家需要を取り込み。

不動産特定共同事業の拡充
 小口投資・クラウドファンディング型商品を通じて投資家層を拡大。

財務基盤の強化と公募債発行
 内部留保+債券調達で安定成長資金を確保。


リスク

  • 不動産市況・金利上昇による仕入コスト増

  • 在庫拡大に伴うキャッシュフロー変動

  • 外国人投資家需要の変動

  • 仕入競争激化によるマージン圧迫


還元方針

  • 年間配当112円(+8円)、配当性向40.1%

  • 安定配当+自社株取得も視野

  • 財務健全性を維持しながら株主還元を強化


一言まとめ

中古再販の目利き力で過去最高益を更新。
外国人投資家需要と地方展開を追い風に、再生型不動産ビジネスを深化。
財務健全性と高還元姿勢が光る、堅実成長の不動産リーダー。

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稼ぐ構造を作れるかが勝敗を分ける。

短期はコスト高や人手不足の揺り戻しが続く一方、

①固定費の切替(構造改革)

②単価・ミックス改善(価格改定・高付加価値)

③ストック・海外での分散化が効いている企業ほど、数字に表れています。

本稿の顔ぶれでは、

井関(改革の実弾)/ROBOT PAYMENT(高ストック×高収益)/ムゲン(需要の追い風+KPI管理)が「攻めて伸ばす」代表格。
ナガイレーベンは不確実性下での「質のいい守り」。
CRH・SFPはオペ改善と地方・海外の伸びしろ。
SBSはプロパティ再構築が反転のカギ。
フルサト・マルカHDは「UNISOL」でマルチソリューション化の磨き上げ。
エディアはIP多層化の実行力が焦点です。
結論: 来期への仕込みどころは、「構造改革×ストック×海外」の三位一体を実務で示している銘柄。ディフェンシブは高還元×財務健全でポートのボラティリティ低減に有効です。

【前週2025年10月第2週|食品・機械・IT・不動産セクターの最新動向【銘柄・企業分析】

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