市況まとめ(8/19・8/22)
8月19日(月)|3営業日ぶり反落、短期的な過熱感で売り優勢
日経平均株価は前日比168円安の4万3546円29銭となり、3営業日ぶりに反落しました。
18日まで連日で最高値を更新していたこともあり、短期的な過熱感を意識した利益確定売りが主力株に広がりました。
特にソフトバンクグループ(SBG)は、米インテルに20億ドル出資を発表した直後は買いを集めたものの、その後は反落。一時5%安まで売られ、日経平均を単独で135円押し下げる要因となりました。
また、任天堂をはじめとしたゲーム株も反落し、相場全体の重荷となりました。
一方、中外薬や第一三共といった医薬品株は買われ、個別銘柄ごとの強弱が際立つ展開でした。売買代金はお盆明けということもあり減少傾向にあり、投資家は積極的に動きづらい状況でした。
8月22日(金)|小反発、円安と押し目買いが下支え
この日は日経平均株価が小反発し、輸出関連株を中心に底堅い動きとなりました。
外国為替市場で円安が進行したことに加え、個人投資家による押し目買いが相場を下支えしました。
ただし、米エヌビディアの中国向け半導体生産停止報道が伝わると、一時的に株価が下落。セクターごとの明暗が分かれました。
ゲーム関連や一部テクノロジー株が買われる一方で、化学株には売りが出るなど、全体として方向感に欠ける展開でした。
また、米FRBパウエル議長のジャクソンホール会議での講演を控え、市場参加者が様子見姿勢を強めたことも、取引を抑える要因となりました。
初心者向け解説①:パウエルFRB議長の講演がなぜ重要?
米国の金融政策を決めるFRB(連邦準備制度理事会)のトップがパウエル議長です。
議長の発言は「金利をどうするか」の方向性を示すことが多いため、世界中の投資家が注目しています。
特に毎年8月のジャクソンホール会議では、パウエル議長のスピーチが「FRBの今後の方針」を読み取る最大の材料になります。
-
「景気は強い、インフレが心配」と言えば → 利上げ継続が意識され、株価にマイナス要因
-
「景気が減速、利下げを検討」と言えば → 利下げ期待が高まり、株価にプラス要因
投資家は、この一言一言をもとに売買を判断するため、発言直後に株価や為替が大きく動くことも珍しくありません。
初心者は「パウエル議長の講演=世界の金融市場が動く合図になる可能性あり」と覚えておくと良いでしょう。
初心者向け解説②:ジャクソンホール会議とは?
ジャクソンホール会議は、毎年8月に米国カンザスシティ連銀が主催する経済シンポジウムです。
FRB議長をはじめ、世界の中央銀行トップや経済学者が集まり、金融政策や世界経済の課題について議論します。
特に注目されるのはFRB議長の講演で、今後の利下げ・利上げの方向性を示唆することがあるため、世界中の投資家が注目しています。
初心者は「ジャクソンホール=アメリカの金融政策を占うヒントが出る場」と覚えておくと理解がスムーズです。
初心者向け解説③:円安が輸出株を押し上げる理由
外国為替市場で円安が進むと、日本企業の輸出株にプラスの影響があります。
理由は、海外で得たドル建て利益を円に換算したときに金額が大きくなるからです。
例えば、1ドル=140円のときに100万ドルの売上は「14億円」ですが、1ドル=150円なら「15億円」と、円安が進むほど売上が増える計算になります。
そのため、トヨタやソニーなど輸出関連株は「円安=株高要因」として買われやすい傾向があります。
総括
2025年8月19日~22日の東京株式市場は、利益確定売りでいったん反落した後、円安や押し目買いで下支えされる展開となりました。
ただし、ジャクソンホール会議を控えて市場は方向感に欠け、投資家は慎重な姿勢を維持しています。
初心者にとっては、今回の相場から 「パウエルFRB議長の講演の重要性」「ジャクソンホール会議の重要性」「円安と輸出株の関係」 の3つを学ぶ良い機会となりました。
【前週】2025年8月第2週の株式相場まとめ|最高値更新から利益確定売りへ【初心者解説付き】
【翌週】2025年8月第4週の株式相場まとめ|利下げ期待と調整売りが交錯、AI関連に資金流入