全体動向
この週は、日米関税合意が主役でした。
自動車関税引き下げは国内製造業にとってプラスで、株価上昇を強く後押ししました。
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ポジティブ要因
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日米交渉合意による安心感
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海外投資家の資金流入
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銀行株を含む幅広いセクター上昇
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注意すべき要因
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短期筋による急騰の可能性
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円高・金利上昇懸念
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相互関税リスク
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総じて、市場は一気に強気モードに入りましたが、投資家心理は「買いたいけど高値警戒も」という複雑な状況です。
相場まとめ
7/23(火)
日経平均株価は3.51%高となり、1年ぶりの高値をつけました。
背景は、
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日米関税交渉の合意(自動車関税引き下げ)
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石破茂首相の退陣観測報道
といったポジティブ材料です。
マツダやSUBARU、ファストリ、ファナックなどの主力株が大幅上昇し、銀行株も買われました。
一方、一部銘柄は利益確定売りに押される場面もありました。
7/24(水)
日経平均株価はさらに過去最高値を更新しました。
「TOPIXコア30」が主導し、海外投資家の資金流入が鮮明に。
ただし午後には一時伸び悩み、
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金利上昇懸念
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円高進行
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米相互関税リスク
といった要因も意識されました。
個別では、ファストリ・SBG・リクルートが高値更新。
一方でアドテストやレーザーテクが下落し、セクター間の明暗が分かれました。
初心者向け解説①:なぜ関税交渉の合意が株高につながるのか?
関税は、国と国との間で輸入される商品にかかる「税金」です。
たとえば、日本から米国に自動車を輸出するときに25%の関税がかかれば、その分アメリカの消費者にとって日本車は高くなり、売れにくくなります。
これは企業にとって「利益が減る」要因です。
今回のように「日米が関税を引き下げる」という合意が報じられると、以下のような期待が高まります。
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企業の利益が増える → 自動車や製造業の株価が上がりやすい
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日本経済全体にプラス → 日経平均の押し上げ要因になる
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海外投資家にとって安心材料 → 日本株を買いやすくなる
初心者の方は、「関税のニュース=企業の売上や利益に直結する」と考えると理解しやすいです。
特に日本は輸出産業が強いため、関税交渉は株価へのインパクトが非常に大きいのです。
初心者向け解説②:海外投資家の資金流入がなぜ大事?
東京市場の売買代金の約7割を占めるのは海外投資家です。
つまり「海外マネーが買うかどうか」で相場の方向が決まる、と言っても過言ではありません。
今回の上昇局面では、日米関税合意によって「日本株は買いやすい」という安心感が広がり、海外勢が一斉に資金を投入しました。特に大型株を集めたTOPIXコア30への買いが目立ちました。
海外投資家の動きは、日本の個人投資家よりも規模が圧倒的に大きく、短期間で相場を押し上げたり押し下げたりします。
初心者の方は、「外国人投資家の資金が入ると株価が大きく動く」というルールを覚えておくと、ニュースの読み方がグッと深まります。
ポイント:
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「外国人買い」は株価上昇の強い材料
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「外国人売り」は急落リスク
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日本株のトレンドを決める最大要因のひとつ
初心者向け解説③:高値更新=その後どうなる?
株価が過去最高値を更新すると、多くの投資家が注目します。
ただし「最高値を更新したから安心」というわけではありません。
良い面
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勢いに乗って資金がさらに流入(モメンタム相場)
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強気ムードが広がり、買いが買いを呼ぶ展開
注意点
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高値警戒感が強まり、利益確定売りが出やすい
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「短期筋」と呼ばれる短期投資家が主導している場合は、上昇のスピードが速い分、下落も急になりやすい
今回も「過去最高値更新」で市場が盛り上がりましたが、同時に「短期筋主導の急騰」と指摘する声もありました。
初心者の方は、「最高値=まだ上がる」ではなく「最高値=急騰リスクもある」と理解しておくと冷静に対応できます。
特に短期で急騰したときは、「利益確定するか、一部を残して様子を見る」などリスクを分散した判断が重要です。
まとめると
- 関税合意=企業利益増で株価にプラス
- 海外投資家の資金=相場を大きく動かす原動力
- 最高値更新=好材料と同時にリスクも高まる局面
総括
7月第3週の東京市場は、日米関税合意のサプライズと海外マネーの流入で大幅上昇しました。
ただし、過熱感や短期筋主導の動きも指摘されており、「高値追い」には注意が必要です。
投資家は今後も「日米関税交渉」「金利動向」「為替」の3つを注視しながら、リスクを取りすぎずに相場に向き合うことが求められます。
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