2025年3月第4週市況まとめ|関税ヘッドラインと「配当権利落ち」で乱高下

DMM FX

全体動向

2025年3月第4週の東京市場は、米通商政策(関税)の不透明感配当権利落ちというイベントが重なり、方向感に乏しいまま上げ下げの振れ幅が大きい週に。
週前半は関税観測で様子見・戻り待ちの売りが優勢→25–26日は米ハイテク高・円安で持ち直し27日は輸入車関税報道で反落28日は権利落ち+外部悪材料で大幅安という流れでした。


日別サマリー

3/24(月)|3日続落・様子見強め

日経平均 3万7608円(-69円)
・関税導入観測がくすぶり、戻り待ちの売り。半導体の戻り鈍い。
・TOPIXは8営業日ぶり反落。主力に売りが広く波及。

3/25(火)|4営業日ぶり反発

日経平均 3万7781円(+172円)
・前日の米株高と円安で自動車・半導体を中心に買い。先物主導で一時+500円超。
・上値では利益確定売りに押され伸び悩み。

3/26(水)|続伸・3万8000円回復

日経平均 3万8027円(+247円)
・米ハイテク高継続。海外勢の買いで後場に上げ幅拡大。
・中小型・内需にも資金。割安系(自動車・銀行)はやや重い。

3/27(木)|3日ぶり反落

日経平均 3万7800円(-227円)
輸入車への追加関税報道で自動車が軒並み安、半導体も軟調。
・配当取りの買いが下支えしつつも戻りは限定。

3/28(金)|急落(-680円)

日経平均 3万7120円(-680円)
配当権利落ちが指数を300円超押し下げ。
・米株安・自動車関税懸念、物価指標の強さ→早期利上げ思惑も重石。
・自律反発・買い戻しで引けにかけてはやや下げ幅縮小。


初心者向け解説

① 関税ヘッドラインが株を動かすワケ

関税は「国境をまたぐモノの価格」に直結するため、株式市場にとって非常に敏感なニュースです。
たとえば米国が「自動車に25%の追加関税をかける」と発表すれば、日本の自動車メーカーは輸出コスト増 → 利益減少 → 株価下落という連想が一瞬で働きます。
逆に「関税発動を延期する」と報じられれば、「最悪の事態は回避された」と安心感が広がり株価は反発しやすくなります。

初心者が覚えておきたいのは、実際に関税が導入されたかどうかより、ヘッドライン(報道や発言)の時点で株が反応するという点です。
つまり「まだ決まっていないこと」でも、市場は先回りして売買するため、ニュースが流れた瞬間に株価が大きく動くことがよくあります。
この「思惑で売買が先行する」という市場特有の動きを理解しておくと、短期的な値動きに振り回されずに済みます。

② 「配当取り」と「権利落ち」:同じ配当でも株価の動きは真逆

  • 株には「配当を受け取る権利」が決まる日があります。

    • 配当取り(権利付き最終日までに株を持つ) → 「配当金がもらえる!」と投資家が買うので、株価が上がりやすい。

    • 権利落ち日(翌営業日以降) → 「配当金分は理論上もう株価に含まれていない」と見なされ、株価が下がりやすい。

    たとえば1株あたり50円の配当なら、権利落ち日には理論上50円株価が下がります。つまり、前日は配当狙いで株価が上がる → 翌日は配当分だけ株価が下がるという「真逆の動き」が発生するのです。

    初心者が混乱しやすいのは、「業績が悪化したわけでもないのに株価が下がる」点。これは単なる仕組みによる値下がりであり、長期投資家にとっては「割安になった」とも解釈できる場面です。ニュースで「権利落ちで日経平均○百円安」と出ても、それだけで悲観する必要はないと覚えておくと安心です。

③ 「戻り待ちの売り」と「先物主導」:上値が重く見える理由

株価が急落したあと反発する局面では、一見「上昇トレンドに戻りそう」と思えますが、そこに立ちはだかるのが戻り待ちの売りです。これは「高値で買って含み損になっていた投資家」が、「元の水準に戻ったら売ってしまおう」と考える売りのこと。株価が戻ると一斉に売りが出やすく、上値を抑える要因になります。

さらに短期的な値動きを大きくするのが先物主導の動きです。海外の短期筋や機関投資家が先物を売買すると、それに連動して現物株も売買され、指数全体が大きく上下します。個別銘柄に業績ニュースがなくても、先物の売買によって「なんとなく株価が動いてしまう」場面が生まれるのです。

初心者は、こうした需給的な動きを「なぜか上値が重い」「なぜか急に下がった」と誤解しがちですが、背景には過去の買い手の存在(戻り売り)や先物という別の市場の影響があることを知っておくと理解が進みます。


総括&今後の注目

  • 材料面:通商政策(とくに自動車・半導体)、米物価・金利動向、為替。

  • テクニカル/需給面:配当・権利落ちの影響一巡後の戻りの強さ、戻り待ちの売りをこなし切れるか。

  • スタンス:イベントでの過剰反応に振られないよう、業績モメンタムと中期テーマ(AI・省エネ・内需リオープン等)で銘柄軸を確認。短期は押し目の質(出来高・需給)をチェック。

まとめ

ヘッドラインとイベント(権利落ち)で理由のある荒さになった1週。短期は過度に悲観せず、権利落ち後のリバウンドの質と政策ヘッドラインの方向を見極めるのが吉です。

【翌週】2025年3月第5週市況まとめ|日経平均大荒れ、関税リスクと景気懸念で乱高下
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